ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

自民党圧勝に対する懸念

2012年12月17日 | 政治関連

昨日、開票が行われた衆議院議員総選挙は、多くのメディアが予想していた通り、自民党の圧勝に終わった。

 

3年前の衆議院議員総選挙では、余りにも腐り切ってしまった自民党に愛想を尽かし、多くの国民が民主党へと票を投じ其の結果として政権交代が成立。しかし、政権を担った民主党は内輪揉めを繰り返し、肝心な政治でも国民を失望させ続けて来た

 

だから今回の選挙で民主党が大敗を喫したのは理解出来るのだが、過去の反省をする事無く(又は表面的な反省だけで)、旧態依然としたの自民党に多くの票が投じられたというのは、本当に理解出来ない。「過去を直ぐ、忘れてしまう。」というのは日本人の特徴だけれど、此れじゃあ政治が改善される訳も無い。

 

是々非々で物事を判断出来そうな石破茂氏(以前に比べると手前勝手な主張が増え、其れは残念に感じているが。)がというのならば未だしも「政治家として」という以前に「人として」余りにどうかと思う点が在る安倍晋三氏首相就任というのは、非常に懸念覚える

 

自分自身に強いコンプレックスを感じているのか、『権威』や『形式』に対して過度縋り付こうとするが見受けられる。のも、其の1つだ。だから彼が強く主張する政策には「国や国民を良くする。」というよりも、「権威や形式を高める事で、自分自身も高く評価して貰いたい。」という“オナニー的な色合い”を強く感じてしまう。

 

先日の記事で其の理由を書いたけれど、来夏は周囲が必死になって安倍“首相”の暴走を止めるだろうが、参議院議員通常選挙でも自民党が勝利を収めれば、安倍“首相”は遣りたい放題を始める様な気がしている。

 

何とかの一つ覚え如く、彼が好んで口にするフレーズが「戦後レジームからの脱却」。「戦後体制からの脱却」と言った方が遥かに判り易いと思うのだが、まあ其れは良いとして、彼が断行しようとしている大きな政策の中には「憲法改正」、「愛国教育」、そして「皇室制の改革」が在る。

 

自分は、「何が何でも憲法の改正は駄目!」という主義では無い。明々白々におかしな部分が出てくれば、広く、そして深く議論をし尽くした上で、法に則って改正をするのは在りだと思っている。でも、現在声高に憲法改正を主張している人達には、「憲法を改正しさえすれば、日本は“地上の楽園”となる。」的な発想の人が少なくない様に感じられ、其れはとても怖い。

 

3ヶ月前の記事「おこちゃま思考」の中で、“ミッチー”こと渡辺美智雄氏が憲法に付いて、気が進まない女房を、親や周りに押し付けられた。何時か代えよう、何時か代えようと思っている内に、40年も経ってしまった。見直してみると、こんな女房でも良い所は在る。第一、40年大過無く遣って来たし、良い子も作ってくれた。何よりも40年間に自分も馴染んでしまった。昔、代えようと思っていた気持ちも、段々変わって来る。評していた事を紹介した。仮令「押し付けられた憲法」で在ったとしても、良い物は良いし、「自分達だけで作り上げた憲法」で在っても、必ずしも良い物になるとは限らない。

 

「日本も、『集団的自衛権』を認めるべきだ。」という声が在る。他国が日本に攻め入って来たのに、座して死を待つだけ。」というのは在り得ないし、「自衛権」は有して当然。しかし「集団的自衛権」となると、話は又別。集団的自衛権は「他の国家が武力攻撃を受けた場合、直接に攻撃を受けていない第三国が協力し、共同で防衛する権利。」で在り、実際的に言えば安全保障条約締結しているアメリカが、共に防衛する相手となろう。「日本に何か在ればアメリカが守ってくれるのだから、アメリカに何かが在れば日本も一緒になって戦うのは当然。」という声も在ろう。「日本だけ守って貰おうというのは勝手。」というのも判らないでは無い。

 

