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ジェームズ・ボンド(ダニエル・クレイグ氏)は、少年時代の思い出が詰まった生家“スカイフォール”で、焼け残った写真を受け取る。彼はM(レイフ・ファインズ氏)が止めるのも無視して、其の写真の謎を解き明かす為、単身メキシコとローマを訪れる。死んだ犯罪者の妻で在るルチア・スキアラ(モニカ・ベルッチさん)と滞在先で巡り合ったボンドは、悪の組織“スペクター”の存在を確信する。
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映画「007 スペクター」は「007シリーズ」の第24弾、ダニエル・クレイグ氏がボンド役を演じた作品としては4作目なのだとか。初代のショーン・コネリー氏以降、ジョージ・レーゼンビー氏、ロジャー・ムーア氏、ティモシー・ダルトン氏、ピアース・ブロスナン氏、そしてダニエル・クレイグ氏と、此れ迄に6人の俳優がボンド役を務めて来た。「007シリーズ」で見た事が在るのは、ショーン・コネリー氏とロジャー・ムーア氏が出ていた作品の一部だけ。詰まりダニエル・クレイグ版は、今回初めて見た訳だ。
007シリーズと言えば、「ボンドとボンド・ガールとのラヴ・アフェア」と「華麗なアクション・シーン」が有名。
今回のボンド・ガールは、ルチア・スキアラ役のモニカ・ベルッチさんとマドレーヌ・スワン役のレア・セドゥさん。何方も魅力的だが、個人的にはレア・セドゥさんの方がタイプ。
ショーン・コネリー版及びロジャー・ムーア版では、ボンドとボンド・ガールとのラヴ・アフェアが、もっと濃厚で気恥ずかしさを感じてしまうレヴェルで描かれていた印象が在るけれど、其れ等に比べると「大分あっさりした描き方だなあ。」という思いが。年を重ねた事で、自分の中での感じ方が変わったのかもしれない。
華麗なアクション・シーンに関しても、昔の作品の方がもっと凄かった様に感じる。秘密兵器等には魅了されたけれど、もっと派手さが在っても良かったかと。
昔の作品の印象が強い事も在って、今回の作品は少々物足りなかった。総合評価は星3つ。
デーブといえば、アメリカ発のゆるキャラでしょうが、それが、昨今の日本の地域発のゆるキャラのようなブームとたり得なかったのは、親米陣営が、政府を基盤として、地域に何をか残すキャラのトレンドを読み損ねたからだと思います。
007では、全然ゆるキャラではない、ブロフェルドとの決闘はみものでしたね。そんな、過去の歴史をフォローしきれていませんが、悪役然り、突き抜けた存在感というのは、平凡なものとの間に、明瞭なボーダーがありますね。対する、ボンドとはニュートラルに思えてならないのですよ、正義の為には、小さな悪には目をつむる。そんな、戦争が肯定される世界で、儲けようとしているスペクター、罰されるに足る動機を得た者が悪い、という事でしょうが。
「デーヴ氏=アメリカ発のゆるキャラ」とは、実に上手い喩えですね。彼が日本のメディアに登場して暫くは“単なる際物”という捉えられ方が一般的でしたが、「余りにも下らないギャグを連発する一方で、時には寸鉄人を刺す様な言葉をさらっと吐いたりする。」所が評価される様に。
「ボンド=ニュートラル」、此れも同感です。「国を最優先し、国に害を与えるモノは徹底的に排除する。」という“正義至上主義”で在ったならば、今回の映画の中でボンドは“兄”を確実に葬り去った事でしょう。そうする事無く、最後は“彼女”とクラッシック・カーで立ち去って行くという展開なんぞは、そういった感じを強く覚えました。