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「中江滋樹さん、アパート火災で死亡か 『兜町の風雲児』元投資ジャーナル会長」(2月20日、毎日新聞)
20日午前8時15分頃、東京都葛飾区南水元1の2階建てアパートの2階一室から出火し、焼け跡から遺体が見付かった。此の部屋は無職、中江滋樹さん(66歳)が1人で借りていた。遺体は損傷が激しく性別は不明だが、関係者によると、投資顧問会社「投資ジャーナル」の元会長で、1980年代に「兜町の風雲児」と呼ばれた中江滋樹さんの可能性が在り、警視庁亀有署が身元の特定を急いでいる。
同署によると、部屋から煙が出ているのを近隣住民が見付け119番した。約25平方メートルの同部屋が焼け、其の場で死亡が確認された。アパート大家の女性によると、中江さんは7~8年前に入居し、1人で暮らしていた。体調が優れない時期が続いていたと言う。
「兜町の風雲児」と呼ばれた中江さんは、1978年に投資ジャーナルを設立し、仕手集団を率いて注目された。然し、株投資に絡んで7,000人以上の一般投資家から600億円近くを騙し取ったとされる「投資ジャーナル事件」に発展し、1985年に警視庁に詐欺容疑で逮捕された。1989年、詐欺罪で懲役6年の判決が確定した。
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「投資ジャーナル事件」、騙し取られた金額の大きさから、バブル時代に発生したイメージを持っていた。だが、今回の記事を書く上で調べた所、バブル時代以前の事件だった事を知り、意外な思いが。
兎にも角にも“詐欺事件”と言えば、「投資ジャーナル事件」は外せない事件だし、中江滋樹氏の名前は深く脳裏に刻み込まれている。
事件発生時、人気女性アイドルとの関係が大きく取り上げられ、彼女は芸能界引退に追い込まれた。「そんな彼女が、起業家として成功した。」という報道に触れたのは、もう何年前になるだろうか。
一方、「600億円近くを騙し取った中江氏が、2階建てアパートに住んでいて、其処で焼け死んだ可能性が在る。」というのは、“世の浮き沈み”を強く感じてしまう。“兜町の風雲児”と呼ばれていた頃の彼は、こんな最期を迎えるなんて想像だにしていなかったろう。