好評を博してシリーズ化されたTVドラマや映画等には主役も然る事乍ら、魅力的な脇役の存在が必要不可欠。魅力的な脇役が配される事で、主役の魅力が更に増すと言える。人気ドラマ「相棒」シリーズも主役の杉下右京(水谷豊氏)及び亀山薫(寺脇康文氏)を支える小野公顕(岸部一徳氏)や伊丹憲一(川原和久氏)等の警察関係者、亀山美和子(鈴木砂羽さん)や宮部たまき(益戸育江さん)といった杉下達の近親者等、個性的で味わい深い脇役達が配されている。鑑識課の米沢守(六角精児氏)、我が家では彼を“大木凡人二世”と呼んでいるのだが(因に角田六郎役の山西惇氏は“坂本ちゃん二世”と呼んでいる。)、も存在感たっぷりの脇役だ。映画「相棒シリーズ 鑑識・米沢守の事件簿」は、そんな彼を主役に据えたスピンオフ作品。
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東京ビッグシティマラソンでの無差別爆破テロ捜査の最中、鑑識課の米沢守は蒸発した元妻・知子(紺野まひるさん)の姿を発見。何とか彼女の住む部屋を突き止めるが、その翌日、知子は自殺死体となって見付かった。実は良く調べてみると、その女は元妻に瓜二つの同名の別人。ホッとする米沢だったが、証拠不充分のまま自殺として処理される事に疑問を持った。其処で死んだ知子の元夫の刑事・相原誠(萩原聖人氏)と共に極秘の捜査を開始するが・・・。
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相棒シリーズの主役で在る杉下&片山は殆ど登場せず、米沢と相原がこの作品では“相棒”として主役を張っている。米沢にとっては自分を捨てて出て行ってしまった元妻「知子」、そして相原にとってはいきなり別れを切り出された元妻「知子」。元妻が同じ名前という事も在り、米沢は相原に自分の姿を重ね合わせて行く。
極秘捜査を進めて行く内に見えて来たのは、警察の天下り組織「青少年防犯協会」の“ドン”設楽光治朗(伊武雅刀氏)の姿。米沢達が近付いた事で設楽は警察組織に圧力を掛けて来るのだが、天下りポストを死守せんが為に上層部は米沢達に「極秘捜査を直ちに直ちに止める様に。」と厳命。
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「自分達に不都合な事から国民の目を逸らすのが、我々公務員の役目。」
「(公務員の)税金の無駄遣いは犯罪じゃない。」
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そんな趣旨の言葉を吐く警察のトップ達。こんな連中ばかりでは無いと信じたいが、思わずニヤッとしてしまうシーンだ。世の中には「有益な物を生み出す為の無駄。」というのも存在しない訳では無いが、誰も見ない様なカタログやポスターを血税にて無節操にバンバン作るなんていうのは、無駄以外の何物でも無いだろう。
「相棒 -劇場版- 絶体絶命! 42.195km 東京ビッグシティマラソン」は映画化も納得出来る内容だったが、この作品には「容疑者Xの献身」と同様に「わざわざ映画化する程の内容だろうか?TVサイズの作品と思うが。」という思いを持って観続けていた。“遺書の正体”が直ぐに判ってしまった様に、犯人の動機及び殺害トリックはかなり早い段階で見抜けると思う。
唯、「100%読める展開だな。」と自信満々だった自分を唖然とさせたのは、犯人の正体。裏の裏を読んで犯人が誰だかを推理し、終盤にその人物が浮かび上がった際には「やはりそうだったか。」と頷いていたのだが、最後の最後に大どんでん返しを食らってしまった。あの人物が犯人とは・・・裏の裏の更にその裏を読まないといけなかったという事か。
わざわざ映画化する必要が在ったのかどうかは疑問の残る所だが、ストーリーとしえは面白い。「~ですな。」といった口調や落語好きという、どちらかと言えば“古いタイプの人間”というイメージの強い米沢が、実はストリート・ミュージシャンでも在ったという意外な顔が見えたのも笑えた。総合評価は星3つ。
