子供の頃、“海外で紹介される日本人像”というと、「七三分けにした髪に牛乳瓶の底の様なレンズの黒縁眼鏡を掛け、出っ歯でのっぺりとした顔。小柄な体型に猫背、首からはカメラを提げている人物。」、そう水木しげる氏の作品に登場する「会社員」の姿其の物だった。当時の日本人の特徴を寄せ集めれば、そんなイメージが出来上がってしまうのは判らないでも無いが、子供心に良い気持ちで無かったのは確かだ。
【水木しげる作品に登場する“会社員”】
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「全日空、批判受けCM中止=外国人描写に『差別的』」(1月21日、時事ドットコム)
全日本空輸は21日迄に、羽田空港の国際線大幅増便のTVCMが視聴者から抗議を受けた為、放送を中止した。御笑いタレントのバカリズムさんが外国人の振りをする場面に、「人種差別的」との指摘が在ったと言う。18日に全国で放送が始まったが、20日夜迄に取り止めた。
CMは、バカリズムさんと俳優の西島秀俊さんが出演し、3月30日の羽田国際線の発着枠拡大に伴う増便と、カナダ・ヴァンクーヴァー等への新規就航をPRする内容だ。西島さんが「日本人のイメージ変えちゃおうぜ。」と言うと、金髪の鬘と高い鼻を付けたバカリズムさんが「勿論。」と答えている。
全日空は「当社の意図と異なる意見を頂戴し、真摯に受け止める。」とコメント。第2弾CMは「御意見を参考にし乍ら、早めに放送する。」と説明している。
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概してのっぺりとした顔立ちで、御洒落として黒髪を染めたりする日本人にとって、西洋人の金髪や高い鼻は羨ましく思ったりするのだが、西洋人の中には逆に、そういった特徴を好ましく感じていない人も居ると言う。在れば在ったで、又、無かったら無かったでと、人はコンプレックスを感じる物なのだろう。
此のCMを最初に目にした時、思ったのは「センスの無いCMだなあ。」という事。「外国人といったら『金髪に高い鼻』というのは余りにステレオタイプだし、其れで面白さを出そうとしているなら、センスが無い。」と感じたからだ。「差別的」とは全く考えなかったけれど、外国人の中には「不快」に感じる人も居るのだろう。
唯、不快に感じる外国人が居たとしても、其れが多数とは思えず、クレームが幾つか付けられた事で、スポンサー・サイドが過剰反応し、即刻に打ち切りを決断したというのが実情ではないだろうか。
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「日テレドラマ、BPOに審議要請 『赤ちゃんポスト』設置の病院」(1月22日、産経新聞)
日本テレビ系列で放映中の連続ドラマ「明日、ママがいない」【動画】が児童養護施設関係者の人権を侵害しているとして、親が育てられない子供を匿名で受け容れる「こうのとりのゆりかご」(赤ちゃんポスト)を設置する慈恵病院(熊本市)は22日、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送人権委員会に審議を求める申立書を送付した。
記者会見した蓮田健産婦人科部長は「第1回放送後に、施設の子供が虐められたとの報告を伝え聞き、緊急性が高いと判断した。BPOは速やかに、結論を出して欲しい。」と述べた。
病院は第1回放送翌日の16日、日テレに放送中止を求めたが、日テレは放送継続や謝罪しない事を病院に伝えている。
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自分は、此のドラマを全く見ていない。故に断言は出来ないし、飽く迄も報じられている事柄を基にして、推測でしか物を言えないのだが、此方の詳細等を見る限りでは、確かに「差別」を助長しそうな設定では在る。子供と言うのは「残酷」な面を持っていたりもするので、“明々白々に”差別を助長する様な放送ならば、放送局は控えるべきだろう。「視聴率さえ稼げれば、何でも在り。」という姿勢が露骨に感じられる番組も在るので、そういう姿勢で作られた物ならば、打ち切りも仕方無いとは思う。
だがしかし、ドラマで言えば「露悪的なストーリーを意図して描く事で、逆に見ている側に“人として正しい道”を思い知らせる。」事も在るし、「最後の最後で、『こういう結末で良かった。』と感動させる。」事だって在る。見ているのが年端の行かない子供ならば、「こういう虐めは、絶対にしてはいけない。」と教え諭すのも親の役目だろう。上記した様に自分は此のドラマを見ていないので、どうこう言うのは不適切かもしれないが、開始した許りの段階で「打ち切れ!」と言うのでは無く、「もう少し展開を見守っても良いのではないか?」という気がする。
先日、或るスーパーに行った際、「客からの意見」及び「其れに対する店からの回答」が載った掲示板に目が行ってしまった。客からのクレームが殆どで、「クレームを付けたくなるのも判るなあ。」という物が在る一方、「何か、難癖を付けているだけの様な気もするなあ。」と店側に同乗してしまう物も幾つか在った。
