ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

言い方という物が在るだろう

2011年07月05日 | 政治関連

*************************************

松本復興相、岩手宮城両知事に際疾い発言連発」(7月4日、朝日新聞

 

松本龍復興担当相は3日、東日本大震災の被災地で在る岩手・宮城両県を訪ね、両県知事と会談した。前日の福島県に続く就任後初めての被災地訪問だが、被災者の感情を逆撫で仕兼ねない発言を連発した。週明けの国会野党追及する可能性も在る。

 

最初に訪れた岩手県庁の玄関前では、衛藤征士郎衆院副議長から貰ったというサッカーボールを持ち出し、「キックオフだ。」と達増拓也知事に蹴り込んだが、達増氏は取り損ねた。

 

会談では、仮設住宅の要望をしようとする達増知事の言葉を遮り、「本当は仮設は貴方方の仕事だ。」と指摘。仮設住宅での孤独死対策等の国の施策挙げ国は進んだ事を遣っている。(被災自治体は)其処に追い付いて来ないといけない。知恵を出した所は助けるが、知恵を出さない奴は助けない。其の位の気持ちを持って。と述べた。又、「九州の人間だから、東北の何市が何処とか判らない。」と冗談めかして話した。

 

午後に訪問した宮城県庁では、応接室に後から入って来た村井嘉浩知事に御客さんが来る時は、自分が入ってから呼べ。しっかり遣れよ。と語った。被災した漁港を集約するという県独自の計画に対しては県でコンセンサスを取れよ。そうしないと、我々は何もしないぞ。等と厳しい口調で注文を付けた。

 

松本氏は防災相から引き続き震災対応に当たる事も在って村井氏は面会後、記者団に「地元の事を良く判っている方が大臣に就任して喜んでいます。」と述べた。しかし、或る県幹部は「被災地に来て、彼の言動は無い。」と憤っていた。

*************************************

 

「サングラス(らしき眼鏡)を掛けて会見したのは不謹慎だ!」と野党が騒ぎ立てていた事に関しては「難癖付けている暇が在ったら、他にする事が幾らでも在るだろう。」と呆れ返った自分だが、今回の松本復興相の発言には「アホか!」と言いたい。*1

 

「客が来る時には、たる者が招き入れるもの。」という考えは、間違っていないと思う。又、「地方への権限移譲」を常日頃から声高に叫んでいる自治体が、自身に不都合な事柄に関しては国に取り決め等を丸投げしている様なケースが目立つ事に違和感覚えているので、「全てを彼方任せにするのでは無く、自らも色々知恵を絞って欲しい。」と訴えるのも理解出来る。「被災地側で特定事項に関して、“或る程度の”コンセンサスを取って欲しい。」というのも、完全に間違っているとは思わない。

 

しかしだ、「未曽有の大災害に見舞われ、困窮している被災地。」で在るのだから、そういった状況下で「客が来る時には云々」といった説教をする必要は無いだろう。況して松本氏は「復興の陣頭指揮執る復興相」という立場で在り、「客」という立場を最優先させるべき物では無い。

 

又、「被災地独自の計画に関して、内部でのコンセンサスを取って欲しい。」というのは其の通りだが、其れ以前に「国としての“具体的な”計画」を提示すべきだろう。

 

松本復興相の今回の発言に対して自分が「アホか!」と言いたくなるのは、言わんとしている事は100%否定しないけれど、「言い方という物が在るだろう。」という点でだ。上から目線としか捉えられない様な言い方をする(麻生太郎首相も似た感じが在るけれど。)事自体が、「アホ」としか思えない。例えば「知恵を出した所は助けるが、知恵を出さない奴は助けない。其の位の気持ちを持って。」という発言も、「我々国も必死で知恵を絞って救済に当たるので、県の側も知恵を絞って下さい。一緒に頑張りましょう。」とでも言えば、受け取る側の印象も違うだろうに。

 

政治家にとって「言葉」は魂で在るなのに、余りにも軽率に言葉を用いる連中が多い。此れに繰り返されて来た政治家の舌禍事件を振り返ると、自身の言葉が及ぼす影響力を理解していないケースが目立つ。松本氏はぼんぼん育ちの様だが、苦労知らずだからこその脇の甘さなのか?菅直人首相引き摺り下ろさんが為の意図的な舌禍事件だとすれば、可成り深謀遠慮さだが。