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東京ビッグシティマラソンでの無差別爆破テロ捜査の最中、鑑識課の米沢守は蒸発した元妻・知子(紺野まひるさん)の姿を発見。何とか彼女の住む部屋を突き止めるが、その翌日、知子は自殺死体となって見付かった。実は良く調べてみると、その女は元妻に瓜二つの同名の別人。ホッとする米沢だったが、証拠不充分のまま自殺として処理される事に疑問を持った。其処で死んだ知子の元夫の刑事・相原誠(萩原聖人氏)と共に極秘の捜査を開始するが・・・。
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相棒シリーズの主役で在る杉下&片山は殆ど登場せず、米沢と相原がこの作品では“相棒”として主役を張っている。米沢にとっては自分を捨てて出て行ってしまった元妻「知子」、そして相原にとってはいきなり別れを切り出された元妻「知子」。元妻が同じ名前という事も在り、米沢は相原に自分の姿を重ね合わせて行く。
極秘捜査を進めて行く内に見えて来たのは、警察の天下り組織「青少年防犯協会」の“ドン”設楽光治朗(伊武雅刀氏)の姿。米沢達が近付いた事で設楽は警察組織に圧力を掛けて来るのだが、天下りポストを死守せんが為に上層部は米沢達に「極秘捜査を直ちに直ちに止める様に。」と厳命。
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「自分達に不都合な事から国民の目を逸らすのが、我々公務員の役目。」
「(公務員の)税金の無駄遣いは犯罪じゃない。」
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そんな趣旨の言葉を吐く警察のトップ達。こんな連中ばかりでは無いと信じたいが、思わずニヤッとしてしまうシーンだ。世の中には「有益な物を生み出す為の無駄。」というのも存在しない訳では無いが、誰も見ない様なカタログやポスターを血税にて無節操にバンバン作るなんていうのは、無駄以外の何物でも無いだろう。
「相棒 -劇場版- 絶体絶命! 42.195km 東京ビッグシティマラソン」は映画化も納得出来る内容だったが、この作品には「容疑者Xの献身」と同様に「わざわざ映画化する程の内容だろうか?TVサイズの作品と思うが。」という思いを持って観続けていた。“遺書の正体”が直ぐに判ってしまった様に、犯人の動機及び殺害トリックはかなり早い段階で見抜けると思う。
唯、「100%読める展開だな。」と自信満々だった自分を唖然とさせたのは、犯人の正体。裏の裏を読んで犯人が誰だかを推理し、終盤にその人物が浮かび上がった際には「やはりそうだったか。」と頷いていたのだが、最後の最後に大どんでん返しを食らってしまった。あの人物が犯人とは・・・裏の裏の更にその裏を読まないといけなかったという事か。
わざわざ映画化する必要が在ったのかどうかは疑問の残る所だが、ストーリーとしえは面白い。「~ですな。」といった口調や落語好きという、どちらかと言えば“古いタイプの人間”というイメージの強い米沢が、実はストリート・ミュージシャンでも在ったという意外な顔が見えたのも笑えた。総合評価は星3つ。
邦画、それも松竹の作品が絶好調の様ですね。第81回アカデミー賞外国語映画賞受賞により「おくりびと」が再び観客増になったのに加えて、「ヤッターマン」が予想以上に大盛況なのも大きいとか。
以前にも書いたのですが、水谷豊氏の「如何にも演じています。」という雰囲気が苦手で、相棒シリーズも昨年迄は見ていなかったのですが、周りから余りにも「面白いから見て。」と言われて見出した所、その面白さにすっかり嵌まってしまいました。
「おくりびと」も「扱っているテーマが地味。」等の理由から、映像化する事に二の足を踏んだ映画会社が在ったと言いますね。原作をアレンジした上で映像化する事に踏み切った松竹は、或る意味先見の明が在ったとも言えますし、マヌケ様が書かれている様に「其処に楽しめる人が居れば、映画に成り得る余地が在る。」というのも確かかもしれません。自分の場合、B級映画が好きな癖に、どうしても内容に壮大さを求めてしまう所が在ったりもしちゃうんですよね。
相棒シリーズ、一度も見られていないとの事。斯く言う自分も昨年に初めて見たのですから、マヌケ様と大差無いです。