ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

「平清盛」の視聴率は何故低いのか?

2012年03月28日 | TV番組関連

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「『平清盛』視聴率12.6% 今年ワーストを更新」(3月26日、デイリースポーツ

 

25日に放送されたNHK大河ドラマ「平清盛」(第12回)の視聴率が、関東地区で前回より0.6ポイント減の12.6%で、今年ワーストを更新した事が26日、ビデオリサーチの調べで判った。

 

昨年放送の「江~姫たちの戦国~」は、13.1%(8月14日)がワーストだった。大河ドラマの視聴率が12%台まで落ち込んだのは2003年「武蔵 MUSASHI」以来、9年振り

 

主演の松山ケンイチは24日に、東京都内で行われた主演映画の舞台挨拶に出席した際に、「平清盛」の視聴率が低空飛行を続けている事に「スタッフキャスト一丸となって遣らなきゃいけない時期に来ている。」と話していた。

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第1回の番組平均世帯視聴率が17.3%と、大河ドラマ史上ワースト3位の数字で放送開始となった「平清盛」。初期の視聴率が振るわなくても、徐々に数字を上げて行くケースが無い訳では無いけれど、大概のドラマは初回の数字が芳しくないと、回を追うに視聴率は下落して行くもの。残念乍ら「平清盛」も、視聴率下落の法則に当該してしまっている様だ。

 

昨年放送された大河ドラマ「江~姫たちの戦国~」、個人的には余り魅了されなかった。「女性が主人公の時代劇よりも、男性が主人公の時代劇の方に面白味を感じる。」という然る事乍ら、全体的に「ワアワア」&「キャアキャア」と騒がしさが目立つ、言い方は悪いが「学芸会的な雰囲気」に馴染めなかったのが大きい。

 

だから2012年の大河ドラマが男性を主人公にした物、其れ過去の記事で触れた様に、若手男性俳優の中では演技力を高く買っている“松ケン”が主役を張るという事で、非常に期待していたのだが・・・。

 

「平清盛」の視聴率は何故低いのか?「西行は元武士で、『佐藤義清(さとう のりきよ)』と名乗っていた。」事を初めて知る等、見ていて「“勉強”になるドラマ」だとは思うし、視聴率程悪い内容とは感じない。だが「『ストーリーの起伏』という点では、単調さを感じる人も少なくないのかな?」という気はする。平安時代」という「雅びさを残した時代」を舞台にしているがたおやかに歌が詠まれたりと、全体的にスローモーなシーンが多く、其の事が結果として単調さに繋がってしまっている嫌いが。

 

高い演技力を買っている松ケンだが、何か空回りしてしまっている感も在る。矢鱈と目をカッと見開いて、勢い込んで喋るシーンが多く、正直見ていて疲れる。「“現段階では”若かりし頃の平清盛という事で、意識してそういった演技をしていて、年を重ねる毎に抑えた演技に変えて行く。」という心積もりなのかもしれないが、周りでは自分と同様に「見ていて疲れる。」という声が少なくないのも確かだ。

 

白河法皇役の伊東四朗氏や平盛国役の上川隆也氏等、演技力の在る役者も登場してはいるが、「こりゃ酷いな。」と演技力の無さを感じてしまう役者も少なくない。嘗ての大河ドラマでは「話題性だけでキャスティングしたとしか思えない、素人演技を見せる役者。」がドッサリ登場し、辟易とさせられる時代が在った。しかし、そういう傾向が徐々に無くなって行き、前々作の「龍馬伝」では総じて素晴らしいキャスティングだったのだが、今回の「平清盛」では再び「話題性だけでのキャスティング」が幅を利かせ出した感が。誰とは言わないが、此処登場した役者の中には、「もっと演技力の在る人間を選べよ。」と嘆いてしまう者が結構たし。

 