 

「サッカーボールを持ち出して、『キックオフだ。』と蹴り込んだシーン。」をニュース番組で見たが、こういうパフォーマンス好い加減止めたらどうか?昨夏参院選挙期間中、政党党首が街頭演説でやおらサッカーのホイッスルを吹き鳴らし、「此れから試合の開始です!」と叫んだ後、民主党にはレッド・カードを!」と言ってレッド・カードを得意気に振り翳していた。動員された“信者達”が同様にしっかりとレッド・カードを握り締めていたのも然る事乍ら政治家の此の手の幼稚なパフォーマンスは間抜けさしか感じ得ない。

 

今回の発言に関して昨日、松本復興相は謝罪をしていた。謝罪は当然と思うが、其れを報じていたマスメディアの中に「御前達が其れを言えるのか?」と言いたくなる事柄が在った。其れに付いては明日、改めて記事にしてみたいと思っている。

 

*1 松本復興相の発言をTV番組で批判したみのもんた氏に対して、インターネット上では「ハッキリ批判しないニュースキャスターが多い中、ズバッと批判したみのさんは偉い!」とか「流石、みのさんは正義の人だ!」等、みの氏を神の如く持ち上げる書き込みが多い様だ。確かに今回の松本復興相の発言は批判されて仕方無いと思うし、きちんと批判したみの氏を賞賛する声が出るのは判らないでも無いけれど、でも過剰な持ち上げは疑問。

 

本当に彼が「正義の人」ならば、自身の会社が違法行為を何度も働いた事を追及された際、幼稚な言い訳で誤魔化そうとはしない筈だ。(此の件に関しては此方の記事のコメント欄にて、マヌケ様宛てのレス【2006-09-04 21:38:12】中で触れているので、御参照戴けたらと思う。)

 

又、“三宅の爺さん”と同様にどんな状況下でも安倍晋三元首相を持ち上げ捲っていたみの氏だが、もし安倍元首相が今回の松本復興相と全く同じ言動をしたならば、同じ様に批判しただろうか?自身や自身の好きな対象にとって不都合な事には黙りを決め込み、そうでない事柄や人間に対しては大批判を口にするというので在れば、其れは「正義」でも何でも無い、単なる「卑怯」で在る。どんな対象で在っても、全く変わらない判断基準で述べているかどうか?」、其れをきちんと考慮しないといけない。


コメント (6)    この記事についてブログを書く
« 其処迄する必要が在るのだろ... | トップ | 自分達の事は棚に上げて、本... »

6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
>フクシマから様 (giants-55)
2011-07-07 20:54:11
初めまして。書き込み有り難う御座いました。


3日の松本元復興相の発言、CS放送で比較的長く報道されていたのを見ましたし、全てを文字に起こしたサイトでも確認したのですが、全てに於いて高圧的な話し方では無かったし、何よりも「問題とされた発言」の前後を確認すると、「報道されていたのとは違った面」が感じられもしました。もし全発言が報じられていたならば、「彼の発言は許し難い!」と怒りを覚えた人の中にも、又違った思いが湧いた方が居たかもしれません。

今回の「松本発言」をマスメディアが意図的に加工したのかどうかは何とも言えないけれど、上で3518様宛てのレスで書かせて貰った様に、「蓮舫発言」は明らかにマスメディアの悪意(乃至は面白半分な気持ち)からの「情報加工」だったと思っています。

30年以上前に公開された映画「野生の証明」(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%87%8E%E6%80%A7%E3%81%AE%E8%A8%BC%E6%98%8E)は、「権力者によるメディア・コントロールの恐ろしさ」を感じさせる作品でした。地方都市で起こった大量虐殺事件が、其の土地の権力者がローカルの新聞社やTV局を牛耳っている事で一切外部に報じられる事無く、闇に葬られそうになるというストーリーで、地元の警察すらも権力の御先棒を担ぐというのが、見ていてゾッとさせられた。

