① “一山幾ら”といった感じ
先月、「『2013年新語・流行語大賞』を予想 Part1&Part2」という記事を書いたが、昨日、今年の「新語・流行語大賞」が発表された。「『今でしょ』と『アベノミクス』の2語が、大賞を受賞する。」という予想に対し、結果は「今でしょ」、「お・も・て・な・し」、「じぇじぇじぇ」、そして「倍返し」の4語が受賞。2003年に3語が受賞して以降、大賞は1語~2語という形で推移していたので、史上最多の4語受賞というのは意外だった。
個人的には「『今でしょ』と『倍返し』は納得出来るけれど、『じぇじぇじぇ』は人口に膾炙したと迄は言えるのかなあ?其れ以上に『お・も・て・な・し』というフレーズを周りで耳にした事は無く、何か“仲間内の受け”だけで決めちゃった感じがする。」という気が。新語・流行語大賞に権威性なんぞを求めてはいないが、4語の受賞というのは、“一山幾ら”といった感じがしたりも。
興味深いのは、「『御笑いタレント』及び『スポーツ選手』に関連する用語が、例年は其れ其れ、最低でも1語はトップ・テン入りしているのに、今年は1語も入っていなかった。」という点。確かに其れ等の枠で、強烈に記憶に残る用語は無かったけれど、“御義理”で「二刀流」位は入ると思っていたので。
② 全て未読
ミステリー関連の年間ブック・ランキングで、自分が注目しているのは3つ在るのだが、其の内の1つが発表された。
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「2014本格ミステリ・ベスト10【国内編】」(発行元:原書房)
3位: 「リバーサイド・チルドレン」(著者:梓崎優氏)
5位: 「犯罪ホロスコープⅡ 三人の女神の問題」(著者:法月綸太郎氏)
6位: 「アリス殺し」(著者:小林泰三氏)/「戯作・誕生殺人事件」(著者:辻真先氏)
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「本格ミステリ・ベスト10」は、其の名の通り「本格推理小説」を対象にしたブック・ランキングで、概して一般的には馴染みの薄い作品が入っている。「本格派で御座い!」といった感じの作品が得意で無い事も在り、例年「本格ミステリ・ベスト10」に選ばれた作品に未読の物が多いのだけれど、今年は見事に全て未読だった。
1位に選出された事に敬意を表して「貴族探偵対女探偵」、そして面白そうな雰囲気が漂っている事から「アリス殺し」の2作品を、読んでみようかなと思っている。
③ 「情報開示」の重要さ
「不謹慎!」と言われるのを承知で書くが、「“猟奇的な事件が起こった場所”を、実際に自分の目で見てみたい。」という思いが強い。誤解しないで欲しいのだけれど、「猟奇的な事件に魅了される。」というのでは全く無いし、犯罪者を憎む気持ちが在りこそすれ、称賛する気持ちなんか欠片も無い。「猟奇的な犯罪が、どうして起こってしまったのか?」という探究の思いが強く在り、其の場に身を置く事で“自分形の考え”を纏めたくなるのだ。
小説「八つ墓村」の下敷きとも言われる「津山事件」に関し、取り上げた文献を幾つか読了したが、実際に現場に足を運んだ事は無い。実際に足を運んだ方の記事や写真を拝見して、「こういう場所で、彼の事件は発生したのか。」と事件の背景に思いを馳せる。
終戦からそう年数が経たない頃、我が国では幾つかの不可思議な事件が発生した。1949年の夏に相次いだ「下山事件」、「三鷹事件」、そして「松川事件」という、所謂「国鉄3大ミステリー事件」がそうだし、何と言っても有名なのは1948年に発生した「帝銀事件」だ。何の事件にも共通するのは、謎が余りにも多過ぎるという点だろう。
「帝銀事件」の概要は此方を読んで戴ければと思うが、「豊島区に存在した『帝国銀行椎名町支店』を訪れた中年男性が、行員と用務員一家の合計16人に対し、言葉巧みに青酸化合物を飲ませ、多額の現金類を奪った。」という事件で在る。青酸化合物を呑まされた16人の内、12人が死亡。現場は悶死した死体が転がり、「阿鼻叫喚」という表現以外では表せない様な惨状だったと言う。
1959年に刊行された松本清張氏の「小説帝銀事件」。先日読了したのだが、54年前に刊行されたとは思えない程、古さを感じさせない作品だった。事件発生から11年後に刊行されたという事で、事件現場等の描写は非常に生々しい。「銀行」というと「立派なビルの中に在る。」というイメージだが、「帝国銀行椎名町支店」の場合は、質屋の店を銀行が買って支店にしたという事で、石造りの倉を除けば、「木造2階建ての普通の住宅」という佇まいだったらしい。(此方に、“現在の現場付近の様子”が載っている。)「民家が並ぶ一角で、凶悪な犯罪が発生した。」という感じなのだろう。
