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自動車会社広告部に勤務する29歳の岡部智香(おかべ・ともか)。仕事で海外に赴任し、帰国の予定が立て難いという叔父から依頼され、“留守居番”として瀟洒な自宅に安い家賃で住む事になったのだが、其処に3人の知人が同居する事に。
少し変わった男性の趣味を持つ同級生の小竹彩野(こたけ・あやの)、「35歳迄に子供を産みたい。」と願う32歳でバツイチの妖艶美女・森沙都子(もり・さとこ)、そして合コンに行けば高確率で男性と一夜を共にする肉食系グラフィック・デザイナーで27歳の中崎結有(なかさき・ゆう)。“アラサー”の独身女性4人は、理想の相手を求めて週末や休日に合コン三昧。結婚活動、所謂“コンカツ”に励むのだが・・・。
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コンカツに励む4人のアラサー女性を描いた作品「コンカツ?」(著者:石田衣良氏)。ルックスの良さ、経済力の高さ、男らしさ、セックスの相性等々、彼女達は様々な条件を念頭に置いてコンカツに奔走するが、理想の相手とは中々巡り会えない。
コンカツを続けて行く中で智香が痛感させられたのは、コンカツの場に存在する「男女の価値尺度の違い」。概してだが、「男性は女性に対して『若さ』に、女性は男性に対して『年収』に高い価値を感じている。」のだ。
「理想」と「現実」のギャップに悩み乍らも、最終的に彼女達はパートナーを見付ける。4人が4人共意外な相手を選ぶのだが、中でも一番意外なのは智香の相手だろう。自分の周りを見渡しても、とんでもない美人の彼氏が全くイケてない男だったり、イケメンなのに何故か彼女がずっと居なかったりというケースが在ったりするが、どういう相手を選ぶかは人其れ其れなのだ。
「コンカツで、相手を見付けられない男女が結構多い。」という現実に付いて、御見合いパーティーの主催者が口にした次の文章が印象的だった。
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「わたしの見たところ、理由はふたつあるんだ。まず男性に勇気がないこと。今の男性はパーティでは感じがよくても、ちゃんと電話なりメールで女性を誘えないの。日時といくお店を決めて、具体的に誘えない。これが決定的かな。あとね、勇気をだして誘っても、働いている女性だとなかなかスケジュールがあわないことがあるでしょう。そういうときに一回断られると、すぐに心が折れてしまうみたい。二度と連絡がこないって会員の女性がこぼしているから。」
(中略)
「あとは女性にも問題があるなあ。やっぱりどんな時代になっても、女って男性から発見されたいのよ。きみは素敵だねって。それで、自分からいかずに待ち続けることになる。それだとやっぱりうまくいかないのよね。男性が主導権をとるのがむずかしい時代なんだから。」
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総合評価は星3つ。