極めて一部のメディアしか報じていないのだけれど、菅首相への退陣要求が“或る時期”を境に与野党のみならず、経済界からも一気に噴き出したのは、菅首相が「アンタッチャブルな原発問題に手を突っ込んだから。」という話が在ります。古くから莫大な利権を生み出して来た原発だけに、其れを死守したい政治家や経済人が、「原発を止めたり、廃止したりなんてとんでも無い事だ!」と一気に牙を剥いたという話なのですが、もし事実だとしたら本当に許し難い事。国民の事なんぞ全く眼中に無く、在るのは己が利権だけという事ですから。

今後とも何卒宜しく御願い致します。
返信する
世論操作? (フクシマ から)
2011-07-07 14:44:42
最近、意図的な情報がマスメディアに流されるという内容の小説や評論を読む機会が偶然にありました。
そんな矢先に今回の松本元大臣発言をニュースで見た時に、とても違和感をもちました。
映像以外の会談のなかでは、あのような高圧的な話しぶりではなかった、という人もいました。
マスメディアを利用した者の意図は何だったのか。(権力か本人か?)
そして、今もっとも不快に感じるのは、「電力不足」です。
節電・節電と声高な呼びかけ。
原発再稼働を渇望する「世論」を誘導するためでは…と、鳥肌がたつ程の恐怖を感じます。
佐藤栄佐久元知事も反原発派だったので逮捕されたとか。
当時、県内マスメディアは真意を論調していませんでした。鵜呑みにしていた私は深く悔んでいます。
返信する
>3518様 (giants-55)
2011-07-06 21:44:03
書き込み有り難う御座いました。

CS放送で「3日の遣り取り」を“比較的長く”流していたのですが、普通に(穏やかに)話している部分も仰る様に在りました。今回問題になった部分も、其の前後を聞くと「別の面」を感じられたりもして、「マスメディアの何等かの意図」が全く無かったとは思えない感じでした。

まあ「マスメディアによる情報加工」というのは自民党政権下でも結構行われていて、「こんな揚げ足取りで辞める必要が在るのだろうか?」と思う自民党議員も存在したし。最近で言えば、事業仕分けで蓮舫議員に対して「私の話も聞いて下さい!」と声を荒げた独立行政法人「国立女性教育会館」の神田道子理事長の件も、マスメディアによる情報加工だった事が後に判明。「矢継ぎ早に質問し、神田理事長には一切反論の機会を与えない蓮舫議員。其れに対して、ぶち切れた神田理事長。」という放送が執拗に長され、彼のシーン“だけ”を見た視聴者は「蓮舫議員は何て傲慢なんだ。神田理事長が可哀想だ。」となるのは当然と言えば当然なのですが、実は全体の遣り取りでは「神田理事長が可成りの時間、一方的に話捲っていた。」というのが確認され、「蓮舫=傲慢」というイメージをマスメディアが意図的に強めさせる為の情報加工だった訳です。


松本元復興相が無能なのか有能なのかは知りませんが、「『自分が正しいと思った事を堂々と遣れ。其れで問題が起こったならば、俺が責任を取る。』というタイプの上司で、仕事がし易かった。」という彼の“部下達”の声が紹介されていました。又、被災地の現場担当者からは、「比較的良く遣ってくれていたと思う。ああいう言い方をしたから誤解されてしまったのだろうけれど、気の毒な気がする。」といったコメントも。

くどい様だけれども、松本元復興相が有能なのか無能なのかは判らないけれど、言動の一部分だけを取り上げて大バッシングし、其れで大臣達が次々に辞める事になるという構図は、自民党政権下の頃より延々と続いている事。此れでは、「問題発言さえしなければ良い大臣なのか?」という疑問が自分には湧いて来る。「問題を全く起こさないけれど、全く無能な人物。」よりも、「多少の問題発言はしても(今回の松本復興相の発言が多少の範疇かどうかという点は、又別問題ですが。)、仕事をバリバリしてくれる人物。」の方が、自分は評価出来るのですが・・・。

自民党から民主党に引き抜かれたと問題になっている浜田和幸議員に対して、自民党の山本一太議員が「絶対に許せない。」と息巻いていました。彼のブログで大批判した議員は、悉く「不幸な目」に遭っているとかで、政界では彼のブログを「DEATH NOTE」(http://ja.wikipedia.org/wiki/DEATH_NOTE)と呼んでいる人も多いそうで、「問題の多い浜田議員を徹底的に追求し、議員を辞めさせる!」と得意気に話していました。でも、そんな浜田氏を昨夏の参院選で担ぎ出したのは、一体何処の党だったのか?又、「議員を追い込む事が、自身の唯一無二の仕事だ!」と言わん許りの山本氏の言動にも、「政治家の仕事って、そんなもんじゃないだろ?」と違和感を覚えます。

