ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

「背高泡立草」

2020年02月24日 | 書籍関連

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大村奈美(おおむら なみ)は、母の実家・吉川(よしかわ)家の納屋の草刈りをするに、母、伯母従姉妹と共に福岡から長崎の島に向かう。吉川家には“古か家”と“新しい方の家”が在るが、祖母が亡くなり、何れも空き家になっていた。奈美は2つの家に関して、伯父や祖母の姉に話を聞く。吉川家は“新しい方の家”が建っている場所で戦前は酒屋をしていたが、戦中統制が厳しくなって廃業し、満州に行く同じ集落の者から家を買って移り住んだと言う。其れが“古か家”だった。島には何時の時代も、海の向こうに出て行く者や、海から遣って来る者が在った。江戸時代には捕鯨が盛んで、蝦夷でも漁をした者が居り戦後には故郷の朝鮮に帰ろうとして船が難破し、島の漁師に救助された人々がた。時代が下って、カヌーに乗って鹿児島から遣って来たという少年が現れた事も在った。草に埋もれた納屋を見乍ら奈美は、吉川の者達と2つの家に流れた時間、此れから流れるだろう時間を思うのだった。
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第162回(2019年下半期)の芥川賞を受賞した小説背高泡立草」(著者古川真人氏)。今年で32歳になる古川氏は、今回を含めて過去に4度芥川賞の候補に選ばれている。其れだけ、“筆力の高い小説家”として高く評価されているという事なのだろうが・・・。

「背高泡立草」は、“2つの時代”が交互に描かれているのだが、“同じ島に関係する人達”という事以外には互いに関係性が在るとは思えず、どういう意図を持って古川氏が取り上げたのか、全く理解出来ない。

文章は無駄に長文が続き、漢字を使った方が判りが良い部分に使われていなかったりで、読み進めるのが非常に大変。此の作品で、古川氏は何を訴えたかったのか?」というのが全く判らず、申し訳無いけれど読む時間が無駄だった。という思い。

「芥川賞=純文学の新人に与えられる文学賞直木賞大衆小説に与えられる文学賞。」という位置付けになっている。過去に何度か書いたが、直木賞受賞作品には評価出来る物が少なく無いけれど、逆に芥川賞受賞作品は“外れ率”が非常に高い。という思いが自分には在る。今回の「背高泡立草」も、完全に外れ作品。

総合評価は、星2つとする。


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