平氏の繁栄」、そして「平氏の滅亡」と、ストーリー的には盛り上がりを見せて行っておかしくない、今後の展開。時代劇ファンとしては、視聴率が上昇する事を願っている。


コメント (9)    この記事についてブログを書く
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9 コメント

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>まつ様 (giants-55)
2012-06-28 21:00:39
書き込み有り難う御座いました。

平家の没落は、清盛の死を以って始まった。逆に言えば、清盛は「悲劇」を経験しない儘亡くなったとも言えますよね。勿論、身内の死という哀しみは味わったろうけど、傍目から見た場合の「山在り谷在りの人生の妙」というのが、清盛を軸にした場合は薄い。だから、まつ様の書かれている様な視点でのドラマ作りというのも、面白さは在るでしょうね。

「平家の落人伝説」、全国各地で見受けられます。勝者の側よりも、敗者の側に思いを寄せてしまう性質なので、伝説の地を見て回るのが結構好きです。
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平家主役なら (まつ)
2012-06-28 16:39:03
維盛が主役の「悲劇の公達」を作ったらどうかな?
源氏の義経が結局悲劇的最期を迎えたなら、
平家も没落を背景に、若き武将が命を落とす中、紀伊へ脱落する維盛のその後が見たいです。

後は平家落人伝説を元に…。
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>AK様 (giants-55)
2012-03-29 16:39:43
書き込み有り難う御座いました。

説明過剰でくどくどしい台詞と言えば、橋田壽賀子さんの脚本の特徴ですが、「キッチンで洗い物をし乍ら等、所謂『乍ら族』にもストーリーが判る様に、意図して説明過剰な台詞にしている。」と彼女は説明していました。まあ其処迄は行かなくても、「平清盛」の台詞もくどくどしさを感じる面は在りますね。

大分前より、テロップが多用される番組が多くなった気がしています。視聴者に対する親切な配慮とも言えるのでしょうが、逆に視聴者から「自身で思考する事」を奪っている様に感じたりも。百歩譲って「テロップの多用は仕方無し。」としても、ヴァラエティー番組で「此処は笑う所ですよ!」みたいな感じでテロップ多用されるのは、正直興醒め。

話を元に戻しますが、ドラマでの説明口調も度合次第で、余りにも多用されてしまうと集中力を殺がれてしまうし、視聴者が自分の頭で色々イメージを膨らませて行く事を奪ってしまう様な懸念を覚えます。

「主役は、何も1人じゃなくても良い。」、自分も同感。大好きな大河ドラマ「黄金の日日」も、或る意味「主役が3人居た様な感じ。」(助左、石川五右衛門、杉谷善住坊。)でしたし。

宗教関係の人物を主役に据えるのは、其れは其れで面白そうでは在りますが、其の宗教に対して反感を持っている人も少なくないだろうし、反発を考えるとNHKも二の足を踏むかもしれませんね。
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近所の文芸評論家 (AK)
2012-03-29 12:48:21
参考意見を拝聴に行きましたら、「言葉遣いというか台詞回しが説明過剰で理屈っぽいのがひっかかる」「理屈っぽいのかと思ったら突然幼稚な言葉遣いになってアレレと思う」「盛り上がるかー!と思うと説明過剰セリフでシラケさせる」と言うことでした。

>ナンバー2

たまに見ます。
ダブル主役と言う形もアリでしょうね。龍馬も実質、三菱の人とのダブル主役。古くは草燃える、獅子の時代等々が。炎たつは3部か4部構成でしたね。

個人的に歴史大河小説のドラマ化路線に戻っていただきたいと思います。龍馬伝以降脚本家のオリジナルということですが、これが裏目に出たのではないでしょうか。
五木寛之「親鸞」なんかどうかなーと思います。NHKが好きそうな題材。だけど、特定の宗派がらみは嫌がられるという気もします。
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>AK様&spade様 (giants-55)
2012-03-29 00:06:34
書き込み有り難う御座いました。

