5月19日付けのAERAから、目に留まった記事を2つ紹介したい。
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① 知ったかぶり
「SMAPxSMAP」等多くの人気番組の放送作家を務め、大島美幸(森三中)さんの夫としても有名な鈴木おさむ氏。彼がAERAに「ザ・視聴率 画面の奥のプロに学べ」という連載コラムを持っており、今号は「知ったかぶりキャラ」というテーマだった。
彼曰く「30歳から40歳の間には、“流行の川”という大きな川が流れている様に感じる。」との事。20代の頃は若い人のヒット曲や流行は当然の如く知っているものの、30歳を越えた辺りからヒット・チャートに自分の知らない歌手が登場し始める。其処からが分かれ道で、「自分は若い人達の事も知っているキャラ。」か「そういう事は知らないキャラ。」のどちらかを選ぶ事になり、一番楽なのは後者の「知らないキャラ」を選択する事だけれども、それを選択すると「『おっさん』というジャンルに分類されるのでは?という恐怖感に襲われる。」と。流行り物が幅を利かす世界で生きている鈴木氏は「知っているキャラ」を選択して生きてしまったので、最近のヒット・チャート等で知らない事が在るとドキッとしてしまうそうだ。
数ヶ月前の或る会議で若いディレクターが「青山テルマって良いよね~。」と口にした所、数人が「良いよね~。」と同調。しかし鈴木氏は彼女の名前を全く知らず、「青山テルマ?名前からして『エンタの神様』とかに出始めた若手芸人か?男か女か?」と当惑。「知ったかぶりキャラ」を選択してしまった哀しさで、その場は余計な言葉を挟まずに「判る、判る~。」と適当なリアクションをし、トイレに行く隙に携帯の検索サイトで調べて、最低限の知識を頭に入れたそうだ。
そんな彼が先日、とんでもないミスをしてしまったという。舞台稽古している時に芸人達が会話をしていて、其処に鈴木氏も加わった。話は大喜利の答えに付いてだったが、其処で出たのが「ボディフィット」なる言葉。この生理用品の名前自体に聞き覚えは在ったものの、具体的に何の商品なのかは忘れていた彼。皆が「判る、判る~。」的に笑っていたので、「ボディフィットって何?」とは聞ける雰囲気でも無く、自分なりに色々想像を働かせた。「フィットという言葉が入っているって事は、もしかしたら今、大ヒット中のWii Fitのゲームソフトかも?いや、そうに違いない。」。そう確信に到った彼が「ボディフィット、俺もやったけど、超面白いよね。」と口にした所、当然乍ら皆は「え?こいつ生理用品付けたの?」と驚きの顔を浮かべた。その顔を見て鈴木氏は、正直に「ボディフィットって何だっけ?」と白状したという。
「知ったかぶると、『知らないキャラ』で居る時以上に大きな怪我をする。」と彼は書いているが、確かにそういった面は在るだろう。斯く言う自分は根が流行り物好きなので、割合積極的に流行情報には触れる様にしている。勿論、流行情報に積極的に触れたからといって、それを全て取り入れる訳では無い。実際に取り入れるのは、自らの感性に合致したほんの僅か。でも、そんな流行り物好きな自分でも、流行の歌手や曲に関してはかなり疎くなっている。「青山テルマ」なる人物が女性歌手なのは知っているが、具体的にどんな曲を歌っているのかは全く知らない。流行情報には積極的に触れるも、それでも判らない事柄に対しては「おっさんだから、其処迄は知らないよ。」というスタンスの自分だ。
② 児孫の為に美田を買わず
「遺産112億円を寄付」という記事が載っていた。自然派化粧品のメーカーとして有名な「ザ・ボディショップ」。その創業者で在るアニータ・ロディック女史が、イギリスの自宅で脳内出血にて64歳で亡くなったのは昨年9月の事。「企業の在り方を通じて、社会を変革する。」というコンセプトを掲げた彼女は、自らの持病でも在るC型肝炎(彼女の場合は、次女出産時の輸血で感染。)の啓蒙キャンペーンや、患者支援活動に東奔西走する等、社会的活動にもかなり注力していた様だ。
彼女は嘗てより「子供に御金を残す事は、まるで猥褻行為の様。」と嫌悪感を表明。「私にとって、金額は大した意味を持ちません。蓄財が生き甲斐なんて最悪です。子供も親の金を当てにしないで欲しい。自分の生活は自分の稼ぎで賄って。」という思いが在ったからだ。2人の娘には以前から「会社の収益はザ・ボディショップ財団に全て寄付する。」と伝えており、実際に5,100万ポンド(約112億円)が環境保護、人権擁護、ホームレス支援等を行う慈善団体に寄付され、税金を支払うと娘達には文字通り鐚一文も残らなかったそうだ。
