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月曜日、4人の男達に、各人各様に降り掛かった災難。男達は危機を回避すべく、其れ其れに大金を得様と、俄仕込みの罠を巡らす。複数の詐欺が輪舞する1週間が幕を下ろす時、明らかになる鮮やかな結末とは?
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小説「ブレイクスルー・トライアル」にて、第5回(2006年)「『このミステリーがすごい!』大賞」の大賞を受賞した伊園旬氏。此の作品に対して自分は、総合評価「星2.5個」を付けたが、実は彼、第4回(2005年)「『このミステリーがすごい!』大賞」で最終候補作に残っている。其の作品が、今回読んだ「週末のセッション」で在る。
「犯罪を題材にしたコメディー。」を、「クライム・コメディー」と呼ぶ。伊坂幸太郎氏が十八番とする分野でも在るが、「週末のセッション」は典型的なクライム・コメディーだ。
作品には4人の男達が登場し、其れ其れが保身の為に詐欺を行おうとする。偶然知り合った彼等は、其れ其れに知恵を絞って騙そうとするが、最後の最後には・・・というストーリー。
“設定”としては、面白い内容に成り得たと思う。でも、結果としては、全然面白くなかった。其の理由は、色んな意味で“深み”が無いから。キャラクター設定、キャラクター達との繋がり、ストーリー展開等々、“主に不自然さに起因する深みの無さ”が、致命的に作品を詰まらなくさせている。
「ブレークスルー・トライアル」も詰まらなかったけれど、「週末のセッション」は更に詰まらない。申し訳無いけれど、こんな作品が最終候補に残った事が理解出来ない。
総合評価は、星2つが良い所だ。