ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

「令和その他のレイワにおける健全な反逆に関する架空六法」

2023年04月13日 | 書籍関連

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・第1話「動物裁判
礼和4年「動物福祉」及び「動物虐待の防止等に関する法律」。

・第2話「自家醸造の女」
麗和6年「酒税法及び酒類行政関係法令等解釈通達(通称:どぶろく通達)」。

・第3話「シレーナの大冒険」
冷和25年「南極条約の取扱いに関する議定書(通称:南極議定書)」。

・第4話「健康なまま死んでくれ」
隷和5年「労働者保護法」或いは「アンバーシップ・コード」。

・第5話「最後のYUKICHI」
零和10年「通貨の単位及び電子決済等に関する法律(通称:電子通貨法)」。

・第6話「接待麻雀士」
例和3年「健全麻雀賭博に関する法律(通称:健雀法)」。
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小説元彼の遺言状」で、第19回(2020年)「『このミステリーがすごい!』大賞」の大賞を受賞した新川帆立さん。現役弁護士で在り、元プロ雀士という経歴有する方だ。今回読んだのは、彼女にとって7冊目として上梓された令和その他のレイワにおける健全な反逆に関する架空六法」。非常に変わったタイトルだが、「6つのパラレル・レイワに於ける6つの架空法律」を題材にしている。詰まり架空の世界での架空の六法が軸になっているのだ。

「動物達に対し、法律によって“過度権利”が与えられた世界」、「自家醸造が法律で認められた世界」、「現金使用が法律で禁止された世界」等、とても風変わりな設定許り。法律を取り上げている点では同じだが、従来の新川作品とは可成り変わっている「表面的には現実社会と変わり無い様に見えるが、荒唐無稽理不尽な社会設定となっている。」というのが作家三崎亜記氏の作風だけれど、其れと似た感じが在る。(三崎作品、そういうテーストが面白くて初期の頃は読んでいたが、次第に飽きてしまい、今は読んでいない。)最も作風が似ているのは第3話「シレーナの大冒険」で、はっきり言って全く面白く無かった。

第5話読み終えた段階で、「新川作品とは思えない、とても詰らない内容だ。」と思った。此の時点で総合評価を付けるなら、「星2.5個」という感じか。でも、最後の第6話「接待麻雀士」は面白かった合法的賄賂を渡す方法として『賭け麻雀』が法律によって認められ、『接待麻雀士』による高額な賭け麻雀が日常的に行われている世界。」という設定、そして“不思議な状況が続いた理由”が明らかになって行く過程が、実に読ませる。麻雀のルールを知らない人でもサクサク読み進める内容。元プロ雀士だからこそ生まれた着眼点だろう。此の作品だけだったら、総合評価は「星3.5個」を付けられる。

総合評価は、星3つとしたい。


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