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「星野 染み染み『野球って良いな。』 育成出身4人目のプロ初勝利!」(5月27日、スポニチ)
育成スタートの巨人・星野がプロ初勝利。育成ドラフト出身で1軍公式戦で勝ったのは、巨人・山口、ソフトバンク・山田、DeNA・国吉に次いで4人目となった。
初の御立ち台では「嬉しい以外、言葉が出ない。何時かは(御立ち台に)上がってみたかったけど、まさか上がれるとは。」と興奮を隠し切れない様子だ。
4回から2番手としてマウンドに。「力み過ぎると、自分の投球が出来なくなる。」と力を抜く事だけを意識した。3イニングを投げ終え、其の裏に打線が勝ち越し。「『勝ちが付いちゃう。』とドキッとしていました。」と振り返り、実際、初勝利を物にして「(勝ちが)付いちゃいました。」と戯けた。
「親父に渡したい。」とユニフォームのズボンの左側の後ろのポケットに大事そうに仕舞っていたウイニングボール。取り出して見詰め乍ら「『野球って良いな。』と思いました。」と染み染み語ると、スタンドのファンから大きな拍手が送られた。
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昨日行われた「ジャイアンツvs.ファイターズ」戦、ジャイアンツ・ファンの自分は、1軍初先発となった小山雄輝投手に注目していた。2010年度のドラフト会議でジャイアンツから4位指名されて入団した彼が、果たして戦力になるのかどうかが楽しみだったから。結果的には3回を投げて「3安打1失点」と、決して褒められた内容では無かったけれど、1軍初先発という事を考えれば、「次の先発で、真価を判断。」という所だろう。
評価出来るのは、小山投手の後を投げた4人の投手。2番手の星野投手、3番手の福田聡志投手、4番手の山口鉄也投手、そして抑えの西村健太朗投手がそうで、4人で6回を僅か「1安打無失点」に抑え込んだのだから立派。
特に2番手で投げた星野投手は、高く評価したいと思う。ファイターズの先発がエースの武田勝投手だっただけに、「ジャイアンツにとって更なる失点は、負けに直結する可能性が高かった。」からだ。そんな緊張感溢れる中、3回を「無安打無失点」で切り抜けたのだから、昨日のジャイアンツの勝利は彼に負う所が大きかった。
昔から「エリート選手よりも、叩き上げ選手にシンパシーを感じてしまう。」という癖が在る自分だけに、育成ドラフト出身の星野投手が1軍で初勝利を挙げたというのは本当に嬉しい。其れも「育成ドラフト出身の投手で、1軍で初めて勝利を挙げた。」という“先輩”の山口投手が、“実質的に”抑えての勝利というのだから、感動は一層だった。
「渡邉恒雄氏告発問題」で、ジャイアンツを追われる事になった前代表の清武英利氏。報道を見聞する限りでは、彼自身にも問題が無かったとは思わないけれど、彼がジャイアンツで成して来た功績はきちんと評価すべきだろう。
何故、こんな話を急に持ち出して来たかとと言えば、告発問題が起こって以降、“エモやん”の清武氏に対する批判が余りに酷いから。先達てのテレビ中継では「彼がジャイアンツでして来た事は、全て良くない。」“的な”発言をしていて、流石に「酷いな。」と思ってしまった。
「育成のジャイアンツ」を掲げ、「“基本として”トレード等には頼らず、自前の戦力を作り上げて行く。」という清武氏のスタンスは決して間違っていなかったと考えている。実際問題、近年のジャイアンツは山口投手を始めとして、自前の戦力が多く活躍したではないか。
唯、「ジャイアンツは、2年間リーグ優勝を逃している。」という現実も一方では在る。「自前の戦力を作り上げて行く。」という方向に走り過ぎ、「トレード等は絶対悪。」という雰囲気が出来てしまった“としたら”、其れは問題だろう。飽く迄も想像だが、「自前の戦力至上主義」が清武氏だった“ならば”、原辰徳監督や“ナベツネ”は「トレード至上主義」だったのではないだろうか?余りにも極端なスタンスだった為、抜き差しならない関係になってしまった様な気がしてならない。
話をエモやんに戻すが、清武氏の極端なスタンスを否定するのは判るのだが、彼の功績を全否定する様な姿勢は全く共感出来ない。ジャイアンツが育成選手制度を積極的に活用し、多くの若い戦力を作り上げて行った背景には、清武氏の存在が欠かせないと考えているので。
以前よりエモやんは、原監督を弟分として可愛がっている。「弟分の原監督と対立し、ジャイアンツを追われた清武氏というのが許せない。」という思いがエモやんには在って、其れで「清武氏の全否定」に繋がっているのではないかと推測する。もしそうならば、少なくとも清武氏に対するエモやんの発言は、全く説得力を持ち得ないだろう。
前回も福田、星野で「どちらが勝ち投手」か、公式記録を注目した経緯があっただけに。
ポケットに大事そうにウイニングボールを仕舞い込んでいる姿が、非常に印象的でした。御立ち台でのインタヴュー、ジャイアンツの選手は概して面白みに欠けるコメントをするのだけれど、星野投手のコメントは妙に奇を衒わず、でもニヤッとしてしまう様な内容だったので、「又、ヒーロー・インタビューを見てみたいな。」と思いました。