「陳列されていた靴が落ちて来て、身体に触れた。側に居た店員が『大丈夫ですか?』と言ったのだが、こういう場合は「御怪我は在りませんか?』と言うのが“正しい日本語”で在り、非常に不快だった。店側は、きちんと指導すべきで在る。」といった趣旨の意見に対し、店側は平身低頭といった感じの回答を出していたけれど、「『正しい日本語』って何?『大丈夫ですか?』と言って、何がいけないの?」と自分は思ってしまった。申し訳無いけれど、「クレームを付けたいが為のクレーム」といった感じ。
“クレーム愛好家”、又は“構ってちゃん”の様な人達に加え、近年はネット上で「皆で、XXにクレームを入れよう!」等と、スポンサー等への攻撃を煽り立てる輩が目に付く。仮にクレームを付けられても仕方無いケースでも、1人でクレームを付ければ良い話で、“集団リンチ”の様な遣り口は個人的に好かない。況してや「自分の考えに合わないから。」とか「面白そうだから。」といった身勝手な理由だけで“集団リンチ”を煽っているのだとしたら、全くの言語道断。こんな輩は威力業務妨害等の罪で、厳罰に処した方が良い。
「明日、ママがいない」に対するクレームには、そういった煽りの影響が無いと信じたいが、面白半分に“集団攻撃”を煽り立てる輩が増えている様に感じられる昨今だからこそ、「番組にクレームが付いた。→自分達が間違っているとは思わないけれど、大事になったら大変だから、取り敢えず謝罪をしたり、番組を打ち切ろう。」という安直さには走らない方が良いと思う。
自分達が明らかに間違っていると思ったり、悪いと思ったりしたならば話は別だが、そうじゃ無ければ、“安直な迎合”は愉快犯(クレームを付けた人間全てが、愉快犯と言っている訳では無い。面白半分に騒ぎを起こしている輩のみを指している。)を増長させるだけだし、メディアは“妙な自主規制”に走ってしまうだろうから。
藤村有弘氏が扮する怪しい中国人、滅茶苦茶懐かしいです。ゼンジー北京氏の喋り方(「其れじゃあ、ポチポチ行くアルヨ。」とか。)も、今じゃあ「中国人を馬鹿にしている。」って事になるでしょうね。
或る時代に於いては全く問題無かった事が、時代が変わると“不謹慎”となってしまうというのは、結構在ります。昭和40年代辺り迄は、アフリカの事を「暗黒大陸」なんて呼んでいたし、当時の漫画や映画に登場する中国人は、何処か
胡散臭さを秘めた人物設定許りだった。
自分も触れ様かと思ったのが、「赤いシリーズ」に付いて。継母による差別&虐めや幼児虐待等、もう何でも御座れという感じでしたよね。「百恵ちゃん可哀想・・・。」と思い乍ら、夢中になって見ていたものですが、今じゃあクレームが付き捲りな事でしょう。
藤村有弘は昔過ぎますが、藤井隆が「変なイギリス人」を演じていた頃、「これは結構侮蔑的ととられるかもな」と思ったのを記憶しています。イギリス人というよりは「日本人が想像するガイジン(=アメリカ人?)」風でしたけど、アホみたいにハイテンションで極端に高い付け鼻という件の全日空のCMとも共通するものがあったと思いますが、当時は特に問題にはなりませんでした。
余談ですが、当の欧米人は鼻が高いのは醜いと思っていて、ヴァネッサ・レッドグレーブの娘さんは役を得るために鼻を削る手術をしたそうですし、鼻が高い、はむしろ貶されたと思うそうです。
「ハンガリー人に美人が多い」とされるのは比較的アジア的な顔立ちでゲルマン系のように鼻や背が極端に高い人が少ないから、のようです。日本人にするとあまりピンと来ないことが多いのですが。例を挙げるとテニス選手のステフィー・グラフ(独)を日本人は美人と思う人が多かったが、現地では「鼻が大きすぎ」と思われていた。女優のロミー・シュナイダー(オーストリア人)はドイツ語圏では若い頃から大人気だったが、日本では晩年の作品群と憂いある雰囲気が受けてから人気が出て、若い頃は「ギリシャ彫刻的ではない。日本にもいそうな貧相な顔」と思われていたんです。
でも1980年代になるとソフィー・マルソーのような「日本にいそうな顔」が受けるようになったのですから、日本人の意識の変化があったのかもしれないですね。
>子供ドラマ
日本では越後獅子ものなどの昔から、母物映画に赤いシリーズに、安達ゆみに「子供をこれでもかこれでもか」といたぶるエンターテインメントを見て泣き、結末には子供が何らかの形で幸せになるのを見て、カタルシスを得る文化がありました。しかしそれが今も通用すると思ったら大間違いだったわけですね。社会通念が変わったのかも。
「センセーショナルな内容」や「登場人物達の渾名のセンス」等から、「昔の野島伸司氏が書いた脚本っぽいなあ。」と思っていたのですが、彼が此のドラマの脚本監修を担当していると知り、「矢張りなあ。」と腑に落ちた次第。
今クール放送開始となったドラマの中で、話題性だけで言えば、此のドラマは断トツでしょうね。唯、視聴率が下がったり、スポンサーが全社CMを自粛したのは、日テレとしては予想外だったでしょうが。
