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ツングースカ大爆発:1908年6月30日午前7時2分(現地時間)頃、ロシア帝国領中央シベリア、エニセイ川 支流のポドカメンナヤ・ツングースカ川上流(現在のロシア連邦クラスノヤルスク地方)の上空で、“隕石”によって起こった大爆発。破壊力はTNT火薬で5メガトン程と推測され、当時、爆発によって生じたキノコ雲は、数百km離れた場所からも目撃されたとの事。近くに村落が無かった事から、死者は報告されていない。大爆発が在ったのは第一次世界大戦やロシア革命の数年前、そして日露戦争を終えて間も無い時期という事から、ロシア国内の社会は非常に混乱しており、現地調査が行われたのは、大爆発から13年後の1921年だった。
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今でもそういう傾向は在るが、幼少期には所謂“トンデモ本”を好んで読んでいた。と言っても、内容を盲信していた訳では無く、「そんな馬鹿な・・・。」と突っ込みを入れ乍ら、読んでいた事が多かったけれど。
1970年代、大ブームを巻き起こした「ノストラダムスの大予言」もそうだが、著者の五島勉氏のトンデモ本は片っ端から読んでいて、其の中の1冊が「ツングース恐怖の黙示~遙か原爆以前に、突如、起きた核爆発の謎~」だった。冒頭に記した「ツングースカ大爆発」を扱った内容だ。
7月31日付け東京新聞(朝刊)に、「小惑星追突 対策は? ~綿密に観測し、『落下場所から逃げろ。』」という記事が載っていた。「先月の25日、直径約130mの小惑星『2019OK』が、時速8万6千kmという猛スピードで、地球近くを通り過ぎた。月との距離の5分の1程に当たる地球から約7万2千kmというニア・ミス状態で、仮に地上に落下し、都市部を直撃した場合は大惨事になっていた可能性が在ったのだけれど、何と此の小惑星が初観測されたのは、僅か1日前の24日の事だった。」と言う。
恥ずかしい話、自分は此の記事を読む迄、そんな事実が在った事を全く知らなかった。「2019OK」が初観測された事で、普段から協力態勢に在る世界各国のチームによる探査情報を基に其の軌道が割り出され、地球に衝突しない事が判明したのだとか。
「隕石と小惑星って、具体的にどう違うの?」と、少し調べてみた。此方の情報によると、「小惑星:惑星と呼ぶ程は大きくないサイズの宇宙空間に在る岩の事で、小惑星が地球の大気に突入し燃えている物が流星。」、「隕石:流星が実際に、地球の地表に到達した物。」という事だ。
で、話を元に戻す。「今回の2019OKは何故、地球にニア・ミスする僅か1日前迄、観測出来なかったのか?」という点に付いて、日本スペースガード協会の浅見敦夫副理事長は、「小惑星は、太陽の光を受けないと輝かない。小さいと光を受ける面積が狭く、暗くて見付け辛い。」と説明されている。
又、浅見副理事長によると、今回の2019OKが東京を直撃した場合、「直径が1.5kmから2km、深さが500mのクレーターが出来、23区より広い範囲に被害が及ぶ。衝突地では、壊滅的な被害が起こると思われる。」と。
地球上から恐竜が絶滅したのは、「約6千5百万年前、メキシコのユカタン半島に直径約10kmの小惑星(隕石?)が落下した事で、地上の砂や
塵が成層圏に迄舞い上がり、太陽の光が地球に届かなくなった。」事が原因とされている。又、1908年の「ツングースカ大爆発」以外にも、2013年に「ロシア・チェリャビンスク州の隕石落下」が発生している。直径は10数mと推定されたが、衝撃波で硝子が割れる等、約1,500人が怪我をした。
小惑星追突に、どう対処すれば良いのか?科学技術ジャーナリストの松浦晋也氏によると、アメリカの大学等が取り組むプロジェクト「スカイ・サーヴェイ」の広がりに一縷の望みを掛けていると言う。「天空を一定間隔で撮影し、画像を解析。以前は星が無かった地点に星が写っていれば、其の星の観測を続ける事で、小惑星の接近を特定出来る。此れを全天に広げ、撮影間隔を短くすれば、小惑星の接近をより早く把握出来る。」というのが、スカイ・サーヴェイの内容。
スカイ・サーヴェイには莫大な費用が掛かるが、「東日本大震災は千年に1度の大災害と言われたが、チェリャビンスク規模の隕石落下は百年に1度とされる。備えない訳にはいかない。」と、松浦氏はスカイ・サーヴェイの必要性を主張。
確実に地球と衝突すると判った小惑星が発見された場合、未然に防ぐ対策として、松浦氏は「衝突する小惑星にロケット・エンジンを固定し、緩やかに軌道を変える方法。」を挙げている。又、「小惑星にエンジンを固定する技術を、先ず開発する必要が在る。其れが完成したとしても、数年後に衝突すると判った小惑星に限られる。」とし、そういう対策が取れる前に衝突すると判った場合、出来る事は「落ちると判った場所から、逃げるしか無い。」とも。
このニュースには本当にびっくりしました。
一般に流れ星として知られるのは、宇宙空間に漂う直径数ミリまでのチリか砂粒で、大気圏に突入してすぐに燃え尽きてしまうわけですが、まれに数センチ以上のものが突入するのが火球として目撃され、地上まで落下すれば隕石となるわけですね。
アメリカのアリゾナにあるバリンジャー・クレーターは有名な隕石口のひとつですが、直径1200mの穴をあけたのは30~50mほどの隕石だったというのが定説です。
giants-55さんも触れておられる、恐竜絶滅の原因になったというユカタン半島付近に落下した隕石で、メキシコ湾が出来たともいわれているそうです。
今回ニアミスした130mの小惑星がもし落下していたら、地盤の固さにもよると思いますが、直径3~4kmぐらいのクレーターが出来ていても不思議ではありません。
怖いですね。
スカイサーベイの精度が上がることを期待したいですが、残念ながらそれを妨げる要因が近年増えつつあります。
そのひとつが増々ひどくなる都市部の夜間の明るさ=光害。
小さな面積が反射するかすかな光を捉えなければならないのに、それが光害によって妨げられているのです。
もう一つ危惧されるのが、民間業者が打ち上げを競っている通信衛星。
スマホなどの通信環境をより快適にするため、多数の衛星が打ち上げられ、空をくまなく網羅するのはよいとしても、その為接近中の小惑星と紛らわしくて特定に時間がかかる、また老巧化した衛星がそのまま宇宙を漂うごみとなって増える一方。
便利の裏には負の面もついて回るというのは、宇宙関連でも同じことなんですね。
星を見るのが好きな人間としては、夜更かしはやめて早寝早起きで夜は暗く、スマホ漬もほどほどにと願いたいものですく(笑)。
貴重な情報、非常に参考になりました。素人考えでも「スカイ・サーヴェイの実現は、難しそうだなあ。」と感じていましたが、“光害”や通信衛星の問題というのは、「成る程。」と。
人類の英知を信じたいけれど、でも、自然の強大さの前では、人類なんてとんでもなく微小な存在。そういう事を、改めて感じさせられるニュースでした。