でも、イラク戦争を思い出して欲しい。「サッダーム・フセイン大統領大量破壊兵器隠匿しており、其れ等を取り除かないと平和が保てない。」というのが、当時の大統領だったジョージ・W・ブッシュ氏の開戦理由ではなかったか?戦争は泥沼化し、双方に多くの犠牲者を出した。戦争が終わってみれば大量破壊兵器なんぞは見付からず、アメリカの軍需産業を儲けさせるのが、此の戦争の主目的だったのではないか?」なんていう噂も飛び交った。真相は闇の中とは言え、其れ以前にアメリカが関与した戦争の中にも、大義名分に怪しさを感じる物が無くは無い。そんな戦争にアメリカが突入した際、日本も戦争に加わらざるを得なくなり、多くの死傷者を出すというのは、どうにも納得が行かない。

 

以前の記事の中で“安全地帯に居る”が決定し、“安全地帯に居る”親爺が命令し、そして何も知らない若者が戦って死ぬのが戦争。という譬えを紹介させて貰った。「戦争に突入したら、真っ先に戦地に送り込まれるのは若者達。」という現実を、若い人達には判って欲しい。

 

自分は、「日本」という国が大好きだ。大好きな日本が他者から貶されるのは不快だし、理不尽反日運動には怒りを覚えている。でも、だからと言って、国が「愛国教育」を行うというのは違うと思う。「愛国」という意識は、他者から押し付けられる筋合いの物では無いから。人の顔が其れ其れ異なる様に、愛国意識の持ち方だって人其れ其れの。日本人ならば程度の差は在りこそすれ、誰しも愛国意識を持っているのではないか?

 

愛国教育を声高に叫ぶ人達は、所謂自虐史観」を忌避する。自分も自虐史観はだし、其の点に於て共感出来る。でも「自虐史観を否定する。」事には共感出来ても、「日本にとって不都合な“事実”は一切無かった事にし、日本にとって好都合な事で在れば“嘘”で在っても“事実”として教える。」というのには全く共感出来ない。愛国教育を必要以上に口にする人の中には、概してそういった人が多く見受けられるが、其れでは自分を含めた多くの日本人が「嘘ばかり教えてるなあ。」と呆れ返ってしまう「中国北朝鮮韓国等で行われている愚かしい愛国教育。」と何等変わらないではないか。

 

歴史」や「日本文化」をきちんと教えるのは良い事だけれど、其れ以上に自らの頭で色々考えられる教育」の必要性を感じている。一方向からだけの情報を鵜呑みにするのでは無く、様々な情報に積極的に当たり、そして自らの頭で充分考えて判断する。選挙の際、棄権する若い人の中には「マニフェストを読んだけど、難しくて判らなかったから。」と口にする人が少なくないが、本当にマニフェストを読んだのか疑わしい。主要な政党のマニフェストを実際に読んだが、非常に判り易く書いてある物許りだったから。手に取って読んでもみずに、「どうせ難しいから。」というケースが多いのではないか?もしそうならば、其れは「思考停止」に他ならない。自らの頭で充分考えられる教育が、日本の未来を明るくする一要因ではないだろうか。

 

安倍氏の過去の発言を見聞していると、「旧皇族の復活」をしばしば主張している。其れに合わせてか、旧皇族は「もし皇族に戻れと言われれば、戻る覚悟は出来ています。」と発言していたが、腰を浮かさん許りに「覚悟」を口にする彼からは、「皇族に戻りたくて仕方が無い。」という感じしか窺えなかった。

 

旧皇族の復活となれば、皇室費(移動する際の警護に掛かる費用も含め。)は大幅にアップする事だろう。秋篠宮文仁親王は「皇族の人数が少ないというのは、費やされる費用を考えれば、決して悪い事では無い。」という趣旨の発言をしていた。「国民と共に歩む皇室」をモットーにされている今上天皇ならば、少なからずの国民が明日の生活にも不安を感じている状況から、「旧皇族を復活させる事よりも、其の事で増えるで在ろう血税分を、困っている人達を助けるに使って欲しい。」と口にすると思うのだけれど。

 

安倍氏に付いて、そして所謂“自民党的体質”に付いては懸念すべき点許りだが、自民党の中にも「是々非々で物事を判断出来そうな政治家。」がない訳では無い。若手で言えば、小泉進次郎氏なんぞは“真面な主張”をしていると思うし。(言うだけでは駄目で、大事なのは其れを実行するかどうかだけれど。)

 

