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地球温暖化により北極を覆う海氷の縮小傾向が続き、絶滅の恐れが指摘されている北極熊の生存が、一層の危機に晒されている。北極の海氷は2012年夏に観測史上最小を記録。専門家からは、「人工的な給餌や本来の生息地からの移動等、抜本的な対策を取らなければ、絶滅から救えない。」との声も出始めている。
北極圏に生息する北極熊の現在の推定個体数は、約2万2千頭。北極海を中心に広がる氷の上で、主に海豹を捕食するが、夏の間は氷が解けて縮小し、狩りが出来なくなる為、沿岸部の陸地で殆ど絶食して過ごす。秋に海氷の凍結が始まると、再び北上して海豹を捕るのが毎年の生活サイクルだ。
しかし、夏でも解けずに残る北極の海氷が最近、温暖化の影響で減少し、絶食期間が長期化。米雪氷データ・センター等によると、2012年9月には海氷が1978年に観測を始めて以来、最小の341万平方km迄縮小。2013年11月の海氷の面積は、過去35年で6番目に小さい水準に留まった。
北極周辺で夏に氷が無くなる期間も長期化している。英紙「ガーディアン」によると、北極熊生息の南限とされるカナダのハドソン湾では過去30年間、氷の無い時期が1年に約1日ずつ伸びており、2012年には年間143日に達した。専門家等は、「此れが160日間に達すれば、北極熊は生き残れない。」と予測していると言う。
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地球の環境変化により、多くの生物が影響を受けている。環境変化に人類が関与している部分も少なく無いと考えられ、各国がより真剣に対策を講じて行かなければ、絶滅する生物は増える一方で、延いては其の事が、人類に大きな災いを齎すだろう。