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光在る所に影が在る。
まこと栄光の影に数知れぬ忍者の姿が在った。
命を賭けて歴史を作った影の男達。
だが人よ、名を問う勿れ。
闇に生まれ闇に消える、それが忍者の運命なのだ。
サスケ、御前を斬る!
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アニメ「サスケ」(動画)の冒頭に流れる有名なナレーション。「闇に生まれて闇に消える。」という忍者と、「その存在が表沙汰になった時点で、存在価値を無くしてしまう。」スパイとは同根と言って良いだろう。昨年度の「このミステリーがすごい!」で2位にランクされた「ジョーカー・ゲーム」(著者:柳広司氏)は、昭和10年代に陸軍内に開設された「情報勤務要員養成所」、即ち「スパイ養成学校」を舞台に、若きスパイ達の姿を描いた作品。
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結城中佐の発案で、陸軍内に設立されたスパイ養成学校“D機関”。超難関試験を突破した一期生は、外国語や学問は勿論の事、爆薬や無電の扱い方、変装術、女の口説き方等、多様な訓練を受け、長髪、背広姿で互いを偽名で呼び合った。「スパイとは“見えない存在”で在る事。」、「殺人及び自死は最悪の選択肢。」、これが結城が訓練生に叩き込んだ戒律だった。軍隊組織の信条を真っ向から否定する“D機関”の存在は、当然、猛反発を招いた。だが頭脳明晰、実行力でも群を抜く「魔王」こと結城中佐は、魔術師の如き手捌きで諜報戦の成果を上げ、陸軍内の敵をも出し抜いて行く。東京、横浜、上海、ロンドンで繰り広げられる最高にスタイリッシュなスパイ・ミステリー。
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昭和10~20年代という時代の匂いが、行間から漂っている。「そもそも外国に駐在する領事、あるいは大使などという存在は、お互いの国が認め合った謂わば“公認スパイ”なのだ。」という記述が載っているが、そういった百戦錬磨のスパイ達との熾烈な“闘い”が、5つの短編内に盛り込まれている。スパイ達のキャラクター設定になかなか味わいが在り、特に“ボス”の結城中佐の謎めいた雰囲気が良い。ストーリー的にも意外などんでん返しが堪能出来、「成る程、ベスト2に選ばれるだけは在るな。」と感じた。
総合評価は星4つ。
光在る所に影が在る。
まこと栄光の影に数知れぬ忍者の姿が在った。
命を賭けて歴史を作った影の男達。
だが人よ、名を問う勿れ。
闇に生まれ闇に消える、それが忍者の運命なのだ。
サスケ、御前を斬る!
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アニメ「サスケ」(動画)の冒頭に流れる有名なナレーション。「闇に生まれて闇に消える。」という忍者と、「その存在が表沙汰になった時点で、存在価値を無くしてしまう。」スパイとは同根と言って良いだろう。昨年度の「このミステリーがすごい!」で2位にランクされた「ジョーカー・ゲーム」(著者:柳広司氏)は、昭和10年代に陸軍内に開設された「情報勤務要員養成所」、即ち「スパイ養成学校」を舞台に、若きスパイ達の姿を描いた作品。
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結城中佐の発案で、陸軍内に設立されたスパイ養成学校“D機関”。超難関試験を突破した一期生は、外国語や学問は勿論の事、爆薬や無電の扱い方、変装術、女の口説き方等、多様な訓練を受け、長髪、背広姿で互いを偽名で呼び合った。「スパイとは“見えない存在”で在る事。」、「殺人及び自死は最悪の選択肢。」、これが結城が訓練生に叩き込んだ戒律だった。軍隊組織の信条を真っ向から否定する“D機関”の存在は、当然、猛反発を招いた。だが頭脳明晰、実行力でも群を抜く「魔王」こと結城中佐は、魔術師の如き手捌きで諜報戦の成果を上げ、陸軍内の敵をも出し抜いて行く。東京、横浜、上海、ロンドンで繰り広げられる最高にスタイリッシュなスパイ・ミステリー。
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昭和10~20年代という時代の匂いが、行間から漂っている。「そもそも外国に駐在する領事、あるいは大使などという存在は、お互いの国が認め合った謂わば“公認スパイ”なのだ。」という記述が載っているが、そういった百戦錬磨のスパイ達との熾烈な“闘い”が、5つの短編内に盛り込まれている。スパイ達のキャラクター設定になかなか味わいが在り、特に“ボス”の結城中佐の謎めいた雰囲気が良い。ストーリー的にも意外などんでん返しが堪能出来、「成る程、ベスト2に選ばれるだけは在るな。」と感じた。
総合評価は星4つ。
サスケ、テレビでもやってたとお聞きします。
う~ん。
記憶がないんです。^±^;
再放送もやらなかったのかもしれませんね。
「サスケ」ですが、自分は再放送で見たと記憶しております。当時は特に問題ならなかった表現でも、時代の移り変わりでそれが「差別」と判断されてしまう事は間々在り、「サスケ」の場合はその為に近年は再放送されないのではないかという気がしております。
しかし娘のクセに親父の「美少年趣味」「美少年使ってのスパイ戦」を書いてるむちゃくちゃさ(フツー隠して美化するのに・笑)破綻振りが醍醐味の本だったかも。一族に文句言われなかったのかな…^^;。
多分、母が読了を諦めたのも「ついていけん」かったからだったのでしょう^^;。
http://www015.upp.so-net.ne.jp/gofukakusa/sakaimiiko-higekinoshogun.htm
「何方が書かれた本なのだろうか?」と思ってリンク先を拝見したら、あの酒井美意子さんが著者でしたか。この方はマナー評論家として、マスメディアに良く登場されていますね。開けっ広げに包み隠さず、全てを書くのもマナーなのでしょう。
陸軍プロパーの人間がスパイとなり、“一般社会”から選出された“同僚達”の議論に当惑する場面ですね。客観的に物事を捉える重要性を記している訳ですが、あの当時の日本にそういう見方が出来る環境が在ったならば、万が一戦争に突入したとしても、あれ程の犠牲者を出さないで済んだ様に感じます。
どれだけ奇麗事を並べ立てようとも、戦争に於いて兵隊は単なる駒に過ぎない。勿論、兵隊達個々にそれぞれの思いが在る訳ですが、全体から見れば哀しいかな駒。何でもかんでも「相手を完膚無き迄に叩き潰せば良い!」的な発言をしている人がネット上には間々見受けられるけれども、実際に戦争になったなら自身や家族達もが生命の危機に晒される「現実」というのを何処迄踏まえて主張しているのか疑問。戦争は「ヴァーチャル空間での話」では無いのですから。