視聴率が低い事も在り、「今回の記事には余り反応が無いだろうな。」と思っておりましたので、多くの反応を戴けたのは嬉しい誤算でした。何やかや言っても、大河ドラマへの注目度というのは決して低くないんですね。

後に大ブームを呼んだアニメ「宇宙戦艦ヤマト」も、最初の放送では余り注目されていなかったと言われています。大河ドラマでも幕末を描いた「獅子の時代」は、最初の視聴率は決して高くなかったのだけれど、後に「もう一度見たい。」というディープなファンが出て来たとも。「平清盛」も、そういう意味では後に“化ける”可能性が在るやもしれません。

「武蔵 MUSASHI」と「平清盛」、すい言われてみれば何処と無くテーストが似ているかも。「男臭さ」と言いましょうか、画面から「汗の匂い」を感じてしまう雰囲気と言いましょうか。

spade様が書かれている「ライトノベルみたいな軽い言葉」という譬え、此れは凄く頷けました。特に「演技力が無いなあ。」と感じる役者程、此の傾向が強い感じが在って、集中力を妨げられてしまう。

「こうも低視聴率で叩かれるのだったら、NHKも開き直って“冒険”しても良いのではないか?」という思いが在ります。織田信長や豊臣秀吉、徳川家康、そして今回の平清盛等、大河ドラマも含めた時代劇では何度も何度も主役に据えられた“常連組”。そういう常連組では無く、華は無いかもしれないけれど、余り主役として描かれていない歴史上の人物を主役に据えても良いのでははないかと。そういう意味では来年の大河ドラマ「八重の桜」は、滅茶苦茶メジャーという訳では無い新島八重を主役に据えているので興味を引かれるのですが、女性が主役の時代劇という点が、個人的には心配な所。

BS-TBSで放送されている「THEナンバー2 ~歴史を動かした陰の主役たち」(http://w3.bs-tbs.co.jp/no2/)という番組が大好きで毎週見ているのですが、先日取り上げたのは小栗上野介。随分昔、多くの関心を集めた「徳川埋蔵金伝説」で有名になった人物ですが、彼の経歴が非常に面白かった。1年間を掛けて描くとなると“尺”が長過ぎるかもしれないので、例えば放送期間を半年にするなりして(過去にも、放送期間が5ヶ月だった「琉球の嵐」の様な例も在りますし。)、余り取り上げられていない人物を大河ドラマの主役に据えて貰いたい。
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うーん (spade)
2012-03-28 23:28:45
(最初の方のコメントにいちゃもん、というわけではないから、気にしないでくださいね)

先入観とか「なぜこの人」というのはないかな、と思います。そんなことを言っていたら、そんなのが主役ばかりですしね。江にしても直江にしても「誰?」って感じだったろうし、古くは伊達政宗やら日系アメリカ人、津軽の女医に春日局、日野富子、川上音二郎…。
(山口の議員は正直レベルが低すぎて話しにならない。会津藩士が主人公の「獅子の時代」はどう思っていたのか)

あと清盛が主役というのは吉川英治の原作「新平家物語」以来2度目だし。このドラマは時代劇チャンネルで見たことがあるのですが、同名の大映映画(1955、溝口健二、主演が雷蔵)映画で描かれた清盛の青年期を結構早足で省略している模様(模様、というのは総集編しか残っていないから)。NHKでは人形劇版もやっている。
あと、清盛悪役イメージも最近は少ない。「義経」ではとても良い人になっていた。それに話によっては例えば「政宗」で悪役だったのは秀吉、とか「天地人」では石田三成が良い人?とか視点によって変化するということはさすがに視聴者は分かっているから、「いつも悪役の人が主役なんて~」みたいなレベルの低い話ではないと思うので。(悪役常連の柳沢吉保や井伊直弼の主役の作品もある。余談ですがそのうち田沼意次やってくれないかなというのが自分の希望^^)

