1977年10月5日から翌年3月29日迄、TBS系列で放送されていたヴァラエティー番組「たまりまセブン大放送!」【動画】。馬鹿馬鹿しい内容が結構好きだったのだが、此の番組のED曲として流れていたのが「宇宙よりのパンツマン」【動画】。“パンツマン”なるキャラクターが歌い&踊る内容なのだが、パンツマンに扮していたのは、タイガース等3つのチームで選手として活躍し、タイガースでヘッド・コーチを務めていた辻佳紀氏。“ヒゲ辻”というニックネームで呼ばれた彼は、個性的なキャラクターから解説者だけで無く、タレントとしても活躍していた。とは言え、「プロ野球OBが、“被り物を身に付けて”おちゃらける。」なんて事が(恐らくは)無かった時代に、「パンツマンのコスチュームを身に纏い、『(パンツマ~ン)御待たへシラシラ♪』とか歌い&踊る姿は、余りにも衝撃的だった。
辻氏が、癌にて48歳の若さで亡くなられたのは1989年の事。33年経ったけれど、「宇宙よりのパンツマ」をふと口遊んでいる事も在る。所謂“コミック・ソング”の中では、忘れらない1曲だ。
此方に「コミック・ソングの一覧」が紹介されているけれど、懐かしい物が少なく無い。其れ等の中から、“忘れじのコミック・ソング”を選んでみると、次の通り。
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[忘れじのコミック・ソング]
・「意地悪ばあさんのうた」【歌】
・「天才バカボン」【歌】
・「三味線ブギウギ」【動画】
・「買い物ブギ」【動画】
・「お化けのロック」【動画】
・「林檎殺人事件」【動画】
・「アキラのズンドコ節」【動画】
・「自動車ショー歌」【動画】
・「しらけ鳥音頭」【歌】
・「デンセンマンの電線音頭」【動画】
・「アホの坂田」【歌】
・「なぜか埼玉」【動画】
・「うぐいすだにミュージックホール」【動画】
・「走れコウタロー」【動画】
・「さいざんす・マンボ」【動画】
・「いい湯だな」【動画】
・「ドリフのズンドコ節」【動画】
・「ドリフのほんとにほんとにご苦労さん」【動画】
・「スーダラ節」【動画】
・「ハイそれまでヨ」【動画】
・「だまって俺について来い」【歌】
・「無責任一代男」【歌】
・「ホンダラ行進曲」【動画】
・「ウンジャラゲ」【歌】
・「日本全国酒飲み音頭」【動画】
・「ハンダースの想い出の渚」【動画】
・「老人と子供のポルカ」【動画】
・「世迷い言」【動画】
・「帰って来たヨッパライ」【動画】
・「あゝやんなっちゃった」【歌】
・「ホタテのロックン・ロール」【動画】
・「カックン・ルンバ」【歌】
・「俺ら東京さ行ぐだ」【動画】
・「ひらけ!チューリップ」【歌】
・「いっぽんでもニンジン」【動画】
・「金太の大冒険」【動画】
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私は、なんといっても「おかげ様ブラザース」です。
https://blog.goo.ne.jp/totuzen703/e/f712f5bd44f364175b447e43f910297f
と、いっても関西以外(関西でも知ってる人は少ない)ではほとんど知られていないでしょう。
実にノリのいいコミックバンドでした。
残念ながらリーダーのきんたミーノさんは2020年に亡くなりました。
https://blog.goo.ne.jp/ebisu0014/s/%E3%81%8D%E3%82%93%E3%81%9F%E3%83%9F%E3%83%BC%E3%83%8E
まことに残念です。
おかげ様ブラザース、今回初めて知りました。特定の地域では非常に有名な存在という事では、「金太の大冒険」が売れる前のつボイノリオ氏も、そんな感じだったかも知れません。
「一般的な知名度は其れ程でも無いけれど、自分にとっては忘れられない存在。」というのは、結構居たりします。雫石様にとっておかげ様ブラザースは、そんな存在だったのですね。
雫石様の記事で「懐かしいなあ。」と感じたのは、谷山浩子さんの御名前。深夜・・・と言うか明け方のラジオ番組でDJをされていた頃、彼女の曲を良く耳にしました。
挙げられた歌、6割くらいは知ってます。
ご紹介のwikipediaも覗きましたが、いやあよくこれだけ網羅しましたね。私が、「これはどうかな」と思った歌もほとんど載っていました。これは資料的価値がありますね。
戦前の古い所では、美ち奴・杉狂児が歌った「うちの女房にゃ髭がある」が好きですね。何度聴いても笑えます。