私利私欲の追求汲々としている“政治屋”では無く、国や国民の事を最優先に考え&行動する“政治家”が、与野党を問わず多数を占める様で無いと、日本の未来は暗いと思う。


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4 コメント

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国民は生活が第一 (AK)
2012-12-17 12:02:59
労組やその支援下だったくせに電機企業の大量解雇には一切表立って触れず、非現実的な原発即廃止ばかり言っていた社民だの未来だのは惨敗。
分かりやすい例がルネサス工場が閉鎖の福井1区や原発銀座福井3区に出ていた。
もっとも福島で自民が圧倒するとは思わなかったけど。南相馬のある選挙区も自民でしたし。メディア、特にネットメディアからの印象だと共産党か未来辺りが勝ちそうな雰囲気だったが。

結局「そんなことより景気」「そんなことより年金」(12/16の日経社会面に有権者の同様のコメント有)だったのだと思う。そう考えれば怪しげな維新、みんなは選択外。自民か民主しか選択肢はない。

>安倍

気の弱いいじめられっこにありがちなパターンですね。
でもやれることは結局限られている(BSプライムニュースでの田中均コメント)。予算を考えれば極端な軍や皇室への増資は出来ない。多分giants55さんが挙げておられる「元皇族」は竹田氏だと思うのですが、彼の父親のJOC会長は長男ではなかったと思うので、彼には「復帰」の目はありません。戦前の皇族法でも「臣下」になる運命だったからです。「~王」の次男以下は苗字を与えられ臣下になっています(例:明治天皇の皇女とその婿の為に創設された朝香宮の次男が「音羽」氏になっている)
そういうことをやれば確実に
「支配階層の増加より生活が第一」
「道徳だの教育より先に景気」という逆風が吹くでしょう。

票にはあまり力はないが官邸前デモは当然継続でしょうかね。野田氏よりもわかりやすい敵が出来たわけですから。宇都宮氏が大差ではありますが都知事選2番手ですしね。それなりに数はいるのですが、それでも猪瀬氏と差がつきましたね。話の次いでですが笹川氏が「諸派」扱いで驚きました。
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>AK様 (giants-55)
2012-12-17 20:27:29
書き込み有難う御座いました。

小選挙区という選挙制度自体が、極端な傾向が出易いのは“郵政民営化選挙”や前回の“政権交代選挙”の結果からも判ってはいましたが、今回の様に「自民党に対して強い風が吹いている訳では無い。」状況下でも、こんなに極端な結果が出るというのは驚きでした。

マスメディアが報じる選挙予想は軒並み「自民党の大圧勝」という物でしたし、「勝ち馬に乗りたがる昨今の風潮」からも「自民党が圧勝するだろうな。」とは思っていましたが、其れでもせいぜい「240~250の間」と思っていたのですが、よもや300近くになるとは。

自民党の大圧勝予想が何度も何度も報じられる事で、「其れじゃあ、自分が票を投じた所で、何の影響もないんだな。」と思った人が多かったのではないでしょうか?そうじゃないと、棄権率4割弱という状況が理解出来ないし。

自公合わせて320議席を超えたと騒いでいますが、其れよりも自民党とタカ派的な意味合いで非常に近い関係に在る(と思われる)維新やみんな(渡辺代表と安倍総裁は、非常に親しい関係に在ると言われていますね。)を加えると、400近い議席数になるのが不気味。8割超えですから、此れ等の政党がタッグを組めば、大政翼賛会の再来と言えますので。(維新から自民に議員がどっと移るのも、時間の問題な気がするし。)

今回の選挙、各種調査結果を見ると、当たり前の事では在りますけれど、圧倒的多数が望んでいるのは「景気回復」。自分も景気回復は望む所だけれど、景気回復と共に「必死で頑張っているけれど、貧困に喘がざるを得ない人々の救済。」というのも大事だと思っています。何度も書いているけれど、自堕落な連中は救う必要が無いけれど、そうじゃないケースは国が或る程度救済すべきと思う。「景気回復」を旗印に、特定の大企業のみを成長させる戦略、無駄な箱物濫造等、従来の悪しき政治が復活する一方、十把一絡げにして弱者を叩く風潮作りに政権が加担する様で在ってはならない。

