子供の頃、家族旅行の移動手段は、車が100%だった。親が運転し、可成りの遠距離を訪れる事も珍しく無かった。当時のガソリン・スタンドは日曜日が定休日の所が結構在り、「運転中にふっと燃料計を確認するとガソリン残量が殆ど無く、真っ青になって開いているガソリン・スタンドを捜し捲っていた両親の姿。」を覚えている。
「出光興産」や「昭和石油」、「シェル石油」、「日本石油」、「三菱石油」、「九州石油」、「共同石油」、「ゼネラル石油」、「エッソ石油」、「モービル石油」、「三井石油」、「大協石油」、「丸善石油」、「キグナス石油」等、嘗ては数多くの石油元売会社が日本には存在した。然し、何時の頃からか気付いてみれば、ガソリン・スタンドは「ENEOS」が殆どとなった。少なくとも関東圏は、そんな感じだ。
「主要商品で在るガソリンを中心とする需要の減少。」により、嘗てはあんなにも多かった石油元売り会社が集約化されて行ったと言う。(20世紀末には5万6千店舗を超えるガソリン・スタンドが存在したが、現在は約3万4千店舗迄減少したそうだ。)「集約化して行く事で経費削減を図り、経営改善の道を探る。」という事だ。
現在、石油元売会社は「ENEOS」、「出光興産」、そして「コスモ石油」という“大手3社体制”となっている。(他にも存在はしているが。)最新のデータによると、此の3社の売上高は「1位:ENEOS(約12兆7,064億円、2位:出光興産(約9兆4,562億円、3位:コスモ石油(約2兆7,918億円)」との事。「見掛ける頻度からすると、意外に出光興産は売り上げが在るんだなあ。」というのが、自分の思いだ。
で、石油元売会社の再編の歴史を調べてみた所、此方に詳しく紹介されていた。「2020年7月現在」の物だが、其れを纏めると次の通り。
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「石油元売会社の再編(2020年7月現在)」
① ENEOS:日本石油+三菱石油+九州石油+日本興業(精製)+共同石油+東燃(精製)+ゼネラル石油+エッソ石油+モービル石油+三井石油
② 出光興産:出光興産+昭和石油+シェル石油
③ コスモ石油:大協石油+丸善石油
④ キグナス石油
⑤ 太陽石油
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数年前に免許返納したので、ガソリン・スタンドが現在どうなってるのか関心がなかったのですが、そんなに少なくなってたとは知りませんでした。
車社会が到来した昭和40年代以降は、石油会社がどんどん増えて行ってたイメージがあります。
テレビのCMでも、モービル石油の、鈴木ヒロミツが車を押してる絵に♪のんびり行こうよ俺たちは♪の歌がかぶさるCMや、丸善石油の、小川ローザのスカートがめくれるオー、モーレツ、などが一世を風靡した時代がありましたね。
その他でも共同石油の100メートル世界記録保持者のベン・ジョンソンや、コスモ石油の爆風スランプといった具合に、石油会社のタレント起用CMが花盛りでした。
石油会社の再編が進んで、上記のうちで今も名前が残ってるのはコスモ石油だけですか。寂しいですね。
さらに今後、EV車や水素自動車が普及してくれば、そのうちガソリン車そのものがなくなるかも知れませんし、ガソリン・スタンドもいずれは「電気スタンド」(卓上のアレと紛らわしい(笑))や「水素スタンド」にとって代わる時代が来るのでしょうね。そうなった時、石油会社はどうなってるのでしょうか。気になります。
実は今回のテーマ、ずっと記事にしたいと思っておりました。と言うのも、自分は正に“車社会到来”を幼少期に経験し、「家族旅行の手段=車」という人間でしたので、ガソリン・スタンドとは非常に密接な関係に在りましたので。
Kei様が書かれた石油元売り会社のCM、何れも印象深いです。昔は普通に流されていましたが、近年はさっぱりですね。其れだけガソリン・スタンドが淘汰されて来ている証左なのかも知れません。