長女はアメリカ在住、次女はロンドンで女性の為の人気セックス・ショップを営んでいるが、その次女はインタビューに対して「遺産を子供達に残さないとの母の決断は、私達姉妹にとって一種の解放です。母は既に愛と支援をたっぷりと与えてくれました。」と歓迎の言葉を述べている。
「子供に財産を継承させるのは当然の事。」とされて来たイギリスでも、「子供を経済的に甘えさせない。」というロディックさんの“最後のメッセージ”を「潔い姿勢。」として共感する人々が少なくなく、「働かないのに御金を得ると、子供は意欲を失ってしまう。」、「頼るべきは親の金では無く、自分自身で在ると知って欲しい。」と、彼女の様に遺産を残す事を意識的に避ける親が目立ち始めて来たそうだ。
“鮫の脳味噌”と称された元首相の息子や“道路族のドン”と呼ばれる政治家の息子、何度も薬物で逮捕された女優の息子等、散々甘やかされた挙句に後ろ指を指される様な人間になってしまった例は枚挙に遑が無い。ロディックさんやビル・ゲイツ氏、バロン・ヒルトン氏の様に「子孫を経済的に甘えさせない。」という思いから、財産(遺産)を寄付するという姿勢は評価出来る。又、ロディックさんの次女のコメントからは、「この親にして、この子在り。」といった強さが感じられ敬服。親子双方に、確固たる信頼関係が構築されていたのだろう。
自分も子供が居て、尚且つ残す財産が在った“としても”、経済的な甘えを断つ意味から財産を残したくは無いという思いが在る。だがその一方で「自分の様な好い加減な人間の子供だから、財産を残してやらないと後々が心配。」という思いが心の何処かに在ったりもする。結局は親の側が子供のみならず、自分自身にも自信を持てるかどうかに、「財産を残すか否か。」は掛かって来ている様にも感じる。
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① 知ったかぶり
「SMAPxSMAP」等多くの人気番組の放送作家を務め、大島美幸(森三中)さんの夫としても有名な鈴木おさむ氏。彼がAERAに「ザ・視聴率 画面の奥のプロに学べ」という連載コラムを持っており、今号は「知ったかぶりキャラ」というテーマだった。
彼曰く「30歳から40歳の間には、“流行の川”という大きな川が流れている様に感じる。」との事。20代の頃は若い人のヒット曲や流行は当然の如く知っているものの、30歳を越えた辺りからヒット・チャートに自分の知らない歌手が登場し始める。其処からが分かれ道で、「自分は若い人達の事も知っているキャラ。」か「そういう事は知らないキャラ。」のどちらかを選ぶ事になり、一番楽なのは後者の「知らないキャラ」を選択する事だけれども、それを選択すると「『おっさん』というジャンルに分類されるのでは?という恐怖感に襲われる。」と。流行り物が幅を利かす世界で生きている鈴木氏は「知っているキャラ」を選択して生きてしまったので、最近のヒット・チャート等で知らない事が在るとドキッとしてしまうそうだ。
数ヶ月前の或る会議で若いディレクターが「青山テルマって良いよね~。」と口にした所、数人が「良いよね~。」と同調。しかし鈴木氏は彼女の名前を全く知らず、「青山テルマ?名前からして『エンタの神様』とかに出始めた若手芸人か?男か女か?」と当惑。「知ったかぶりキャラ」を選択してしまった哀しさで、その場は余計な言葉を挟まずに「判る、判る~。」と適当なリアクションをし、トイレに行く隙に携帯の検索サイトで調べて、最低限の知識を頭に入れたそうだ。
そんな彼が先日、とんでもないミスをしてしまったという。舞台稽古している時に芸人達が会話をしていて、其処に鈴木氏も加わった。話は大喜利の答えに付いてだったが、其処で出たのが「ボディフィット」なる言葉。この生理用品の名前自体に聞き覚えは在ったものの、具体的に何の商品なのかは忘れていた彼。皆が「判る、判る~。」的に笑っていたので、「ボディフィットって何?」とは聞ける雰囲気でも無く、自分なりに色々想像を働かせた。「フィットという言葉が入っているって事は、もしかしたら今、大ヒット中のWii Fitのゲームソフトかも?いや、そうに違いない。」。そう確信に到った彼が「ボディフィット、俺もやったけど、超面白いよね。」と口にした所、当然乍ら皆は「え?こいつ生理用品付けたの?」と驚きの顔を浮かべた。その顔を見て鈴木氏は、正直に「ボディフィットって何だっけ?」と白状したという。
