気取った街の醜い一面

先だっての連休中の話だが、金を下ろそうと近場のＡＴＭに足を運んだ。駅前に位置する大手銀行の店舗内に在り、１０台のＡＴＭがずらっと並んでいる。昼時だった為か中には人が２人しか居なかったのだが、中に入った瞬間驚いてしまった。普段から、ＡＴＭの画面廻りに明細書が散乱しているのは珍しくなかったのだが、その日はそれに加えて、食べ掛けのサンドイッチや空になったペットボトル、煙草の吸殻、そして何故か汚れた黄色いオシボリ迄投げ捨ててあった。まるでスラム街の如き有様に、眩暈のする思いだった。

この駅の近辺は、所謂セレブの住む街と言われている。駅前にディスカウント・ショップやドラッグストア等が進出する度に、「街の品位が下がる！」等と大反対の声が上がる土地柄。そんな”気取った街”の醜い一面。

以前から「こいつ等何様のつもりなんだろうか？」と思う事がしばしば在った。街の品位が下がると抗議しつつ、それ等の店は人で溢れ返っている現実。高級犬を連れ回しながらも、糞の始末もしないアホの多さ。（こういう事をする輩が居るから、犬自体が悪いと言われてしまう。愛犬家の一人として全く許せない。）静寂さを求められる場所で大騒ぎする子供達を放置して、自らも携帯電話で大声で話している馬鹿親達。見てくれやイメージにばかり捉われて、中身が伴っていない皮相な人間の何とも多い事か。

社会で生きて行く為の最低限のルールをも守れない輩が、品位云々を口にするのは全く片腹痛い事だ。勿論、そんな輩ばかりでないのは判っているが、あのＡＴＭの惨状を見る限りでは一部の人間でもないと思う。「汚してやっている御蔭で、ゴミ収集という仕事を作ってやっているんだ。」と、こいつ等も口にするのだろうか？もしそうならば、こんな連中は人間を辞めた方が良いだろう。