今季のプロ野球に関する話で、2つ懺悔しなければいけない事が在る。1つは「今季の順位予想」で、スワローズをセ・リーグの5位に予想した事。頂戴した書き込みの中に「罵詈雑言許りの内容」という理由から削除させて貰った物が在ったのだけれど、其の方曰く「スワローズが5位なんて馬鹿じゃねーの。スワローズは優勝だよ、アホ!」との事だったが、スワローズの優勝が非常に濃厚な今となっては、5位に予想した己が分析力の無さを恥じる許りだ。
そしてもう1つは、ジャイアンツの外国人選手達に付いて。当ブログで触れたかどうかは定かで無いけれど、他のブログでは「ジャイアンツの外国人選手達、特に野手(アレックス・ラミレス選手は除く。)の駄目さ加減と、そして全く打てる気配が無いのに、延々と起用し続ける原辰徳監督の理解不能さ。」を何度か愚痴っていた。「どうせ打てないのなら、将来を夢見させてくれる若手選手を起用して欲しい。」とも。しかしラスティ・ライアル選手の駄目さ加減に対して、ジョシュ・フィールズ選手に関しては徐々に日本の野球に適応して来た感が在る。原監督が「下手な鉄砲も数撃てば当たる」では無く、「此の選手は化ける筈。」と確信して起用し続けていた“ならば”、其の判断には敬服しなければいけないのだけれど・・・。
采配を揮った過去7年間にリーグ優勝は3回、残りの4年間も全てチームをAクラス入りさせ(4年前には、チームを53年振りの日本一に導いた。)、今季はスワローズと“実質的に優勝争いが出来ている唯一のチーム”の将・落合博満監督が、今季限りで解任される事となった。過去の実績及び今季の状況を考えれば、「解任」というのは実に不思議な話。彼が解任されなければいけないので在れば、他にもっと解任されて然る可き監督は他に居ると思うのだが(原監督に関しては以前も書いた様に、“原則的に”続投に賛成だ。)、「ファンを無視するかの様な言動から、ドラゴンズ・ファンを減らした。」という理由が大きいのかもしれない。監督としての能力は高く買っていたけれど、其の言動にはしばしばカチンとさせられる事も少なくなかったので、其れが主な解任理由という事で在れば、「止むを得ないかなあ。」という気も。
で、昨日は“実質的に”優勝争いから脱落したタイガースとジャイアンツが対戦したのだけれど、グダグダな試合内容だった。結果としては「4対4」の引き分けに終わったが、9回裏1死迄「3対4」と勝っていたのに、追い付かれて引き分けにしてしまったジャイアンツは「負け試合に等しい引き分け」。でも「じゃあタイガースは?」となると、ミスのオンパレードだったジャイアンツを相手に、何度も得点の機会を逸してしまった事から、「勝てた試合を引き分けてしまった。」という感が在り、矢張り「負け試合に等しい引き分け」だったと思う。
他所様のチームの事を彼此言うのも僭越極まり無いので、ファンで在るジャイアンツに関してのみ述べるならば、「優勝争いから脱落したチームに相応しい、緊張感に欠けた、凡ミスの目立つ戦い。」だった。「記録されない物を含めたら、一体幾つのエラーやミスが出たのだろうか?」と考えてしまう程、様々なエラーやミスが続出。「アウト・カウントを間違えての走塁死。」や「振り逃げなのに、ボケッと突っ立っていてアウト。」等は、気の緩み以外の何物でも無い。
又、エラーやミスという訳では無いけれど、先日の高木康成投手といい、昨日のジョナサン・アルバラデホ投手といい、「明らかに絶不調な投手を延々と引っ張った挙句、 “大炎上”してから慌てて次の投手を注ぎ込み、更に駄目押しを食らう。」という原監督の“見切りの悪さ”は何とかして貰いたい。昨年は大分改善されたのに、今季は“悪い病気”が再発した様だ。
数年前から何度も指摘している事だが、「度を越したプライドの高さ」というのは原監督の数少ない欠点の1つと思っている。其の辺を重々理解している(と思われる)落合監督なんぞは、原監督を相手にすると好んで“奇襲作戦”を仕掛け、「裏をかかれた!」とカッカとする原監督が采配面で迷走をした挙句に惨敗。試合後に落合監督から小馬鹿にした様な発言をされ、プライドを甚く傷付けられた原監督は、次のドラゴンズ戦で意趣返しの奇襲作戦を仕掛けるが、そんな事は織り込み済みの落合監督に手も無く捻られてしまうという繰り返しが、過去に何度在った事か。
「度を越したプライドの高さ」というのも昨年は大分改善された感が在ったのだけれど、今季は「投手交代」で其れが再発している様に感じる。「あんなに絶不調な投手を、何故延々と引っ張り続けたのか?」という批判がスポーツ紙等で何度かされたのを受けて、「そんなに言うなら是が非でも、此のスタイルで結果を残してやる!」という意固地さが出てはいまいか?
欠点と思われる要素が大分改善されていたし、今季は采配面で致命的なミスをそんなにはしていないだけに、「度を越したプライドの高さ」というのを再度引っ込めて欲しいのだが・・・。
数年後、振り返ってみると2011年という年は、日本プロ野球界にとって「転換期」だったと言われるかもしれませんね。“飛ばないボール”の導入が、「勝てる野球」というのを大きく変えた気がしますので。従来の「打って打って打ち捲くり、其の結果勝利する。」という野球では無く、「守りに守って、小技を使った上で勝利する。」という野球が出来るチームが優勝争い出来るのが顕著となった。其れが出来ないチームは、借金生活と貯金生活の間を行ったり来たりという感じ。
其れに加えて、大震災の影響で(多分)今季限定で導入された「3時間30分ルール」により、9~10回で終了する試合が増え、そうなると先発投手がより多く投げられるチームが有利な傾向が。
上記の2つの特性が、今季に関してはスワローズに大きく利を齎したという感が在り、其れが「余りに多い引き分けの数」に繋がっているとも言えましょうね。勝率最優先の状況では、引き分けは勝ちに等しいし。