「知ったかぶると、『知らないキャラ』で居る時以上に大きな怪我をする。」と彼は書いているが、確かにそういった面は在るだろう。斯く言う自分は根が流行り物好きなので、割合積極的に流行情報には触れる様にしている。勿論、流行情報に積極的に触れたからといって、それを全て取り入れる訳では無い。実際に取り入れるのは、自らの感性に合致したほんの僅か。でも、そんな流行り物好きな自分でも、流行の歌手や曲に関してはかなり疎くなっている。「青山テルマ」なる人物が女性歌手なのは知っているが、具体的にどんな曲を歌っているのかは全く知らない。流行情報には積極的に触れるも、それでも判らない事柄に対しては「おっさんだから、其処迄は知らないよ。」というスタンスの自分だ。
② 児孫の為に美田を買わず
「遺産112億円を寄付」という記事が載っていた。自然派化粧品のメーカーとして有名な「ザ・ボディショップ」。その創業者で在るアニータ・ロディック女史が、イギリスの自宅で脳内出血にて64歳で亡くなったのは昨年9月の事。「企業の在り方を通じて、社会を変革する。」というコンセプトを掲げた彼女は、自らの持病でも在るC型肝炎(彼女の場合は、次女出産時の輸血で感染。)の啓蒙キャンペーンや、患者支援活動に東奔西走する等、社会的活動にもかなり注力していた様だ。
彼女は嘗てより「子供に御金を残す事は、まるで猥褻行為の様。」と嫌悪感を表明。「私にとって、金額は大した意味を持ちません。蓄財が生き甲斐なんて最悪です。子供も親の金を当てにしないで欲しい。自分の生活は自分の稼ぎで賄って。」という思いが在ったからだ。2人の娘には以前から「会社の収益はザ・ボディショップ財団に全て寄付する。」と伝えており、実際に5,100万ポンド(約112億円)が環境保護、人権擁護、ホームレス支援等を行う慈善団体に寄付され、税金を支払うと娘達には文字通り鐚一文も残らなかったそうだ。
長女はアメリカ在住、次女はロンドンで女性の為の人気セックス・ショップを営んでいるが、その次女はインタビューに対して「遺産を子供達に残さないとの母の決断は、私達姉妹にとって一種の解放です。母は既に愛と支援をたっぷりと与えてくれました。」と歓迎の言葉を述べている。
「子供に財産を継承させるのは当然の事。」とされて来たイギリスでも、「子供を経済的に甘えさせない。」というロディックさんの“最後のメッセージ”を「潔い姿勢。」として共感する人々が少なくなく、「働かないのに御金を得ると、子供は意欲を失ってしまう。」、「頼るべきは親の金では無く、自分自身で在ると知って欲しい。」と、彼女の様に遺産を残す事を意識的に避ける親が目立ち始めて来たそうだ。
“鮫の脳味噌”と称された元首相の息子や“道路族のドン”と呼ばれる政治家の息子、何度も薬物で逮捕された女優の息子等、散々甘やかされた挙句に後ろ指を指される様な人間になってしまった例は枚挙に遑が無い。ロディックさんやビル・ゲイツ氏、バロン・ヒルトン氏の様に「子孫を経済的に甘えさせない。」という思いから、財産(遺産)を寄付するという姿勢は評価出来る。又、ロディックさんの次女のコメントからは、「この親にして、この子在り。」といった強さが感じられ敬服。親子双方に、確固たる信頼関係が構築されていたのだろう。
自分も子供が居て、尚且つ残す財産が在った“としても”、経済的な甘えを断つ意味から財産を残したくは無いという思いが在る。だがその一方で「自分の様な好い加減な人間の子供だから、財産を残してやらないと後々が心配。」という思いが心の何処かに在ったりもする。結局は親の側が子供のみならず、自分自身にも自信を持てるかどうかに、「財産を残すか否か。」は掛かって来ている様にも感じる。
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オッサンになった今、
若ぶってもしょうがないというか
「オマエら、偉そうにしていても
こんなん知らんやろ(特に野球)」と
思っているのは、
常日頃の発言でバレていると思ってます。
>お墓がないと、はかないねえ
関西のある年代から上は
「はかない人生 河波忠兵衛」
という墓石のCMを知ってます・・・
「一人の妻と一人の子ども、他にはなにも残さなかった、墓石一つ残さなかった」と続きます。
しかし・・お墓が無いと・・はかないねぇ・・。
などとバカ言ってるバヤイじゃありません。
流行はなんというかめぐり巡ってくるようですので、あまり追っかけられないおりがみ。知って見てなおかつ内容が「つ・・ついてけない」ケースも多いです。
遠距離恋愛の歌といえばテルマより心の旅か木綿のハンカチーフだろ?みたいな・・。解る?
どれだけ足掻いても見掛けがおっさん以外の何者でも在りませんので「おっさん」と開き直っていますが、出来得るものならばおっさんにはなりたくなかったというのが自分の本音です。