*****************************************
「高齢者交通死割合 日本、米の3.5倍 警察庁が比較研究へ」(3月13日付け東京新聞【朝刊】)
日本は米国の3.5倍。交通事故による死者の内、65歳以上の高齢者が占める割合は、日本が欧米主要国に比べて突出して高くなっている事が警察庁の調査で明らかになった。同庁は高齢者の交通事故死を減らす為、日本だけ割合が高い理由を探って対策に役立てようと、調査研究に乗り出す事にした。
昨年1年間に、日本で交通事故発生から30日以内に死亡した人は、5,772人。死者数は9年連続で減少しており、30日以内の死者の統計が残る1993年以降、最も少なかった。
しかし、死者の内65歳以上が占める割合は、昨年は51・2%で前年より2・2ポイント増え、初めて5割を上回った。1993年の高齢者の割合は28・8%だっただけに占有率の増加が著しい。
高齢者が占める割合を欧米の4ヶ国と比較すると、ドイツが23・8%、フランス19・0%、英国18・9%、米国14・8%だった(各国は2008年の数値)。
50%を超える日本と比べて各国とも高齢者の割合が、可成り低くなっている。65歳以上の人口が国の総人口に占める「高齢化率」では、日本は2005年で20・1%で5ヶ国中、最も高いが、その差は交通事故死者程では無い。
何故、高齢者の交通事故死率が高いのか。ヒントになりそうなのが、日本の高齢者は歩いている時の事故死が目立つ事だ。5ヶ国の内、日本は「歩行中」が最高の47・5%なのに対し、最も低い米国は14・5%。ドイツ、フランスも30%余に過ぎない。
警察庁の担当者はこの点を踏まえ、「日本は歩行者が行き交う生活空間と、車が走る空間が分かれていない事も原因か。」と推測するが、一方で「明確な理由は判らない。」とも。
調査研究は、高齢者の事故対策全般に付いて2年かけて実施する計画で、初年度分として新年度予算に約880万円を概算要求した。
担当者は「調査の中に、欧米との比較も盛り込み、各国の高齢者対策の先進事例を分析し、対策を練りたい。」としている。
*****************************************
文章だけだと今一つイメージし辛いと思うので、元記事に載っていたグラフを元にして、下記の形に纏めてみた。(交通事故死者は日本のみ2009年、他国は2008年。高齢化率は2005年。)
*****************************************
=交通事故死者に占める高齢者の割合の各国比較=
日本:51.2%(高齢化率は20.1%)
ドイツ:23.8%(高齢化率は18.8%)
フランス:19.0%(高齢化率は16.3%)
イギリス:18.9%(高齢化率は16.1%)
アメリカ:14.8%(高齢化率は12.3%)
*****************************************
これを見て戴ければ御判りの様に、「日本は世界有数の超高齢社会なのだから、交通事故死者に占める高齢者の割合が突出しているのは当然。」とは言えない現状なのだ。5位のアメリカは別にしても、残りの3ヶ国の高齢化率が日本と格段に離れている訳では無いし、その差を考慮したとしても余りに日本は突出している。2位のドイツとは2倍以上も多いのだから。その原因究明は今後の調査を待たねばならないが、「日本は歩行者が行き交う生活空間と、車が走る空間が分かれていない事も原因か。」というのは、自分も最大の要因にも思える。
以前、テレビ番組で「交通事故多発地域で或る工夫を施した結果、大幅に事故数が激減した。」という特集を放送していた。その詳細はすっかり失念してしまったが、「歩行者が行き交う空間」と「車が走る空間」を明確に区分けしていた様に記憶している。標識類をより判り易く配置し、歩行者が行き交う空間を完全確保する等していたと思うが、それで大幅に事故数が減ったとの事。そういった整備には半端じゃない費用が必要だろうが、長期的に見れば交通事故が大幅に減る事での金銭的メリットは大きいのではないか?そして何よりも、交通事故により人生が狂わされてしまう人が減るのは、最大のメリットに成り得るだろう。
「高齢者交通死割合 日本、米の3.5倍 警察庁が比較研究へ」(3月13日付け東京新聞【朝刊】)
日本は米国の3.5倍。交通事故による死者の内、65歳以上の高齢者が占める割合は、日本が欧米主要国に比べて突出して高くなっている事が警察庁の調査で明らかになった。同庁は高齢者の交通事故死を減らす為、日本だけ割合が高い理由を探って対策に役立てようと、調査研究に乗り出す事にした。
昨年1年間に、日本で交通事故発生から30日以内に死亡した人は、5,772人。死者数は9年連続で減少しており、30日以内の死者の統計が残る1993年以降、最も少なかった。
しかし、死者の内65歳以上が占める割合は、昨年は51・2%で前年より2・2ポイント増え、初めて5割を上回った。1993年の高齢者の割合は28・8%だっただけに占有率の増加が著しい。
高齢者が占める割合を欧米の4ヶ国と比較すると、ドイツが23・8%、フランス19・0%、英国18・9%、米国14・8%だった(各国は2008年の数値)。
50%を超える日本と比べて各国とも高齢者の割合が、可成り低くなっている。65歳以上の人口が国の総人口に占める「高齢化率」では、日本は2005年で20・1%で5ヶ国中、最も高いが、その差は交通事故死者程では無い。
