ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

「新章 神様のカルテ」

2019年04月23日 | 書籍関連

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信州に在る「24時間365日対応」の本庄病院に勤務していた内科栗原一止(くりはら いちと)は、より良い医師となる信濃大学医学部入局する。消化器内科医として勤務する傍ら大学院生としての研究も進めなければならない日々も、2年が過ぎた。

矛盾だらけ大学病院という組織にも、其れなり順応している積りで在ったが、29歳の膵癌患者の治療方法を巡り、局内の実権掌握している准教授・宇佐美(うさみ)と激しく衝突してしまう。
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現役の医師で在り、小説家でも在る夏川草介氏。彼が著した「神様のカルテ・シリーズ」は映画化される等、大ヒット作となっている。今回読了した「新章 神様のカルテ」は、シリーズの第5弾。信州の「本庄病院」で地域医療従事していた一止だが、今回の作品では信濃大学医学部に入局し、大学院生として学びつつ、消化器内科医としても勤務している。又、小春という娘を授かり、今回の作品から登場している。

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元来医療というものは、が人の命を左右するという無茶な使命負わされている。かかる乱暴な礎石の上に、理不尽不条理と矛盾の三本柱を立て、権威という大きな屋根をかけたのが大学病院だ。もとより基礎も柱もゆがんでいるのに、屋根だけは格別巨大であるから、様々なところにひずみ生じて、まことに いびつ建造物化しているのである。
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“病院”といっても、一般の病院と大学病院とでは、結構な違いが在る。患者を治療する、もっと言ってしまえば「患者の命を救う。」というのは同じなれど、“救う基準”が大学病院の場合は、より厳格の様だし、権威に基づくヒエラルキー確立されている事も、医療行為という本来の仕事以外に、余計な気を使わせる所だろう。此の辺の詳しい事情は、実際に読んで貰えたらと思う。

病院というのは、或る意味“人間社会の縮図と言って良い。新たに生れ落ちる命が在れば、消えて行く命も在る。又、消え掛かっていた命が、再び蘇りもする。喜怒哀楽渦巻く場で、医師達は日々葛藤する。

生き死にという物を、深く考えさせられる作品だ。「良かった・・・。」と喜びを覚える展開も在れば、小説の中の話とはいえ、何とも言えない理不尽さに胸が痛くもなる。

「最近、読了した小説への総合評価が高くなっている傾向が在る。」ので、「困ったなあ・・・。」という思いは正直在ったが、でも、良い作品は良い。総合評価は、星4.5個とする。


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