日テレと言えば、昨年は年間平均視聴率でテレ朝と鎬を削った放送局。「全日帯(午前6時~午前0時)」で首位を獲得するも、「ゴールデン帯(午後7時~10時)」及び「プライム帯(午後7時~11時)」ではテレ朝に首位を獲得されてしまった。(日テレは、共に2位。)「今年こそは三冠達成!」という強い意気込みが、「過激な内容のドラマで高視聴率を獲得し、スタートダッシュを図ろう。」という事になってしまったのかなあと考えたりもします。
しかし二話目の視聴率が下がったのは予想外でした
ドラマ製作にかかった金を思ったら打ち切りに出来ないのは理解できますが登場人物の子供達のアダ名がみえみえで興ざめします
ポスト(ポストに捨てられてた)、ボンビ(家が貧乏)、ドンキ(母ちゃんが若いツバメを鈍器で殴る)
野次馬根性丸出しの俺としてはテレビ局の言ってる「最後まで見てもらえば作品の真意が分かってもらえる」と真逆の「こんな事なら批判が出た時に打ち切れば良かった」的な顛末を期待してます
話しは変わりますが何かと子供の事になると口うるさいアグネスも相手がテレビ局や中国だと沈黙を守りますね(アグネスは本当に偽善者だと思います)
海外から見た典型的な日本人のイメージを考えてたら失礼ながらヒロヒト天皇が頭に浮かびました(安部ちゃんが不敬罪を復活させる前で良かった)
判断能力を備えた者に対しては「嫌ならば見なければ良い。」で済むのですが、年端の行かない子供で、尚且つ家族で一緒になって1つの番組を見るのが稀有な時代に在っては、仰る様に「嫌なら見なければ良い。」では済まない問題なのが悩ましい所です。
記事でも書いた様に、自分は此のドラマを全く見ていないのですが、「児童養護施設の関係者の言動が、余りに在り得ない程デフォルメされており、『此れは飽く迄もドラマで在って、現実では無いんですよ。』といった性尺者側の“配慮”も感じられる。」と書いていた著名人が居ました。そういう意味で全く配慮が無い訳では無さそうですが、其れが多くの人達(特に子供)に伝わっていないとしたら、配慮が足りないと言えましょうね。「見せ方の工夫に磨きを掛けて欲しい。」というのは、全くの同感です。
百均の中には、「使用した物でも、気に召さなければ返金に応じる。」としている所も在る様ですし、件の客も其れに従っただけなのかもしれませんが、自分も流石に出来ないですね。
自分もそうですが、日本人は概して「他民族への配慮」が希薄なのかもしれませんね。「陸続きで、他民族とのトラブルを日常的に抱え込んで来た諸国。」とは異なる部分とも言えましょう。
「ちびくろサンボ」(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%A1%E3%81%B3%E3%81%8F%E3%82%8D%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%83%9C)の挿絵に見られる様に、「クリクリとした目、分厚い唇に透き葉。」といった形で描かれる黒人の子供は、個人的に「愛くるしいなあ。」と思ってしまうのですが、当の黒人の人達からすると、「馬鹿にした絵だ!」と腹立たしさを覚えるのも判らないでは無い。
自分の価値観のみを押し付けず、相手の立場も慮って、引く所は引く。国際人としては大事な事なのでしょうが、其の兼ね合いが難しいのも事実ですね。
騒動により視聴率が上昇して行くのかと思いきや、少なくとも第二話の視聴率は下がったそうです。本当に良いドラマならば、見る人は減って行かないだろうし、今後の動向を冷静に見て行きたいと思っています。
原田知世さん、“少女的な雰囲気”を維持している稀有な女優の1人ですよね。所謂「角川三人娘」(http://www2u.biglobe.ne.jp/~watakoh/kadokawa.htm)の中では薬師丸ひろ子さんが好きでしたが、高校時代の友人の1人が熱狂的な原田ファンだったのが印象に残っています。
私はこのCMを見て、西洋人へのコンプレックスから来る自虐CMとの印象を持ったので、てっきり日本人からの抗議だと思っていました。
ひとつの事象にもさまざまな反応があるということですね。
日テレのドラマは私も見ていないのでコメントは控えますが、テレビを見る状況が家族の団欒の中であれば、giants-55さんの仰るとおり、これを反面教師として親子間のコミュニケーションに役立てるのが良いでしょうね。
ただ、家庭に何台ものテレビがある昨今や、物事を一面的に捉えがちな風潮を考えると、こういうデリケートなテーマの出し方には、よりいっそうの工夫が必要ではないかと感じてしまいます。
慎重になるあまり自己規制をかけて、事なかれ主義に走るのではなく、見せ方の工夫に磨きをかけてほしいものです。
クレームといえば、昨日会社帰りに百均に寄ったのですが、ちょうどレジで客と店員が押し問答しているところに出くわしました。
聞くとも無しに耳に入ってくる内容では、包装を破り取り出した(不良品でない)商品の返品を、店員が断っているようでした。
私なら間違って買ったことに気づいても、100円だからと諦めてしまうところですが、世の中には「しっかり者」がいるというか・・・(笑)。