何故、高齢者の交通事故死率が高いのか。ヒントになりそうなのが、日本の高齢者は歩いている時の事故死が目立つ事だ。5ヶ国の内、日本は「歩行中」が最高の47・5%なのに対し、最も低い米国は14・5%。ドイツ、フランスも30%余に過ぎない。
警察庁の担当者はこの点を踏まえ、「日本は歩行者が行き交う生活空間と、車が走る空間が分かれていない事も原因か。」と推測するが、一方で「明確な理由は判らない。」とも。
調査研究は、高齢者の事故対策全般に付いて2年かけて実施する計画で、初年度分として新年度予算に約880万円を概算要求した。
担当者は「調査の中に、欧米との比較も盛り込み、各国の高齢者対策の先進事例を分析し、対策を練りたい。」としている。
*****************************************
文章だけだと今一つイメージし辛いと思うので、元記事に載っていたグラフを元にして、下記の形に纏めてみた。(交通事故死者は日本のみ2009年、他国は2008年。高齢化率は2005年。)
*****************************************
=交通事故死者に占める高齢者の割合の各国比較=
日本:51.2%(高齢化率は20.1%)
ドイツ:23.8%(高齢化率は18.8%)
フランス:19.0%(高齢化率は16.3%)
イギリス:18.9%(高齢化率は16.1%)
アメリカ:14.8%(高齢化率は12.3%)
*****************************************
これを見て戴ければ御判りの様に、「日本は世界有数の超高齢社会なのだから、交通事故死者に占める高齢者の割合が突出しているのは当然。」とは言えない現状なのだ。5位のアメリカは別にしても、残りの3ヶ国の高齢化率が日本と格段に離れている訳では無いし、その差を考慮したとしても余りに日本は突出している。2位のドイツとは2倍以上も多いのだから。その原因究明は今後の調査を待たねばならないが、「日本は歩行者が行き交う生活空間と、車が走る空間が分かれていない事も原因か。」というのは、自分も最大の要因にも思える。
以前、テレビ番組で「交通事故多発地域で或る工夫を施した結果、大幅に事故数が激減した。」という特集を放送していた。その詳細はすっかり失念してしまったが、「歩行者が行き交う空間」と「車が走る空間」を明確に区分けしていた様に記憶している。標識類をより判り易く配置し、歩行者が行き交う空間を完全確保する等していたと思うが、それで大幅に事故数が減ったとの事。そういった整備には半端じゃない費用が必要だろうが、長期的に見れば交通事故が大幅に減る事での金銭的メリットは大きいのではないか?そして何よりも、交通事故により人生が狂わされてしまう人が減るのは、最大のメリットに成り得るだろう。
そう言われてみると、確かにその要素は在り得るかもしれませんね。すっかり抜け落ちていましたが、我が国の「人口密度」及び「車密度」は先進諸国に比べると高そう。唯、それ等が主要因だとすると、「我が国の高齢者以外の層の交通死割合」と「他国の高齢者以外の層の交通死割合」を比較をした場合、各々の国の高齢者の交通死割合との差異と同程度の数字が出ないと、一寸違うという事になりそうですね。
例えばドイツは日本に比べ国土が広く、かつ平野部もかなり広いと聞きますが、人口は日本の半分程度かな。要するに日本は狭い国土に人も車も多すぎやしませんか。これも大きな要因では?
「車は走る凶器」、このフレーズが一般に浸透して随分経ちますが、「車」の中に「自転車」も含まれるのは言う迄も無い事。以前にも書きましたが、兄弟が住む自宅近辺では、坂道から猛スピードで走って来る自転車が多く、何度も怖い思いをしているとか。自身の存在を知らせるべく「ベルを鳴らす。」というのが、「法律的には駄目。」という事らしく、最近は「歩行者が自身の存在に気付いている筈。」とばかりにベルも鳴らさずに、猛スピードで歩行者の横を走り抜けて行く自転車。「常識的な範囲でのスピードで、且つ歩行者を確認したら徐行する。」という事を、自転車を利用する人のより多くが認識して欲しいものです。それが出来ている人も結構居るのだけれど、出来ていない人も又、結構居る現実が在るのだから。
勿論、歩行者の側もきちんとルールを守る必要が在ります。明らかにルール違反の歩行者も居ますしね。
今は複雑で「技術の良くない」には自転車が大いに含まれています。自転車と人の事故は倍増しており、被害者の殆どは高齢者です。歩道を我が物顔で暴走する自転車は凶器であり、改善されてほしいものです。
地方ではもっとややこしいことにちゃんと歩道を作ってもそこを「駐車場」にしてしまうドライバーが多いのです。嘆かわしいことです。
地方で歩行者をするというのは本当に人権など全く奪われた状態で歩くことです。車社会では200Mも歩かない。大人で免許も無い人間というとムチャクチャな扱いを受けます。
出張でライトレールを整備して交通弱者対策に熱心な富山に行ったときですが、歩道があまり無いが多少広い道がある所を、歩くと怖い怖い。歩道は一応道に線を引いただけ、こんなもの無いも同然。これはライトレール整備せざるを得ない状態だわ、公道は無法地帯だ、と思いました。正直交通弱者対策をしているだけすごく先進的で、これよりひどい場所はたくさん、いや殆どがそうでしょうね。