ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

「白銀ジャック」

2011年05月26日 | 書籍関連

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「我々は、何時何処からでも爆破出来る。」。年の瀬のスキー場に脅迫状が届いた。ゲレンデの下に爆弾を埋めたと言うのだ。

 

警察に通報出来ない状況を嘲笑うかの様に繰り返される、山中でのトリッキーな身代金奪取。雪上を乗っ取った犯人の動機は金目当てか、それとも復讐か。全ての鍵は、1年前に血に染まった禁断のゲレンデに在り。今、犯人との命を賭けたレースが始まる。

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東野圭吾氏の作品「白銀ジャック」は、昨年10月に文庫として刊行された。「実業之日本社文庫」創刊記念という景気付けも当然在ろうが、東野氏の様な人気作家の作品が単行本化を踏まずに、いきなり文庫化されるというのには、「其れだけ“活字本”が売れなくなっているのかなあ。」と寂しい思いが。

 

学生時代にはスキーを頻繁に行い、44歳にしてスノーボードにも目覚めたという東野氏。だからスキー場を舞台にした「白銀ジャック」は、彼にとって自家薬籠中の物と言える。スキーもスノーボードもしない自分には、描写の一つ一つに目新しさが在った。

 

犯人と動機に関しては、ほぼ100%当ててしまった。「そんな馬鹿な事が在り得るか!」と思う様な出来事が、現実として普通に起こってしまう昨今だけに、「非現実的な動機」と思える事も想像出来てしまうのが怖くも在る。

 

疑問に思えたのは“犯人の1人”が捕まった際、苦笑の表情を見せたという点。或る出来事により良心呵責苛まされていたにしては、一瞬とはいえ苦笑の表情を見せるというのは妙な気がしたから。後に「滂沱するシーン」が在っただけに、余計に違和感覚える

 

総合評価は星3つ


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