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「『ルパン三世』銭形警部役 納谷悟朗さん死去」(3月11日、スポニチ)
アニメ「ルパン三世」【動画】シリーズの銭形警部役等で知られる声優で、俳優の納谷悟朗(なや・ごろう)さんが5日午前3時、慢性呼吸不全の為、千葉市内の自宅で死去した。83歳。北海道出身。11日に所属事務所の「テアトル・エコー」が発表した。
葬儀・告別式は近親者のみで行い、後日御別れの会を開く予定。喪主は妻で俳優の火野カチ子(ひの・かちこ、本名納谷捷子=なや・かちこ)さん。
1950年代に俳優としてデビュー。1959年に「テアトル・エコー」所属後、俳優として活躍する傍ら、外国映画の吹き替えで人気となり、クラーク・ゲーブル、チャールトン・ヘストン、ジョン・ウェイン等の声を担当した。低音の渋い声が魅力で、他にアニメ「宇宙戦艦ヤマト」【動画】の沖田艦長、仮面ライダー・シリーズのショッカー首領役等も演じた。
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胃癌にて胃の殆どを摘出されてから、体力的な衰えが顕著となったという事で、2000年代後半以降は耳にする機会が減っていたが、納谷悟朗さんの独特の声は、実に味が在った。
ハリウッド・スター達の吹き替え、銭形警部や沖田艦長等のアニメ・キャラクターの声、「新造人間キャシャーン」【動画】等でのナレーション、俳優業、舞台演出家等、多くの顔を持つ納谷氏だが、個人的には「仮面ライダー」【動画】に於ける「ショッカー首領の声」のイメージが一番強い。*1
【ショッカー首領】
「仮面ライダーの大幹部達の今 Part1&Part2」等、過去に何度か書いているが、自分は“昭和の”仮面ライダー・シリーズで育った世代。第1弾の「仮面ライダー」から始まり、第5弾の「仮面ライダーストロンガー」【歌】の初め辺り迄見ていた。
「仮面ライダー」には“悪の組織”として「ショッカー」及び「ゲルショッカー」が登場するのだけれど、其れ等を統べる存在がショッカー首領で、鷲がレリーフされた“ショッカー・マーク”と共に、納谷さんの声が響き渡ると、何とも言えない高揚感を覚えたもの。
【ショッカー・マーク】
仮面ライダー・シリーズで、一番夢中になってみていたのは、第2弾の「仮面ライダーV3」【歌】。悪の組織として登場するのが「デストロン」で、此の組織を統べていたのは消滅したショッカー及びゲルショッカーのトップで、死んだと思われていたショッカー首領だった。声は矢張り納谷さんが担当。以降、昭和の仮面ライダー・シリーズには幾つもの悪の組織が登場するが、第6弾の「仮面ライダー (スカイライダー)」【動画】の「ネオショッカー」迄、納谷さんは首領の声を担当し続けた。
「首領の中の首領」、そんなイメージが在る納谷さんが亡くなられたというのは、本当に哀しい。合掌。
「仮面ライダー」の放送開始は1971年で、もう42年も前の事。其の関係者には、物故者も少なく無い。原作者の石ノ森章太郎(当時は「石森章太郎」)氏、脚本を担当していた市川森一氏、企画を担当していた阿部征司氏、監督を担当していた山田稔氏等々、スタッフにも多くの物故者が見受けられる。
レギュラー&準レギュラーとして出演されていた方では、立花藤兵衛(通称:おやっさん)役の小林昭二氏、ゾル大佐役の宮口二郎氏、死神博士役の天本英世氏、地獄大使役の潮健児氏、そして「仮面ライダー、本郷猛(乃至は一文字隼人)は改造人間で在る。」【声】というナレーションで御馴染みの中江真司氏等が、既に鬼籍に入られている。
【立花藤兵衛】
【ゾル大佐】
【死神博士】
【地獄大使】
ゲスト出演者では、第1話で緑川博士役を演じた野々村潔氏を始めとし、池田隆三役(第8話)の高津住男氏、リング・アナウンサー役(第16&17話)の大泉滉大先生(大好きだった脇役の1人。)、勝丸功役(第63話)の成川哲夫氏(「スペクトルマン」【動画】の主人公・蒲生譲二役でも有名。)、番頭役(第72話)の畠山麦氏(「秘密戦隊ゴレンジャー」では初代・キレンジャー事、大岩大太役を演じていた。)等が亡くなられているが、今回の記事を書く上で色々検索して初めて知ったのは、第23話に大隅博士役として出演していた伊豆肇氏が、物故者という事実。此方の情報によると、8年前の2005年に88歳で亡くなられていたと言う。
