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「<家庭塵>集積所止めたら減った 戸別収集、都市部で増加」(2月3日、毎日新聞)
家庭塵の集積所を設けて一括して収集するのを止め、各家庭の前に塵を出して貰う「戸別収集」を導入する自治体が都市部で増えている。元々は、塵を出した家庭が判る様にする事で、マナーを改善し様と始まったが、塵の量が減るという思わぬ効果も在り、自治体側は「住民の意識向上に繋がっている。」と分析する。
人口の多い都市部では、塵回収の効率を重視し、町内会等一定の区域毎に自治体が指定した集積所に塵を出すのが一般的だ。此れに対し、戸別収集は自宅の玄関先や集合住宅の前に塵を出し、清掃職員が一軒ずつ収集する。
東京都品川区は2005年7月、東京23区で初めて区内全域で戸別収集を導入した。其れ迄は集積所での収集を続けて来たが、指定した日時以外に塵を出す住民が居たり、塵袋を確り閉じずに捨てる等、マナー違反が絶えなかった。烏が塵を食べ散らかし、区には周辺住民からの苦情が多く寄せられていたと言う。
然し、戸別収集にした後はマナー違反は減り、「以前は集積所を塵捨て場だと勘違いしている様な人も居たが、今は確り分別もされている。」(清掃職員)。地域毎に収集する曜日を変え、午前8時に速やかに回収する様にした所、住民側も回収時間の直前に塵を出す様になった。「朝早く出すのは面倒。」との声も在るが、住民側からも概ね好評だ。
更に、区内の塵の量は、人口が増えたにも拘らず、2005年度比で約2割減となる計約7万2,000トン(2016年度)と、塵の減量効果も出ている。各家庭を回る必要が在る為、収集の手間は増すが、東京23区では台東区も2016年から全域で戸別収集を導入し、塵が減っていると言う。神奈川県や大阪府等の都市部でも、戸別収集を採用する自治体が増えている。
品川区清掃事務所の担当者は「自分が出した塵に責任を持つと同時に、塵を減らす意識も住民の間で広がっている。収集直前に塵を出す事で、街の景観も良くなった。」と話す。
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我が家が指定された塵集積所、昔は“他所の人間”が“捨ててはいけない塵”(別途捨てなければいけない粗大塵や、収集曜日以外に捨てた塵等。)を放り投げていた時期も在ったが、色々と方策を立てた事で、今はそういう事態は起こらなくなっている。又、「当該地域の住民が意図的にでは無く、うっかりミスで曜日違いの塵を捨て、引き取られずに残った儘になっている。」という事が昔は少なからず在ったけれど、今はそういう事も殆ど無い。“同じ地域に住み続ける住民”が少なく無いという事が、「周りに迷惑を掛けてはいけない。」とう意識向上に繋がっているのかもしれない。逆に言えば、住民の入れ替わりが激しい地域では、「塵は、適当に塵集積所に放り込んでおけば良い。」という意識に繋がり易いとも言える。
塵集積所スタイルを止め、戸別収集スタイルを導入する事で「おかしな形で塵を出したら、直ぐに自分がした事と判ってしまう。」、「大量の塵を自宅前に出すのは、何か嫌だ。」という思いが増し、結果としてマナー改善や塵減量に繋がったのは良い事。清掃職員の手間が増えるというのは考慮すべき点だが、全体の塵の量が減った事による手間の軽減というのも在るだろうから、其のバランスが気になる。
継続するから意味があると思いますし、住民も入れ替わりますから、こうした分かり易い形での、マナーの喚起が、もっと定着すれば良い、と思います。
塵の収集といった、敢えて人がやらなくても、機械が代わりに出来そうな仕事に対して、戸別収集は、このように人と人とでやるからこそ、ルールを共有出来ると思います。機械化で恐いのは、監視が無くなる事によって、ルールが荒れる事でしょうね。何らかの形で、監視はあった方が良いと思います。
昔住んでいたところでは大きなポリのごみバケツを1軒ごとに出していたのが、いつの間にかゴミ集積所に出すように変わり、さらに分別して出すようにと変化してきました。
それがまた1軒ごとの収集に戻りつつあるというわけですね。
現在の我が家の集積所でも、以前は防鳥ネットの掛け方が不十分でカラスに破り散らされたゴミが散乱することがしばしばでした。
そこであるとき散乱したゴミの内容を、出した本人ならわかるように現場写真を撮り、さらにカラス被害にあわないようなゴミの置き方・ネットの掛け方を示した写真も撮って、両方をプリントアウトして各戸に配布。また集積所にも掲示することにしました。
散乱したゴミの内容からプライバシーの侵害にならないよう配慮した写真にしたつもりでも、苦情が出るかと心配しましたが、杞憂に終わり、以来、カラス被害はピタッと収まっています。
おそらく防鳥ネットの掛け方がよく分からない人がいたんでしょうね。
町内のほかの集積所では、相変わらず道路いっぱいに散乱しているところもありますが、私のようなお節介がいないのでしょうか(苦笑)。
大分昔になりますが、我が家が属している塵集積所に、屡々“捨ててはいけない粗大塵”や“曜日違いの塵”が捨てられ、回収されない儘に残るという事態が続きました。其処で早い時間に起床し、塵を捨てに行った所、そういった塵を車で運んで来て捨て様としていた人物を見付け、数度注意した事が。町内会で話し合い、“警告の表示”及び(ネットを掛ける形では無く)蓋付きの集積所に変えた所、そういう不届き者は出没しなくなりました。
こういうケース以外にも、隆様が書かれている様な「『ルールを守るべき場所だ。』という事を知らない人達。」も居るだろうし、そういう人達への啓蒙活動というのも重要でしょうね。
嘗て日本には“恥の文化”というのが厳然と存在し、そういう文化を尊び、自らを律する人達が少なからず居た。今もそういう人達は少なく無いと信じていますが、同時にそういう心得を弁えない者も増えている。「他者が見ていないなら、何をしても構わない。」というのは、本当に困った物。
又、自分がしている事が、何れだけ他者に迷惑を掛けているかを全く自覚していない人達も居る。悪意の無い不心得と言いましょうか。そういう人達にとっては、悠々遊様の様な活動が、結果として“自覚”と“目覚め”を与える事にもなる。