開幕から2試合先発し、「0勝2敗」と1つも勝てなかった菅野智之投手。「失点:10、防御率:6.23」と打ち込まれれば、そりゃあ勝てる訳が無い。「今季の彼は、予想していた以上に悪いなあ。」と暗澹とした思いになったが、3試合目(4月13日)からの彼はすっかり蘇った。3試合目から5試合目(4月28日)を3連勝。6試合目(5月4日)は勝敗が付かなかったが、3試合目~6試合目の4試合で失点は「3」。6試合目を終えた時点で防御率が「2.30」と、最悪の「6.23」より「3.93」も向上させたのだった。
そして迎えた昨日の対ドラゴンズ戦、先発した菅野投手は9回を投げ抜き、5安打無失点。防御率は「1.93」となり、4勝目(2敗)を上げた。4月20日の対タイガース戦の9回から、「4試合で計27イニング無失点という記録」も。
「昨日の試合を見ていて、「菅野投手は別格の存在だなあ。」と感じる場面が2つ在った。1つ目は「3対0」とジャイアンツのリードで迎えた7回表、ドラゴンズの攻撃時。無死2&3塁というピンチを迎えた菅野投手は、以降の3人の打者を「ショート・フライ→空振り三振→空振り三振」と無失点で切り抜けた。此の場面でドラゴンズが1点でも取っていたら、流れがドラゴンズ側に変わっていたかもしれない。
2つ目は「6対0」とジャイアンツが6点リードで迎えた9回表、ドラゴンズ最後の攻撃時だ。1死3塁で迎えた打者はソイロ・アルモンテ選手。此処で菅野投手は、アルモンテ選手に四球を与える。「8回裏に3点を加えて6点差とした事で、流れとしてはジャイアンツの勝利は堅い状況。」なので、凡庸な投手ならば「仮にアルモンテ選手にホームランを打たれても、未だ(ジャイアンツは)4点のリード。大胆に攻め様。」と考える所だろうが、菅野投手は“意図的に”四球を選んだ様に見えた。
「四球にも、“良い四球”と“悪い四球”が在る。」と良く言われるが、「何としても“無失点での勝利”を達成する!」という思いが強い菅野投手としては、「アルモンテ選手との勝負を避け、続く打者で勝負した方が、無失点で切り抜けられる。」という計算をし、“良い四球”を選択したのだろう。1死1&3塁となって以降、ダヤン・ヴィシエド選手を空振り三振、そして福田永将選手を3塁ゴロに仕留め、無失点で切り抜けた。