「親よりも早く亡くなるなんて、何て親不孝な子供なんだ。」と言ったりする。自ら命を絶ったり、自らの過失による死だったりというケースは別にして、亡くなった子供に何等責任が在る訳でも無いし、責められるのも気の毒とは思う。が、「『年齢の高い者から亡くなる。』という“順番”から外れ、『我が子が、自分よりも先に逝ってしまった。』事に対する親御さんの深い哀しみを思うと、「親よりも早く亡くなるなんて、何て親不孝な子供なんだ。」という言葉が出てしまうのは、当然と言えるかもしれない。
自分の父親が病気で亡くなったのは、父方の祖母(父親の母親)が亡くなる四半世紀以上前の事だった。「親よりも早く亡くなるなんて、何て親不孝な・・・。」と祖母達が号泣している姿は、今でも忘れられない。
流通ジャーナリストの金子哲雄氏が一昨日、肺カルチノイドにて41歳で亡くなられた。「肺カルチノイド」という病名を初めて見聞したが、癌の一種なのだとか。明るくて元気というイメージしか無かったので、突然の訃報には驚く許り。謹んで、哀悼の意を表したい。
金子氏に付いて色々検索していた所、「昨年、彼が“家族”に付いて語った内容。」を見付けた。其の中で意外な事実に触れられていたので、抜粋してみる。
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今も、妻に言われた一言は、僕にとって、大切な指標。「自分の人生を生きなさい。」。結婚して間が無い、30歳位の時、そう、言われた。僕はフリーの雑誌記者を遣っていた。思い通り、ジャーナリストになったけれど、此の先どうなるか、判らない。
不安と焦りの毎日を、唯我武者羅に突き進んでいた頃。其の言葉には、思い当たる事が在った。僕は、本当は4人姉弟だったけれど、3人を病気で亡くしている。心の何処かに、亡くなった弟や姉さんの分を生きなくてはいけない、彼等の人生を背負う、そんな無言のプレッシャーが在った。
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4人姉弟の残り3人が既に病死しており、今回41歳の金子氏が亡くなられた事で、4人姉弟全員が鬼籍に入られたという事実。「4人の子供全員が、若くして亡くなってしまった。」という親御さんは、嘸かし辛い事だろう。
スキルス胃癌にて48歳で亡くなられた逸見政孝氏も、実弟を32歳で亡くしている。死因は、同じ胃癌だ。記憶違いで無ければ、逸見氏は2人兄弟なので、彼の親御さんも子供全員を、若くして亡くしている事になる。本当に気の毒な話だ。
82歳の母親と、妻子を残して。
葬儀は大変につらかった。
自分自身、いまだに気持ちの整理がつかないような。
いやもうずっとそうなのかもしれないし。
ホンマでっかはよく見ていますが
正直金子さんは苦手なほうでした。
亡くなった後から、病気のこと、彼の評価や
奥さんへの優しさ、
心配をかけまいと明るく振舞っていたことなどが
報じられ、思わず自分のいとこと重ね合わせてしまいました。
同世代が亡くなるのはつらい。
従弟の方が亡くなられたとの事、心より御冥福を御祈りします。妻子や母親を残して・・・というのは、御当人も嘸や無念だった事でしょう。
記事では触れなかったのですが、実は母の伯父に当たる家では、其の子供達、即ち母にとっては従弟に当たりますが、何れも夭逝しております。夭逝と言っても中年と呼ばれる年代に入っての死ですが、其れでも平均寿命を考えると格段に早い。何れも医療に従事している人達で、「人の命を救う人間が・・・。」と運命の皮肉さを感じると共に、「残された御両親は、堪らなかっただろうなあ。」と思う許り。
60代の頃によく口にしていたフレーズです。
伯父には6人の妹がいて(2人は幼少期に夭折)
成人した4人の妹のうち、3人は夫に先立たれていますので
自分よりも若い義弟を度々見送ってきたから出てきたのでしょうね。
若くして亡くなる人、そうでない人ってのが出てくることには、
何とも不思議な気がしています。
子どもに先立たれる親の辛さってのは想像もつかないくらい深いものなんでしょうねえ。
さて、若くして両親を失う、っての、昔は珍しくなかったのが
近年は珍しいことになっている気がします。
私の異母兄姉は、10-20代で母親を、20-30代で父親を失っています。こういう他人の話、あまり耳にした記憶がありません。
シンガーソングライターの川嶋あいさん(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B7%9D%E5%B6%8B%E3%81%82%E3%81%84)が以前、御自身の生い立ちに付いて語っていたのですが、其の波乱万丈さに言葉が無くなってしまいました。「実父は出生前に行方不明、実母は3歳の時に亡くし、児童養護施設に入園。其の後、建設会社を経営していた夫婦に養女として引き取られるも、彼女10歳の時に養父が、そして16歳の時に養母を亡くした。」との事。大昔なら未だしも、今年26歳という若い彼女が、そんな波乱万丈な人生を送ったというのは、驚くべき事でした。
60いくつの人が90の親殺したニュースがあったけど、気持ちわかる人多いんじゃないのと思う。自分が既に老後なのに、超年寄りの世話させられて、たまったもんじゃない。自分の世話してほしいぐらいだろうに。
高齢社会になった今、所謂「老老介護」は増える一方でしょうね。必死で高齢の親を介護していたけれど、肉体的にも経済的にも、そして精神的にも追い詰められてしまい、親を手に掛けてしまう・・・そういう報道に触れると、行為自体は許されないものの、追い詰められてしまった事自体には同情の気持ちが湧いてしまう。
唯、必死で頑張って来た人達が、老後を穏やかに過ごせない状況というのも、何処かおかしい気がしています。何でも彼んでも国家に依存すべきでは無く、個々人で何等かの対策を採るべきとは思うけれど、でも其れも限界が在る。地域での助け合いも含め、抜本的な対策を採っていかないと、嘗ての「姥捨て山」みたいな事になる様な気もし、暗澹たる思いが。