ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

JR東日本の駅構内から消えて行っている物

2022年05月11日 | 時事ネタ関連

AERA(4月25日号)に、「消える駅のシンボル」という記事が載っていた。

JR中央本線大月駅山梨県大月市)では、改札を抜けた先に在る列車案内板が2つ設けられているのだが、其の間には嘗てアナログ時計が設置されていたと言う。其の時計が、何時の間にか無くなっていた。大月市役所総務部長によると、今年1月、市民から「駅の時計が無くなっている。」と連絡を受け、調べてみた所、「市内に6ヶ所在るJRの駅全てで、時計が撤去されていた。」事を確認。「時計が無くて不便を感じる。」等の苦情が市民から数件届いている事から、直ぐに大月駅に対し「時計を戻して欲しい。」と口頭要望するも、回答は無かったそうだ。

大月市議会も2月25日、「時計を撤去し、サーヴィスを低下させた。」と遺憾表明し、時計の再設置を求める決議を賛成多数で可決市の小林信保市長等は3月30日、東京都JR東日本八王子本社を訪れ、時計の再設置を求める要望書を提出した。

JR東日本広報部は駅から時計が撤去された理由に付いて、スマホ等の普及により、多くの御客様が御自身で時間を確認する手段を御持ちで在る事、保守メンテナンスの負担軽減等を総合的に勘案して、“一部の駅構内”の時計の設置を見直す事にしました。と説明。

「具体的に、何の駅の時計を撤去するか?」は、乗車人員や時計自体の老朽度合い、保守メンテナンス軽減等を総合的に判断して決めるそうで、JR東日本管内で実施。1,626駅の内、約30%の約500駅が当該昨年11月から開始し、此れ22駅(山梨県:20駅、神奈川県:2駅。1月26日時点。)で行われ、今後10年近く掛けて、残りを取り外して行く計画。

駅の時計は、簡易電波時計とは異なり、自動で時刻を修正する高精度な時計。なので、時計設備の維持管理や更新費用で年間4億程度が掛かり、撤去する事で年間約3億円の経費削減繋がるとか。撤去した時計、一部状態が良い物に付いては必要なメンテナンスを行った上で、販売も検討している。

確かに自分も時間確認はスマホ画面で行うし、駅構内から時計が無くなったとしても「絶対に困る。」という訳では無い。又、JR東日本が経費削減に励むのも判らないでも無い。でも、「駅構内は公共の場で在り、全ての人がスマホや時計等を持っている訳では無い事を考えると、時計を完全撤去してしまうというのはどうかな?」という思いも在る。

「大企業のJR東日本なのだから、こんなみみっちい事をしなくても良いのに。」という声も在りそうだが、「コロナで、多くの鉄道会社旅客収入は激減している。」という現実が在る。JR東日本の場合も例外では無く、昨年3月期の最終的な儲けを示す純損益は5,779億円の赤字で、1987年の国鉄民営化後では初の最終赤字となった。更に、今年3月期の純損益も1,600億円の赤字が見込まれていると言う。そういう状況を考え合わせると、「みみっちい。」と言われ様が、「駅構内から時計を撤去する。」という経費削減策が講じられるのも、止むを得ないのかも知れない。


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