与野党共に、不毛な足の引っ張り合いをしている状況では無い。余りにも幼稚過ぎて、本当に情けなくなります。
返信する
Unknown (3518)
2011-07-06 12:31:02
意図的にカット(編集・演出・効果音・字幕スーパー)してない映像とか記事とかの方が少ないのではないでしょうか。 そして、世論は無意識に誘導されているのではないでしょうか。 菅おろしのために地元の知事さんやマスコミも全部がグルだともかんぐれます。 考えすぎでしょうか? ニュースで何度も流れた映像の部分以外では普通に丁寧語を使っていたらしいですから、変ですし、腑に落ちないです。 それに現地には何度も通っていて、知事さんたちとはオマエ・オレの仲になるくらいの関係を築いていたらしいです。 マスコミはバカだから初めからぐるではなくても気付かずに片棒担いだとかもあり得ないかなあと。 考えすぎでしょうか?
返信する
>miyashiro様 (giants-55)
2011-07-06 02:17:06
書き込み有り難う御座いました。

上から目線としか思えない彼の言い方には、「何なんだ??」と不快さを覚えた人は多かったでしょうね。自分もそう感じましたし。


唯、松本氏の3日の“全発言”(http://h.hatena.ne.jp/tari-G/243600059603909405)を読むと「しっかり政府に甘える所は甘えて、こっちも突き放す所は突き放すから。其の位の覚悟でやって下さい。」、「本当はね、我々はもう、仮設(住宅)は貴方達が仕事だから。仮設よりも恒久住宅。次の恒久住宅みたいなのを我々は構想するから、其処で皆どういう知恵が出せるか。此れからは知恵合戦だ。」、「だからもう昨日も宮古の山本(市長)にも言ったけど、『もう彼が欲しい、此れが欲しい。』は駄目だぞ。知恵を出せよ。」等々、余り報じられていない様な発言(全く報じられていない訳では勿論無いでしょうが。)が散見されました。

被災者を国家が全力で救済するのは当然の事ですが、どんな組織でも言える事なのだけれど、不心得者というのはどうしても存在してしまうもの。「『差別問題』を悪用して、違法な利益をせしめている連中が残念乍ら存在している。」様に、「被災者という立場を悪用し、不当な要求迄する輩は許さない。(そんな輩は、極僅かだとは思っていますが。)被災者救済に費やされるのは国民が納めた血税なのだから、おかしな使い方は絶対にさせない。」という思いが松本氏の頭の中に在った様にも感じられました。

言い方が非常に悪かったし、批判されるのは当然とも思うけれど、上記した様な「別の面が見えて来そうな発言」をマスメディアが意図的にカットしていた“としたら”、其れは其れで怖い気がしたりも。

話した相手は岩手県&宮城県両知事だけれど、其の後ろには「両県民が居る。」というのを念頭に置いて話せなかった松本氏は本当に情け無い。又、「大臣の首を取る事が、唯一無二的な重要事。」とでも思っているかの様に騒いでいる政治家達も、此れ又情けない。「今最優先ですべき事は何なのか?」、其れを心底認識している政治家は、与野党問わず皆無に等しい気がします。
返信する
間違ったことは言ってないけど (miyashiro)
2011-07-06 00:39:30
この記事を取り上げてくれないものかと思ってました。

直接的被害はほとんどなかった地域に住んでるとはいえ、被災地の一人としては、かなり気分の悪いものでした。
辞任していただき、心の底からせいせいしています。

一方で気分の悪かったことといえば、岩手、宮城両知事のへらへらした態度。
地方分権を叫んでいながら、やはり国が主導なんだなと。
岩手県知事については存じあげませんが、後から弁明していた宮城県知事も、はっきり言ってかっこ悪い。

なんだか…本気で今の日本をどうにかしようとしてくれる政治家はいないものですかね?少なくても今の与党にはいないのでしょうか?
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。