************************************** 「根底崩れた?相対論・・・光より速いニュートリノ」(9月23日、読売新聞) 名古屋大等の国際研究グループは23日、物質を構成する素粒子の一種で在るニュートリノが、光の速度より速く飛んでいるとする観測結果を発表した。 現代物理学の基礎で在るアインシュタインの特殊相対性理論では、宇宙で最も速いのは光だとしている。今回の結果は同理論と矛盾しており、観測結果が事実なら物理学を根底から揺るがす可能性が在る。
光は此の距離を0.0024秒で飛ぶが、今回の観測によって、ニュートリノは光より1億分の6秒早く到達している事が判った。此れは、光の速度より0.0025%だけ速く飛んだ事を示している。
ニュートリノの飛行速度を巡っては、2007年に米国の研究チームが論文を発表している。しかし、此の時は誤差と区別が付かなかった為、「光速と差が無い。」と結論付けられた。今回は原子時計を備えた全地球測位システム(GPS)と光学測量を組み合わせ、3年間掛けて約1万5,000個分の飛行速度を精緻に測定した。其の結果、誤差を考慮しても、光速を超えている事が判明した。
此の観測結果は現代物理学では説明出来ない。(後略) **************************************
典型的な文系人間で、学生時代は物理の時間が苦痛でならなかった自分だけれど、今回のニュースがどれ程大事なのかは流石に理解出来る。物理が苦手で、簡潔に説明出来る自信が無いので、昨日付けの東京新聞(朝刊)の説明を流用させて貰うが、アインシュタイン博士が発表し、現代物理学の基礎で在る「特殊相対性理論」では、「物体の速度は、光速を超えられない。」、「運動する物体では、時間がゆっくりと進む。」等が結論付けられている。
「光速を超えるスピードで移動出来れば、時間を遡る事が出来る。→しかし、光速を超えるスピードの物は存在し得ない。→故にタイム・マシン(乃至はタイム・トラベル)は実現不可能。」というのが、従来の一般常識だったと思う。もし今回の結果が「正しい。」と実証されれば、タイム・マシン等が強ち「夢物語」とは言えなくなるかもしれない。
唯、下記の意見が在る事も、念頭に置いておかなければいけないだろう。
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【スーパーカミオカンデ実験を率いる 鈴木洋一郎東大教授の話】
物理の理論全体に与える影響を考える前に、別の機関による検証実験で、結果の正しさを確かめる事が大事だ。1987年に小柴昌俊先生が超新星爆発で放出されたニュートリノを捉えた際は、爆発による光もほぼ同時に観測した。両者の速度に今回の結果の様な違いが在るとすると、ニュートリノは光よりも1年は早く地球に到達していなければおかしいという事になる。
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検証結果が待たれる所だが、ふっと頭を過った事が。仮に今回の結果が正しいとして、ニュートリノを用いて光速よりも速く移動が可能になったとする。理論的には「質量の在る物体の速度が光速に近付くと、其の物体の時間の進み方は遅くなり、光速に達すると時間は止まる。」訳だから、光速よりも速いニュートリノを用いれば時間を遡れるのかもしれないが、「ニュートリノの飛ぶ速度は、光速より0.0025%速い。」というのを、「0.0025%“も”速く。」と考えるべきなのか?其れとも「“僅か”0.0025%“しか”速くない。」と考えるべきなのか?個人的には「光速より僅か0.0025%しか速くないので在れば、時間を遡るスピードは遅々たるものではないか?」と思ってしまうのだが・・・。
何しろ理系のセンスが全く無い人間なので、頓珍漢な事を書いている気もするけれど。
欧米の宗教観を見る思いでした。
そんな事件が在ったとは・・・全く知りませんでした。日本と他国との差異を挙げる時、「宗教観」というのは外せない要素でしょうね。「進化論を一切認めないのは、キリスト教の教えに反するから。」なんていうのは、例えキリスト教信者で在ったとしても、日本では中々見られない事だと思いますし。