大圧勝を受けての安倍総裁の記者会見、周りが必死で手綱を締め上げていたのでしょうけれど、浮かれない様にしているのが露骨に感じられました。自民党への積極的な支持では無く、駄目過ぎた民主党への幻滅が、結果として自民党を大圧勝させたのですから、浮かれない様にするというのは当然の事。

唯、60近い人間が、其れ迄に形成して来た人格というのをガラッと変えるのは至難の業。特に彼の様な蝶よ花よと育てられて来たボンボンが、此の年で変えられるとは思えない。少しでも自分に不都合な指摘をされると、眉間に青筋を立てて子供の様に反撃したり、余裕を見せようと皮肉な笑いを浮かべるも、口元がヒクヒクしている彼を見ると、申し訳無いけれど「幼いなあ・・・。」と思ってしまう。

前政権での反省を生かし、良い政治を行ってくれれば良いけれど、又しても周りを御友達で固めたり、訳の判らない「有識者会議」を再濫造したり、国民が望む政策の下位に在る“彼の趣味の世界”に暴走したりするのは、時間の問題の様な気がしています。

元皇族、記事では匿名にしていましたので実名は避けますが・・・正解です。不正受給している連中は論外だけれど、唯、「必死で頑張っているのだけれど、生活保護を受給しないと生きて行けない人。」が多いのは確かでしょう。そんな中、旧皇族の復活なんていう選択肢は、予算の関係からも自分は在り得ないと思っています。
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ノイジーマイノリティー (spade)
2012-12-18 12:06:16
未来や維新は結局デモをやったりツイッターで積極的に発言するタイプの人を「大多数」と思ってしまったのではないかな、と。選挙区で有権者とじかに話せばそんなことはないに決まってるが、そういう普通の人ほど「原発即なくしましょう!」とビラを配る人に「そりゃないに越したことはないですが、本当に大丈夫なんですか?電気代上がってるじゃないですか?うちの家計が今ピンチなんですよ」ということは言わない。
「消費税上げないに越したことはないですけど…」や「公共工事無駄」という勇ましい若い候補に「うちのダンナ建設会社に勤めてたんですが」とも言わない。

自民は結局長年の蓄積で「サイレントマジョリティー」を知ってるし、ひきつけられた。
でも一方で安倍氏はネトウヨというある種の「ノイジーマイノリティー」ファンクラブを持っている。
政権をとり、野党ではなくなることでどこまで「サイレントマジョリティ」を意識できるか、意識させる人を周りに置くか、ですね。
ただ、ネトウヨではなくても「中国、韓国を痛めつけてやれ」と思う人は多いのも事実ですけどね。

但し自民が得た得票率は決して高くない。選挙制度を変えないとこんなことの繰り返しですね。
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>spade様 (giants-55)
2012-12-18 21:57:33
書き込み有難う御座いました。

「脱原発」か「原発推進」かという切り口で言えば、恐らくは「脱原発」が国民の多数を占めると思うんです。でも、「脱原発」と言っても、「即座に止める。」のか「数年後に止める。」のか「十数年後止める。」のか、又は「代替エネルギーの確実な確保が確認出来る等した後に止める。」のか等、何の時点で「脱」なのかが人によって考えがバラバラで、尚且つ政党によってもバラバラという状況では、票が割れてしまい、「原発推進」的な政策の党へ、割合としては決して高くないけれど、結果として票が集まったという感じではないかと。

自民党がネットを上手く利用した一方、他の既成政党は下手だったという面も在る気がします。特に安倍総裁の場合は「ニコニコ動画」
という“玩具”を手に入れられたのが、嬉しくて嬉しくて堪らない様ですし。

中国や韓国、そして北朝鮮等、余りにも理不尽な言動の国に対して、一般人で憤りを覚える現実は確かに在るでしょうね。斯く言う自分も、其れ等の国に「ふざけるな!」と思う事もしばしば在るし。

でも、だからと言って「シナ人やチョンは出て行け!」みたいな主張は、余りに幼稚。中国人や韓国人の全てが悪い訳では無いのは、日本人の全てが善人という訳では無いのと同様な訳ですし、「国民」を責めるのでは無く、「国」を責めるのが真っ当な事と思うからです。勿論、「国」を責めるにしても、何でも彼んでも悪いというのでは、其れも全く正当性を持たないのは言う迄も在りませんが。
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