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東京・町田の御当地ヒーロー、マチダーマン。其の運営会社で働く志村弾(しむら だん)は、或る日、TVのニュースを見て衝撃を受ける。町田で少年が誘拐されたが、何者かが誘拐犯を殺害し、少年を救出。助けられた少年が「正義のヒーロー」として描いた絵は、嘗て志村がデザインし、御蔵入りになった筈のヒーロー・スーツだった!周囲は空似だというが、志村が悶々とする中、第2の事件が起き・・・。
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第21回(2022年)「『このミステリーがすごい!』大賞」の隠し玉に選ばれた小説「爆ぜる怪人 殺人鬼はご当地ヒーロー」。著者のおぎぬまX氏は元御笑いタレントで在り、ギャグ漫画家としても活動しているそうだ。
「爆ぜる怪人 殺人鬼はご当地ヒーロー」の舞台は東京都町田市で、MHF(マチダ・ヒーロー・ファクトリー)という会社の社員・志村弾が主人公。MHFは元々小さな映像製作会社だったが、現在は御当地ヒーロー「マチダーマン」の制作を主に行っている。志村は其のMHFでデザイン部に所属しているのだが、嘗て彼がデザインし、御蔵入りした“正義のヒーロー”が殺人事件を起こした事を知り、事件を調べる事に。
登場人物達は皆個性的で在り、非常にキャラ立ちしている。又、一部ネタバレになってしまうが、「志村の風貌が、謎解きをする上で大きな意味合いを持つ事になる。」という設定は、中々面白いと感じた。
志村が謎解きをする上での“論理的破綻”は無いのだけれど、全体的に“漫画的な匂い”を感じてしまうのは、著者がギャグ漫画を手掛けている事が大きく影響しているのだろうか。そういった感じが在るので、今一つ作品世界に入り込めなかった。
総合評価は、星3つとする。