ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

「叫びと祈り」

2011年04月09日 | 書籍関連

2011年版「本格ミステリ・ベスト10(国内編)」及び2010年度「週刊文春ミステリーベスト10(国内編)」の第2位、そして2011年版「このミステリーがすごい!(国内編)」では第3位と、昨年のミステリー界で高い評価を得た作品を読破

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砂漠を行くキャラバンを襲った連続殺人、スペインの風車の丘で繰り広げられる推理合戦、ロシア修道院勃発した列聖を巡る悲劇・・・一人の青年・斉木が世界各国で遭遇する、数々の異様な謎。

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梓崎優氏は2008年、短編小説「砂漠を走る船の道」にて第5回「ミステリーズ!新人賞」を受賞し、文壇デビューを果たす。「海外の動向を分析する雑誌を発行する会社に勤務し、取材のに名も知らなかった国にもしばしば駆り出される斉木が、異様な謎に直面する。」という此の作品は、選考委員を務める行人氏に有栖川有栖氏、そして辻真先氏という錚々たる顔触れから激賞され、満場一致で受賞が決定したと言う。「砂漠を走る船の道」に4つの短編小説を加えて刊行されたのが、今回読破した「叫びと祈り」だ。

 

受賞した年には25歳だった梓崎氏だが、異国情緒溢れる文章には魅了される物が在り、中堅作家の雰囲気さえ感じさせる。「砂漠を走る船の道」では真犯人の察しは付いたけれど、或る存在の「意外な正体」は見破れなかった。其の点は完敗だ。

 

其の他の作品に関しては、正直ピンと来る物が無かった。「謎」及び「謎解き」の部分に目新しさを感じなかったし、文章にくどくどしさを感じたから。自分の理解力の悪さも在るのだろうけれど、くどくどしい文章がストーリーを追い辛くさせていた様に思う。今後「斉木シリーズ」が刊行されるのかどうかは不明なれど、個人的には積極的に読みたいとは感じなかったし。

 

厳し過ぎるかもしれないけれど、総合評価は星3つ


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