「伊豆肇氏って誰?」と思われる方も少なくないだろう。リアル・タイムに彼が演じている姿を見ていた方でも、名前から顔等を思い出せる人は少ないかもしれない。でも、「『人造人間キカイダー』【歌】及び『キカイダー01』【歌】で光明寺博士役を演じていた人物。」と言われれば、「嗚呼、彼の人か!」と思い出す人が多そう。
【光明寺博士】
映画「青い山脈」等に出演されていた俳優だが、特撮番組では博士役を良く演じていた人というイメージが、個人的には強い。「人造人間キカイダー」では“記憶を失った”光明寺博士をずっと演じていたけれど、“棒読みの演技”が堪らなく、6年前の記事「忘れじの特撮の脇役達 Part2」でも触れた様に、忘れられない俳優の1人で在った。
当ブログを立ち上げ(2004年)て以降、キカイダー関連の記事を書く度に、伊豆氏の事をWikipedia等で確認し、「未だ御存命という事で、良かった。」と喜んでいたのだが、ブログを立ち上げた翌年に亡くなられていた事になる。此れ又、哀しい話だ。合掌。
*1 納谷氏と言えば「ウルトラマンA」【動画】で、ウルトラマンAの声も担当されていた。「シェアッ!」とか「テェ~ン!」といった迫力の在る掛け声も然る事乍ら、最終回でウルトラマンAが子供達に訴えた「優しさを失わないでくれ。弱い者を労わり、互いに助け合い、何処の国の人達とも友達になろうとする気持ちを失わないでくれ。仮令其の気持ちが何百回裏切られようと。其れが、私の最後の願いだ。」【動画】という台詞が忘れられない。
パイオニアのレーザーディスク・プレーヤー、自分も所有しています。正確に言えば「カラオケ・セット」で、記憶違いで無ければ初ボーナスで、家電量販店にて購入した物。格安で売られていたので購入したのですが、何度か使ったものの、「音漏れがして、近所に迷惑を掛けそう。」と自主判断し、以降は全く使わなくなった代物。処分しようにも余りに馬鹿デカく、埃を被った儘、室内に鎮座している邪魔物と化しています。肝心なレーザーディスクも、カラオケ版以外に映画版も何枚か所有していたのですが、此方は全て売却してしまいました。プレミアが付いて高く売れれば良いのですが、「マイク一体型のカラオケ・セット」が主流の昨今、こんな馬鹿デカいカラオケ・セットが欲しいなんていう人も居ないだろうし、ほとほと困っている状態。
第1シリーズに愛着を感じている者にとっては、「カリオストロの城」は「ルパン三世」とは別物という感じが、どうしてもしてしまいますね。確かに絵は綺麗だし、銭形警部の「奴は、とんでもない物を盗んでいきました。貴方の心です。」という台詞は、名言中の名言とも思うだけれど・・・。
今頃は、初代ルパンの(声を担当した)山田康雄氏と、天国で一献傾け乍ら、話に花を咲かせている事でしょう。
上野に西郷隆盛像が完成し、公開の式典が行われた際、招待された隆盛夫人の糸子が「宿んしは、こげんな御人じゃなかったこてえ。(うちの主人は、こんな御人じゃなかったですよ。)」と口にしたのは有名な話ですが、「ルパン三世」に関して言えば「第1シリーズ以外は、『ルパン三世』じゃ無い。」というのが、自分の気持ちです。第2シリーズも悪くは無いのだけれど、絵柄と哀愁を帯びたストーリー等が、第1シリーズは秀逸と思うからです。特に第3シリーズ以降の「ルパン三世」は“悪い意味で”アメコミ調で、見る気も起らなかった。ファンの方には申し訳無いのだけれど・・・。
そんな訳で、第1シリーズが大好き。数年前にCS放送で第1シリーズが全話放送されたので、其の時に保存版としてDVDに録画しました。何度も見ていますが、第1シリーズは良いです!
子供の頃に夢中になった作品に関わった方が亡くなったと聞いたり見たりすると何故か「あぁ俺も歳を取ったな」と思います
やはりファーストルパン三世を見てた世代としては懐古主義者と言われようともオリジナルの声優さんがベストと思っちゃいますね
(セカンドの二代目不二子や二代目五エ門も好きです)
たまにオリジナル声優しか認めないと言う人が居ますが素晴らしい作品を後世に残そうと思うなら致し方無いですよね
五十年後もルパン三世は活躍していて欲しいです(まぁ俺は当然死んでると思うけど)
何故かレーザーディスクのファーストルパン三世全巻とVHSテープのセカンドルパン三世全巻を持っています・・・時代はBlu-rayもしくはDVDなのに(T_T)