コンビニで見掛け、そのタイトルに惹かれて購入した本「日本タブー事件史」。一見あらゆる事が自由に報じられている様な我が国でも、その実タブー視されて報道されない事が結構在るもの。「『放送禁止映像大全』 Part1」及び「『放送禁止映像大全』 Part2」でもそういった事柄を取り上げてみたが、この本の中にも20の事柄に付いて触れられている。特に印象に残ったのは次の2件だった。
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① 浅間山荘事件
1972年、山荘内に管理人の妻を人質にして籠城した5人の連合赤軍メンバー。その中に2人の未成年(少年A[19歳]及び少年B[16歳]*1)の兄弟が居たのは知っていたが、少年Aは1983年2月に懲役13年の刑が確定し、三重刑務所で服役。1987年1月に仮釈放され、現在は複数の自然&環境保護の団体で重職に就いているというのは全く知らなかった。記事でも書かれていたが、嘗ては機動隊と対峙して銃を乱射していた少年が、今は鳥獣保護法で禁じられているカスミ網を見付けては警察に通報し、その事で感謝され、警察と協力関係を築いているというのは何とも皮肉で在る。
② サラブレッドの引退後
引退後のサラブレッドの多くはどうなっているのか?競馬ファンのみならず、一般人でもその”噂”を耳にした人間は居ると思うが、競馬界に於いては表立って語られる事の無い最大のタブーと言えるかもしれない。
サラブレッドを飼育するには人手も然る事乍ら、多額の費用が必要とされる。一説には、最低でも年間600万円の飼育料(中央競馬)が要るとの事。だからこそオーナーとしては、賞金を稼げない競走馬には早く見切りを付けざるを得ない現実が在る。そして調教師や騎手の側にも、勝利を重ねて稼がなければならないという現実が在り、脱落した馬に未練を残していては通用しないという、勝負の世界の非情さが在る。
引退したサラブレッド達が辿る道だが、牝馬やごく一部の優秀な牡馬は、繁殖という第二の余生が待っている。中央競馬界の場合で言えば、引退、即ち登録が抹消される際には、必ず抹消事由も併せて発表される。種牡馬や種牝馬として繁殖に廻されるサラブレッドは、全体の2~3割との事。残る大半のサラブレッド達は、地方競馬の競走馬か乗馬用に廻されるとされている。
しかし、近年では地方競馬界も”冬の時代”に在り、競馬場も幾つか潰れている状況。とても、中央競馬から競走馬を受け容れる余裕等無いと言っても良い。故に、”引退事由”発表を鵜呑みにすれば、中央競馬だけで年間数千頭ものサラブレッドが、乗馬用に廻されている事になるのだが、実際には乗馬に廻されるのはその内の1割が良い所で、残りの9割は馬肉用に処分されているのだとか。
本の中では、登録抹消されたサラブレッド達が一旦集められる某馬事センターが紹介されているのだが、此処に馬が多く集まる時期は夏という。3歳馬がこの先、競走馬としてやっていけるのかどうなのかハッキリする頃だからなのだそうだ。それどころか2歳馬の段階で、早々に見切りを付けられて来る場合も在ると。そして、此処から9割近くの馬が馬肉用として馬喰に引き渡されるのだそうだ。
「出来る限り人気の在る馬は此処に持って来ない様にしている。人気の在る馬はファンからの問い合わせが多くて困る。『今どうしていますか?』なんて聞かれても、答えられる訳が無い。競走馬は登録抹消した時点で、ファンの追っ駆けを断ち切るシステムしなければ駄目だ。これはファンの目には晒せない部分なのだから。それで皆苦労している。名前を伏せられてうちに流れ着く馬で、実は凄く有名な馬だったっていうのも珍しくない。」
この馬事センターで働く担当者の言葉だが、とても切実な響きを持って胸に迫って来る。
処分されるのは、何も現役引退した段階だけでは無い。牧場では耐用年数の過ぎた(受胎率の悪化した)種牝馬や、産まれた時点で先天的な障害を持っていたり奇形で売り物にならない仔馬が処分されるケースも少なくないと。
本文の最後には、「競馬が健全に発展して行くには、出来る限り多くの馬を生産し、競争倍率を上げて強い馬を次々と誕生させなければならない。その裏には、競走馬の処分が不可欠で在り、それも含めて競馬の本当の姿が在る。馬の屠畜が可哀想だとの考えは、競馬の存在を否定する事で在る。本当のファンならば、この現実から目を逸らしてはならない。」と記されている。確かに長い伝統と文化を持った競馬だからこそ、”処分”が残酷と言い切ってしまうのはシンプルに過ぎるのかもしれない。それは判ってはいるのだが、馬のあの愛らしい目を見てしまうと、何とかもっと救済する道はないのだろうかとも思ってしまう。
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*1 弟の少年Bは当時16歳という事も在って少年鑑別所に送られ、その後は高校、大学と進み、一旦は就職したのだそうだ。又、彼等の長兄は山岳アジトにて、”総括”という名の下にリンチ&殺害されたという。
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① 浅間山荘事件