ベストセラー吉川版「新平家」があるから、今回のがやりづらいのではないかな、と思います。映像の重厚さに反してセリフが妙に現代的で理屈っぽいし、そのわりにはライトノベルみたいに軽い言葉なのが鼻につく、というのが自分の感想。
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武蔵と清盛 (AK)
2012-03-28 16:11:33
言われてみると挙がっている「武蔵」と清盛はムードが似ています。なんていうのかな…、今時にしてはハードなんです。頭の悪い書き方ですが、なんといいますか、対照例としての「江」とは真逆といいますか…。

とりあえず、印象といいますか感想ですが、「江」みたいなのや篤姫、もっと前だと「加賀百万石」のような(あえて悪い言葉で書きますが)「女子供」向け話のようなものが「女子供」ではない一般の中年男性が好むようになっているという印象を受けています。
例えば「風林火山」は中高年男性の一部に受けましたが、一般的にはそれほどではなかったと思います。この作品は伝統的大河ドラマ調でありつつ「ハード」な雰囲気でした。(伝統的大河調だったので習慣と言おうか惰性といおうかという態度で見ている高齢視聴者にも受けた)
一方「龍馬」はかなり挑戦的でした。ゆえに周囲の保守的(習慣/惰性で見ている)視聴者には不評でした。この手の人は「江」には好意的でした。私にはそれが不思議でしたが、96年?の「秀吉」や「百万石」、篤姫を経ているので特に「学芸会」とも思わず、「わかりやすい」と思って楽しく見ているようでした。
しかし龍馬は従来大河を見ない人が見ていたのでそれほど低視聴率ではなかったと思います。

今回については
登場人物が多くややこしい

鬱屈した雰囲気が延々と続く(竜馬も初期はそうであったが、カタルシスというか明るさがあり、救われる物があったが、今のところ清盛にはそれはない)

やはり視聴率がパッとしなかった「坂の上の雲」の流れ(習慣として見る主義の女性中高年視聴者が「坂の上~」は見なかった。清盛も「男臭い印象」を番宣から感じて、ついつい敬遠)

…このあたりかなあ?と感じています。

ネット右翼が騒いだ「王家」表現は正直言って大多数の視聴者には何も影響を与えていないでしょう。

>目をカッと見開いて、勢い込んで喋るシーン

伝統的大河ドラマ演技と思いますが、彼のような若い人がやると合わないかもしれないですね
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>青空百景様 (giants-55)
2012-03-28 11:29:33
書き込み有り難う御座いました。今回は此方にレスを付けさせて貰います。

「佐幕派」と「倒幕派」、「源氏」と「平氏」、「東軍」と「西軍」等々、対立軸が在る場合に何方かをメインにした内容だと、其れを支持するか否かは結構割れるでしょうね。

それどころか、何方かを支持していたとしても、其の中身次第でも割れる場合が在りましょう。例えば自分の場合は「滅びた側に肩入れしたくなる。」癖が在り、「佐幕派」と「倒幕派」で言えば「佐幕派」に肩入れしたくなる。でも新選組は、其の“性格”が好きじゃない。実に複雑です。
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かつての「新選組!」などを思い合わせると (青空百景)
2012-03-28 09:42:18
「先入観」の力は結構大きいような気がします。
「組!」の時は山口県選出の議員がわざわざ国会で「何で新選組などを大河ドラマの主役にするのか!」と噛みついたほどでしたし、佐幕派ファンは佐幕派ファンで『燃えよ剣』の悪影響というべきか(爆)、「何で近藤勇が主人公?」という声もありました。
源平合戦にも同じことは言えるんじゃないでしょうか。「何で清盛が主人公?」という人は決して少なくないでしょう。
でも総じて大河ドラマが面白くなる時というのは、「組!」や今回のような「人口に膾炙している善玉・悪玉の構図に単純に乗っからない時」だと個人的には思っています。
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