************************************************
「下戸の日本人 2万年前と7,500年前 2段階で増加」(12月9日付け東京新聞[夕刊])
「日本人約1万人のゲノム(全遺伝情報)を解析した結果、酒に弱い『下戸』となる遺伝子変異が在る人の割合が、約2万年前と約7,500年前の2段階で増えた事が判った。」と、国立国際医療研究センター等のチームが、7日付の国際科学誌「プロスジェネティクス」に発表した。「はっきりした理由は不明。」と言う。
アルコールは主に遺伝子「ADH1B」の働きでアセトアルデヒドという物質に変換され、更に遺伝子「ALDH2」の働きで分解される。日本人では、此の2つの遺伝子の変異による下戸の人が多い。
チームは、国際医療センターを含む5つの国立高度専門医療研究センターで保管されている9,850人分のゲノムを解析。其の結果、ADH1Bの変異は約2万年前、ALDH2の変異は約7,500年前に増え始めたと推定された。
チームは、現代の日本人の祖先となる集団の人の数が、過去にどう変動したかも分析。集団がユーラシア大陸から日本列島へ移動した時期に減った他、江戸時代にも減っていた。江戸時代の減少は、寒冷な気候や飢饉等が要因の可能性が在る。現代の沖縄に住む人の祖先では、九州から移動した時期に減っていた。
************************************************
「日本人は西洋人と比べると、酒に弱い人が多い。此れは『酒を飲んだ際に発生する有害物質アセトアルデヒドを分解する酵素≪ALDH2≫の活性を無くしてしまった人が、日本人には遺伝で増えて行ったからだ。」という話は、以前見聞した事が在る。今回改めて調べてみたが、此方の情報によれば「日本人の場合、“活性型以外の”ALDH2を持つ人の割合が約43%~45%存在しており、彼等は生まれ付き酒に弱いか、全く飲めない体質。」との事。即ち日本人は、約半数が「生まれ付き酒に弱い体質+生まれ付き酒を全く飲めない体質」という訳だ。
我が家の場合、両親共に酒は強かった。自分も同様で、若い頃は蟒蛇の如く酒を飲んでいた。年齢を考えて、今ではなるべく飲まない様にしているけれど・・・。
そんな訳で、下戸とは対極に在る自分だが、「下戸の日本人は約2万年前と約7,500年前、2段階で増加した。」という今回の解析結果は、非常に興味深かった。此の2回の段階で、一体、何が起こったのだろうか?