精子提供は匿名で

４月２９日に書いた「ＡＩＨとＡＩＤ」で、他者の精子を用いて人工授精を行なうＡＩＤに付いて、幾つかの問題点が存在している事に触れた。その一つが、生物学上（遺伝上）の父親の事を知りたいとする子供（その逆のケースも在ろうが。）に対して、どの様な対応をすべきかというものだった。

ＡＩＤ先進国のアメリカ等でも、この件は社会問題化しており、日本に於いても「１５歳以上の子供に、自らの出自を知る権利を認め、希望に応じて”遺伝上の父”の氏名や住所を開示すべき。」という考えが出て来ていると書いたのだが・・・。

昨日、こんな記事が載っていた。ＡＩＤで精子提供した人の３分の２が「子供が自分に会いに来る可能性を言われたら、提供しなかった。」と考え、「提供は匿名のままが良い。」と考える人も９０％近くも居たという意識調査の結果。

子供を望みながらも叶わない夫婦の為に、人助けとして提供したものの、面倒に巻き込まれる可能性は極力絶ちたいという思いが在るのかもしれない。別に家庭を構えているならば、その懸念は理解出来る。記事にも書かれているが、この結果は今後の法整備に少なからず影響を及ぼすだろう。