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「月の地下に長さ50kmの空洞 探査機『かぐや』で判明」(10月18日、朝日新聞)
月の地下に、長さ約50kmに及ぶ長大な空洞が在る事が、日本の月探査機「かぐや」の観測データから判明した。過去の火山活動で生じたと見られる。宇宙航空研究開発機構(JAXA)が18日、発表した。
空洞が在るのは、月の表側に在る「マリウス丘」と呼ばれる領域。2009年に観測を終えたかぐやが撮影した画像に、直径と深さが其れ其れ50mの縦穴が写っていた。
電波を使って得た周辺の地下構造のデータを、2016年から詳しく調べた所、此の縦穴から西に向かって、幅100m程の空洞が約50kmに亘って続いている事が判った。内部は崩壊しておらず、地中の岩石等に氷や水が存在する可能性も在ると言う。
月では約10億年前迄、大規模な火山活動が在ったと考えられている。火山活動で溶岩が流れ出ると、表面は冷えて固まるが、内部は熱い儘、流れ続ける。発見された空洞は、溶岩の通り道となった「溶岩チューブ」と見られる。
将来、月の有人探査で此の空洞を基地に利用出来れば、宇宙放射線や厳しい温度環境の影響を和らげる事が出来、氷や水を燃料等に活用出来る可能性が在る。
JAXA宇宙科学研究所の春山純一助教は「広がりが期待出来る縦穴は、他にも在る。将来的に基地を作るにも、絶好の適地。」と話している。
論文は米地球物理学連合の専門誌「ジオフィジカル・リサーチ・レターズ(電子版)」に掲載された。
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人類が月面着陸したのは、1969年7月20日の事。其れから48年経つ訳だが、「月には未だ未だ、人類が知らない事が在るのだなあ。」と改めて思い知らされる。
月で人類が生活するには、多くの問題が存在すると言われている。元記事にも在る様に、宇宙放射線や厳しい温度環境、燃料の問題もそうだが、今回の長大な空洞が基地に転用可能となれば、解決への糸口になる事だろう。