昭島市の場合

しばしば御邪魔させて戴いているサイトで、面白い話を目にした。９月１１日に投開票される衆議院選挙に関して、東京都昭島市の選挙管理委員会が投開票所として市内のホテル使用を決定したのだとか。投開票所にホテルが使われるというのも異例だが、今回の選挙が唐突のものであった事や、元々秋のイベントが立て込んでいる時期だった事から、これ迄投開票所として使用して来た小学校の体育館に先約が入っていた為の窮余の一策という事。

面白いと思ったのは、投開票の場所がホテルになったという事ではない。この窮余の一策が、思わぬ経費削減に繋がったという事に在る。無料で使用出来る体育館よりも、使用料を払うホテルの方が経費削減になる不思議さ。その種明かしは次の様になっている。

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[体育館使用の場合] 　合計：　約１７５万円
　・　使用料　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　無料
　・　冷房装置設置費　　　　　　　　　　　　　　　約１５０万円
　・　机や椅子等の備品の搬入・搬出費　　　　約　１５万円
　・　前日から準備に当たる市職員の人件費　 約　１０万円　　
　
[ホテル使用の場合]　合計：　約５０～６０万円
　・　使用料も含めた全額　　　　　　　　　　　　 約５０～６０万円
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つまり、無料の公共施設を使うよりも、有料の民間施設を使った方が経費が３分の１程になる訳だ。ホテルの場合、冷房装置の設置は不要で在り、又事前の諸準備もホテルマンが行なってくれるという事で、その費用も削減出来るという事らしい。そして、ホテルからこの使用料に見合った法人税も税収として転がり込んで来るのだから市役所としては万々歳の話ではないだろうか。

「たかが１１０万円強の経費削減じゃないか。」と言う人も居るだろう。しかし、たかが一市役所のそれも一つの事項でこれだけの経費削減が出来るので在れば、日本全国ではどれ程の削減が図れるかを考えても良いのではないか。

「頭と道具は使い様。」とは全く以って良く言ったものだ。