犯人として逮捕され、死刑判決を受けたのは、著名な画家でも在った平沢貞通元死刑囚。しかし、死刑判決を受けたものの、彼を真犯人とするには余りに疑問点が多い事から、死刑が執行されない儘、獄中に置かれ続けた。無罪を訴え続けていたが、逮捕から39年後の1987年5月10日、彼は獄死する。
真相は闇の中だが、帝銀事件に関する文献を読めば読む程、平沢貞通元死刑囚が真犯人とするには、無理が多い気がする。「小説帝銀事件」を読み、其の思いは強くなった。「小説帝銀事件」内にも記されている様に、帝銀事件は“旧刑訴法による最後の事件”に当該。新刑訴法が「証拠第一主義」で在るのに対し、旧刑訴法は「自白重点主義」だった事が、平沢元死刑囚には大いに災いした点は在ると思う。朝から晩迄、連日、13時間近くも取り調べを受けたというのだから、精神的に追い詰められて「私が遣りました。」と言ってしまっても、決しておかしくない。
又、「情報開示」が余りにも不充分だったというのも、「平沢元死刑囚以外に、真犯人が居る訳が無い。」と多くの人の考えを“誘導”させた要因だろう。平沢元死刑囚が真犯人で無かったとしたら・・・、「国家が1人の人間を“葬り去る”のは、いとも容易な事なのだなあ。」と薄ら寒い思いになる。
「情報開示」とは逆行する流れが、近年強まってはいないか?「特定秘密保護法案」の可決に前のめりな政治家達と、同法案の可決に反対する国民が多数を占めている現実。何か変だ。
アチラ(NHK.今でしょ)を立てればコチラ(TBS.おもてなし)が立たずて感じで4つに大賞とは
個人的には今でしょが大賞だと思うけどNHKにもTBSにもJOCにも気配りしたんですかね(実際は恩を売ったような気が)
これが日本が世界に誇る こ・こ・ろ・づ・か・い
「心遣い」てやつでしょうね
特定秘密保護法案は本当に知る権利を排除して隠す事に必死ですね
機密解除に60年・・・関係者全員死んでますね
その当時は特定秘密にしたけれど数年後にはとんでもない間違ったと分かっても当事者達は解除される前にどうせ死んでるから関係無いよ~と笑ってるかも
特定秘密保護法案反対デモよりヘイトスピーチの方がよっぽどテロなのにそれが分からないのか敢えて知らんぷりしているのか分かりませんがこんな政治家が関わる特定秘密保護法案は怖いです
所詮は一企業が行っているイヴェントですから、どうこう言うのもアレな訳ですが、今年の新語・流行語大賞は例年以上に「何で!?」という感じが在りました。選考委員の1人・やくみつる氏が、「今年は新語・流行語が豊作の年で、ベスト・テンに入った中でも大賞になっておかしくないのが8語在った。」みたいな事を言っていましたけれど、「そうかなあ?」というのが自分の思い。
「単なる絶叫戦術は、テロ行為と其の本質に於いて余り変わらない。」という石破幹事長の発言、「絶叫」を目的としている様な物に関しては、言わんとしている事が判らなくも無いけれど、世論調査等で国民の大半が「特定秘密保護法案」に反対している中、国会では猛スピードで可決に向かっており、其れに対して「何とかしなければ。」と思う国民が「強く訴えざるを得ない。」という現実を考えると、其れ迄も「テロと同質」としてしまうのは余りにも酷い。
法案には「其の他」という表現が非常に多く(30数ヶ所)、詰り此れは為政者によって幾らでも“拡大解釈”が出来るという事。「俺様に反抗するなんて、とんでもない連中だ!」と為政者が思ったら、デモでも何でも取り締まれてしまう可能性が在る訳で、石破発言はいみじくもそういった危険性を露呈させましたね。
「政府の推し進める事に、何でも彼んでも反対する。」というスタンスは嫌いだけれど、少なくとも此の法案は絶対に反対しなければ、将来に禍根を残すと思っています。
其の案件が問題か否かを判断する以前に、其の案件に関する情報自体が“秘密扱い”されたならば、判断する材料自体が国民の目には晒されない儘になってしまう訳です。国家の安寧を維持する為、どうしても秘密にしなければいけない事も、実際に在るとは思う。しかし、こう迄不自然に、他に最優先させるべき問題が在るというのに、前のめりになって可決しようとするのを見ていると、今の政府にとって不都合な事実を封じ込め、政権を少しでも長らえたいという感じにしか思えない。
数の論理で押し通したり、側近を御友達で固めたり、異を唱える人間には逆切れしたりと、安倍晋三という人物は前政権での失敗から何も学べない、実に幼稚な人物だと思います。