そのwikiの中で、ハナ肇とクレージーキャッツが歌った曲として、たった7曲しか挙げられてなかったのがちょっと不満です。
私はクレージー(と略します)の大ファンで、全集のCDも持っていますし、映画のDVDも沢山集めているくらいです。
その私から見ると、クレージーの大ヒット曲はそれら以外にもっと沢山ありますし、どれもコミック・ソング史上に残る名曲ばかりです。掲載の7曲以外の代表曲を列記してみます。
「五万節」「これが男の生きる道」「学生節」「めんどうみたョ」「ゴマスリ行進曲」「悲しきわがこころ」「シビレ節」「遺憾に存じます」「これで日本も安心だ!」等々。「アッと驚く為五郎」なんかより、これらの方がずっと名曲です。
その他、メンバーの谷啓さんが歌った「愛してタムレ」「あんた誰?」「ヘンチョコリンなヘンテコリンな娘」も大好きです。「愛してタムレ」のエンディングには例の「ガチョ~ン」も飛び出します。もう大笑いさせられました。
しかし、クレージーの凄い所は、単なる“笑える歌”というだけでなく、その中に痛烈な社会風刺、諧謔精神、時代に対する反骨、人生の哀歓、までもが含まれている点で、この点では他のコミック・ソングとは明らかに一線を画しています。
例えば「これが男の生きる道」では、笑える部分もありますが、サラリーマンの哀愁も込められていてちょっと泣けます。
「ハイそれまでヨ」はバラードから途中でツイストに変調するメロディも傑作ですが、歌詞の中に、世の中に横行する“見てくれだけは良くて中身は詐欺に近い手口”への風刺がありますし、「ゴマスリ行進曲」の歌詞には“偉い奴ャおだてろゴマスッて乗せろ”と、上司にゴマする風潮への痛烈な批判が、「遺憾に存じます」には政治家が常套句のように使う言葉への当てつけがそれぞれ込められてます。「これで日本も安心だ!」は歌詞に“仕事を頼めば/ムリデス…ダメデス…デキマセン(略)いつかお前らも親父になるだろう/そんな子が出来たってオラ知らネー”と、自己中心な若者世代への忠告が歌われています。題名自体が痛烈な反語になっていますね。
これらのほとんどは、青島幸男さんが作詞しています。今聴いても、古さはまったく感じません。どころか、無責任、ゴマスリ、忖度はもっと酷くなっています。時代をこれだけ冷徹に見据え、それを笑いに転化して風刺する青島さんはまさに天才ですね。クレージーの曲は、クレージーのユニークな個性と、青島幸男さんの才能が絶妙の化学変化を起こした、奇跡のような名作だと思います。もうこうしたコミック・ソングは、二度と誕生しないでしょうね。
Wikipediaは貴重な情報が結構載っており、此方でも屡流用させて貰っているのですが、中には明らかな間違いが記されている事も在るし、洩れ落ちている情報も在りますね。今回の場合で言えば、仰る様に「ハナ肇とクレージーキャッツ」絡みで抜け落ちている曲が結構在る。(個人的には、大好きな「金太の大冒険」が抜け落ちていたのはショックでした。)
ハナ肇とクレージーキャッツ、自分は世代的にリアル・タイムで見てはいない(見たとしても、最晩年の頃。)のですが、其の凄さは過去の映像等から痛感させられています。“瞬間芸”や“内輪ネタ”で笑いを取る(笑われているだけ?)の昨今の御笑い界とは異なり、痛烈な風刺を感じさせる笑いが、嘗ては存在していた。「ハナ肇とクレージーキャッツ+青島幸男氏」という強烈な個性と才能が合わさった事で、爆発的な笑いを生み出したのは間違い無いですね。「彼等が、同時代に存在していた。」事は、或る意味奇跡と言えましょう。
実は今回の記事を書く上で、一番の収穫は「青島幸男氏が歌う『意地悪ばあさんの歌』が、音声として聞けた。」という事。色々捜したけれど、スラップスティックが歌うヴァージョン(自分よりも下の世代だと、「イジ、イジ、イジ、イジ、イジ、イジ、意地悪ばあさん♪」が印象的な此の曲しから知らなさそう。)は見付かったものの、青島ヴァージョンは見付からなかった。なので、最初に記事をアップした際には“初音ミク”が歌うヴァージョンを紹介したのですが、アップして以降、偶々青島ヴァージョンを見付け、差し替えたという経緯が在ります。自分の記憶に残っているのとは歌詞や曲調が少し違っていたり、「青島氏って、こんなに野太い声だったっけ?」という発見が在ったりと、凄くエキサイティングでした。
実は明日(6月1日)、Kei様の“好物”そうな記事をアップする予定です。宜しければ見て遣って下さい。