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逆境にもめげず、簡単では無い現実に立ち向かい、非日常的な出来事に巻き込まれ乍らも、アンハッピーな展開を乗り越え僕達は逆転する。
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先日、赤川次郎氏原作の「善の研究」というドラマが再放送されていた。39年前に初回放送されたドラマだが、「老い先短い老人(男性)が、『人生の最後に、人の為に何か1つ良い事をしたい。』と思い立つ。親切にして貰った若い女性が、電車の中で若いチンピラ(男性)から卑猥な行為をされているのを見掛けたが、何も出来なかった彼。そして、其のチンピラが、近所の家の次男で在る事を知る。『一流大学を卒業した長男は非常に優秀だが、次男は働きもせず遊び暮らし、毎晩の様に親に暴力を振るっている。』という噂を聞いた老人は、『害虫を駆除する事が、自分にとって最後の善行だ。』と考え、ばれない方法でチンピラを殺害する。ところが、次男殺害後に、父親が長男を殺害してしまう。実は親に暴力を振るっていたのは長男の方で、次男はそんな長男を止めていたのだった。次男が殺されてしまった事で、長男の暴力がエスカレートし、思い余った父親が彼を殺害するに到った。」というストーリー。「一流大学を出た人間=非常に優秀で、親思い。」、「働きもせず遊び暮らしている人間=親に暴力を振るってもおかしくない。」という“先入観”が、多くの人の中に在った訳だ。
冒頭に記したのは、伊坂幸太郎氏の小説「逆ソクラテス」に付いて。小説家としてデビューして今年が20年目になる彼が、「小学生が主人公の5つの短編小説。」で構成した本で、先入観という物を題材にしている。
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だけどもし、試合中、次のプレイで試合の流れが変わると信じたら、その時はやってみろ。それはギャンブルじゃなくて、チャレンジだ。試合は俺や親のためじゃなくて、おまえたちのものだ。自分の人生で、チャレンジするのは自分の権利だよ。
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「先入観を覆させられた!」と一番感じたのは、「非オプティマス」という作品。「完全に遣られた!」という思いで、爽快感すら感じる。
又、終わり方が一番好きだったのは、「逆ソクラテス」という作品。大好きな映画「スタンド・バイ・ミー」の何とも言えない切ない終わり方と、似た雰囲気が在るので。
総合評価は、星4つとする。