1972年、山荘内に管理人の妻を人質にして籠城した5人の連合赤軍メンバー。その中に2人の未成年(少年A[19歳]及び少年B[16歳]*1)の兄弟が居たのは知っていたが、少年Aは1983年2月に懲役13年の刑が確定し、三重刑務所で服役。1987年1月に仮釈放され、現在は複数の自然&環境保護の団体で重職に就いているというのは全く知らなかった。記事でも書かれていたが、嘗ては機動隊と対峙して銃を乱射していた少年が、今は鳥獣保護法で禁じられているカスミ網を見付けては警察に通報し、その事で感謝され、警察と協力関係を築いているというのは何とも皮肉で在る。
② サラブレッドの引退後
引退後のサラブレッドの多くはどうなっているのか?競馬ファンのみならず、一般人でもその”噂”を耳にした人間は居ると思うが、競馬界に於いては表立って語られる事の無い最大のタブーと言えるかもしれない。
サラブレッドを飼育するには人手も然る事乍ら、多額の費用が必要とされる。一説には、最低でも年間600万円の飼育料(中央競馬)が要るとの事。だからこそオーナーとしては、賞金を稼げない競走馬には早く見切りを付けざるを得ない現実が在る。そして調教師や騎手の側にも、勝利を重ねて稼がなければならないという現実が在り、脱落した馬に未練を残していては通用しないという、勝負の世界の非情さが在る。
引退したサラブレッド達が辿る道だが、牝馬やごく一部の優秀な牡馬は、繁殖という第二の余生が待っている。中央競馬界の場合で言えば、引退、即ち登録が抹消される際には、必ず抹消事由も併せて発表される。種牡馬や種牝馬として繁殖に廻されるサラブレッドは、全体の2~3割との事。残る大半のサラブレッド達は、地方競馬の競走馬か乗馬用に廻されるとされている。
しかし、近年では地方競馬界も”冬の時代”に在り、競馬場も幾つか潰れている状況。とても、中央競馬から競走馬を受け容れる余裕等無いと言っても良い。故に、”引退事由”発表を鵜呑みにすれば、中央競馬だけで年間数千頭ものサラブレッドが、乗馬用に廻されている事になるのだが、実際には乗馬に廻されるのはその内の1割が良い所で、残りの9割は馬肉用に処分されているのだとか。
本の中では、登録抹消されたサラブレッド達が一旦集められる某馬事センターが紹介されているのだが、此処に馬が多く集まる時期は夏という。3歳馬がこの先、競走馬としてやっていけるのかどうなのかハッキリする頃だからなのだそうだ。それどころか2歳馬の段階で、早々に見切りを付けられて来る場合も在ると。そして、此処から9割近くの馬が馬肉用として馬喰に引き渡されるのだそうだ。
「出来る限り人気の在る馬は此処に持って来ない様にしている。人気の在る馬はファンからの問い合わせが多くて困る。『今どうしていますか?』なんて聞かれても、答えられる訳が無い。競走馬は登録抹消した時点で、ファンの追っ駆けを断ち切るシステムしなければ駄目だ。これはファンの目には晒せない部分なのだから。それで皆苦労している。名前を伏せられてうちに流れ着く馬で、実は凄く有名な馬だったっていうのも珍しくない。」
この馬事センターで働く担当者の言葉だが、とても切実な響きを持って胸に迫って来る。
処分されるのは、何も現役引退した段階だけでは無い。牧場では耐用年数の過ぎた(受胎率の悪化した)種牝馬や、産まれた時点で先天的な障害を持っていたり奇形で売り物にならない仔馬が処分されるケースも少なくないと。
本文の最後には、「競馬が健全に発展して行くには、出来る限り多くの馬を生産し、競争倍率を上げて強い馬を次々と誕生させなければならない。その裏には、競走馬の処分が不可欠で在り、それも含めて競馬の本当の姿が在る。馬の屠畜が可哀想だとの考えは、競馬の存在を否定する事で在る。本当のファンならば、この現実から目を逸らしてはならない。」と記されている。確かに長い伝統と文化を持った競馬だからこそ、”処分”が残酷と言い切ってしまうのはシンプルに過ぎるのかもしれない。それは判ってはいるのだが、馬のあの愛らしい目を見てしまうと、何とかもっと救済する道はないのだろうかとも思ってしまう。
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*1 弟の少年Bは当時16歳という事も在って少年鑑別所に送られ、その後は高校、大学と進み、一旦は就職したのだそうだ。又、彼等の長兄は山岳アジトにて、”総括”という名の下にリンチ&殺害されたという。
ところで、競馬の馬が馬肉にされるのは以前「熱狂的競馬ファン」のオジサンから聞いた事があります。彼は「それだから、俺は『馬肉』は食べないのだ!」と意気込んでおりましたが、なるほど考えてみればある意味仕方ないかも知れないけれど、馬好きな人には耐えられないことでしょうね。・・・でも、私は馬刺し好きです。
セイウンスカイが出て来た時に、父のシェリフズスターは種牡馬廃用で行方しれずなんてこともありました。
それとJRAではもう見ることが出来ないアラブ達にいたっては激減してます。あとばんえい競馬の重種馬達は試験に受からないと即お肉だったはず。
コンビーフ一つ食べるのにも感謝せねばならないのですよね。
でも大衆の記憶にハルウララはもはやないのもまた現実かもしれません。