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「ザリガニの一歩に『意志』 北大研究員が解析」(8月27日付け東京新聞【夕刊】)
ザリガニが自ら歩き出す時、或る種の「意志」を持って行動している事を示す神経活動が起きる事を北海道大の加賀谷勝史・学術研究員(行動生理学)が解析した。動作の原理を明らかにして行く事で「将来は、自分の意志で想定外の事態に対応出来るロボット等への応用も出来るかもしれない。」と期待している。
米誌サイエンスに4月迄に発表した論文等によると、ザリガニが“自発的”に歩き出す場合、1~2秒前から頭部に在る約3ミリ四方の脳から、胸部に向かう神経細胞の中で「運動準備電位」という信号が出ている事が判った。
「今後、前に進む時と後ろに進む時との違い等、動物の多様な行動メカニズムを更に解明して行きたい。」と話している。
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此の記事を最初に“流し読み”した際、「『ザリガニが自ら歩き出した時に、或る種の意志を持って行動しているのが判った。』っていうのは、そんなに記事になる程の事なのかなあ?」と思った。ハッキリ言って「大した事じゃないでしょ。」と“軽く考えた”訳だが、もう一度ジックリ読み直し、自身の浅はかさを痛感。
「事前に決められた通りに動く“だけ”のロボット」では無く、「自分の意志で、“想定外の事態”に対応出来るロボット」というのが、先ずは“技術的に”作り上げるのが難しいだろう。仮に作られたとしても、「可成り複雑な仕組み」が必要と思われていたが、「“比較的構造が単純”なザリガニに、(人間と同様の)神経細胞同士の情報伝達をするシナプスで繋がったネットワークが在り、自発的な活動を促している。」という事で在れば、「非常にシンプルな構造で、想定外の事態にも自発的に対応出来るロボットが作られる可能性が出て来た。」という事になろうから、此れは凄いニュースと言っても良い。
「蜂の巣」から「最強の構造体」とも言われる「ハニカム構造」を、又、「蝸牛の殻」が汚れ難い事から「防汚効果の在る建物の外壁等」を開発する等、人類が自然界から応用した技術は結構在る。今回の発見も、凄い開発に繋がってくれると嬉しいが。