乗り物に関して、「そう言えば最近、見掛けなくなったなあ。」と、ふと思う物が在る。「自転車の『ハブ毛』」や「自動車の三角窓」なんかがそうだ。
【ハブ毛】
【三角窓】
子供の頃、自転車のホイールの真ん中には、ハブ毛が殆ど付いていた。自分は付けた事が無いけれど、「ホイールの真ん中に在る“ハブ”を、空回りするハブ毛で綺麗に掃除する。」というのが“売り”だったが、実際にそういう効果は無しに等しかった様で、要はファッション的な意味合いだった様だ。だからこそ必要性の無いハブ毛は、軈て廃れて行った。
矢張り子供の頃、街中を走る車の運転席と助手席の窓には、普通に三角窓が付いていた。「開閉する事で、で室内の換気を行う。」というのが三角窓の目的で、「ダクトと強制送風ファンによる換気装置が普及していなかった、或いは品質や信頼性が低かった時代には重要なアイテムだった。」のだ。「だったら、普通に窓を開閉すれば良いのでは?」と考える若い人も居られるだろうが、「窓を全開や半開すると涼し過ぎる(又は寒過ぎる)ので、三角窓をちょい開ける位が丁度良い。」という人達にとっては、有難い存在だった。
他にも“最近見掛けなくなった乗り物のアレ”は在って・・・。
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「あ~確かに見なくなった!『車から垂れ下がっていた護謨』其の正体とは?」(9月16日、乗りものニュース)
車のリア・バンパー付近から路面に引き摺る様な形で垂れ下がる護謨。最近は付ける人が激減していますが、どういった意味が在るのでしょうか。
車のリア・バンパー付近から、護謨の様なベルトが、路面を引き摺る様に出ている事を見掛けた事が在るかも知れません。彼のベルトは「アースベルト」、「アース護謨」と呼ばれ、1970~1980年代の車には、良く装着されていた製品です。
【アースベルト】
今では付けている車も殆ど無くなりましたが、一部のカー用品店等で、現在も販売されています。
機能としては、「車に溜まった静電気を、大地に逃がす『アース』の役割。」が在ります。ベルトには導線が内蔵されており、其処から静電気を地面に逃がしています。唯、現在の車はバンパーが樹脂製で電気を通さない為、車体下のマフラーやタンク付近等、金属部品を捜して取り付けるケースが多い様です。
主に車に乗った時の「バチッ!」となる静電気の減少がアースベルトの用途でしたが、人体に溜まった静電気を除去出来ない為、効果に付いては期待する程では無かった様です。人体に対しては、様々な静電気対策グッズも出ており、空気が乾燥している時期の静電気対策としては、廃れて行く事になります。
唯、アマチュア無線やオーディオを楽しむ人等が、積極的にアースベルトを使っていました。「静電気により発生するノイズを抑えられる。」とされていたからです。然し、ポール型アンテナ等、他に静電気対策のカー用品が登場すると、そういった商品に人気は移って行きました。
他に、アースベルトが少なくなった理由として、車其の物に静電気対策が施されている事も関係しています。例えば「タイヤに含まれるブラック・カーボンは電気伝導率が高く、唯タイヤを装着して走っているだけで、自然と車体に帯電した静電気が放電されている。」そうです。
こうして目にする機会が少なくなったアースベルトですが、現在販売されている商品の中には「懐かしのアイテム」と謳っている物も在り、一種のドレスアップ・アクセサリーとして取り付けている人も居る様です。又、アースベルトの製造メーカーによると、「車内無線を楽しむ人達には、未だに根強い人気が在る。」との事です。