日本シリーズ終了と同時球界では、人事に関する報道がドッと出て来た。
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「昨年開幕投手の巨人・東野、オリックスへ」(11月5日、読売新聞)
巨人の東野峻投手(26歳)、山本和作内野手(26歳)と、オリックスの香月良太投手(30歳)、阿南徹投手(28歳)の交換トレードが成立し、5日に両球団から発表された。
救援投手陣の強化を目指す巨人と、先発投手の駒不足に悩むオリックスの補強ポイントが一致した。
香月は4年連続で40試合以上に登板している中継ぎ右腕。今年は52試合で1勝2敗、防御率5.18だった。巨人は山口、西村等盤石のリリーフ陣を擁して日本一に輝いたが、登板過多で調子を落とす投手も出た為、香月の獲得で更に厚みを持たせる事になった。
東野は2010年に13勝(8敗)を挙げ、翌2011年には開幕投手を任された。しかし、今年は春先の不振から抜け出せず、登板1試合で0勝0敗、防御率3.60。「環境が変われば、自分自身も変われると思う。チームを離れるのは寂しいけど、見返す位の気持ちで頑張る。」と語った。
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「チームを活性化させる為、“血の入れ替え”をする。」というのは決して悪い事では無い。今回の件、「ジャイアンツとバファローズ双方にとって、ウイーク・ポイントを補う意味合いが在る。」のも理解出来るし、其の考え方自体も間違ってはいないと思う。だがしかし、(バファローズの香月投手&阿南投手、そしてジャイアンツの山本選手が良い悪いという話では無く。)ジャイアンツとして東野投手を出すという選択肢は、本当に正しかったのだろうか?*1
チームを作り上げて行く上で、出してはいけない選手というのが居ると思う。今季は1軍で結果を残せなかったし、2軍でも18試合に登板し「1勝6敗、防御率5.83」という散々な結果だった東野投手。今季“だけ”の成績を考えれば、トレードというのは判らないでも無い。でも、2010年&2011年合わせて「21勝19敗2セーヴ」という成績を残した投手を、たった1年の不振で出してしまうというのは、ジャイアンツン・ファンの1人として非常に残念。「内海哲也と共に、ジャイアンツの右と左の両エースになって欲しい。」と自分は期待していたし、チームとしてもそういう考えだった筈。
禁煙を巡って原辰徳監督と対立するも、結果を残した事で原監督に喫煙を認めさせた自己主張の強さ。個人的には「プロの選手は健康管理の観点からも、喫煙は避けた方が良い。」と思っているが、東野投手の様な“生意気さ”はプロの選手として必要な要素だし、そういう選手は結構好きだったりする。せめてもう1年、“復活”を待って欲しかった。
ジャイアンツというチームは生え抜き選手、特に生え抜きの投手に対し、概して冷たい気がする。例えば「5年連続で60試合以上登板」の記録を作った山口鉄也投手の場合、今年の推定年俸は1億2千万円。2008年から2010年に掛けては大幅アップしたものの(元の年俸が安過ぎたというのも在るのだが。)、2010年の1億円に対して2011年以降は「1億1千万円→1億2千万円」という小幅なアップ。5年連続して獅子奮迅の働きをして来た投手だというのに、余りな査定に感じる。他のチームから獲得した選手に対しては、気前良く金銭を積み上げるというのに。(今季は是が非でも、大幅アップして上げて欲しい。)
今回の東野投手のトレードが、チームに対してどういう影響を及ぼすだろうか?「東野投手クラスでも出されるのか。もっと頑張らなければ。」と前向きなムードが出れば良いが、「生え抜きには冷たいな。」というマイナスのムードになってしまうと・・・。
東野投手&山本選手にはバファローズで大活躍し、ジャイアンツを見返して貰いたい。又、香月投手&阿南徹投手にはジャイアンツに来てくれた事を歓迎すると共に、大活躍を期待する。
話はガラッと変わるが。
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「はるかぜちゃん『警察に通報』を後悔 『殺されそうになる迄我慢すれば良かった。』」
ツイッター上で殺害予告を受けた人気子役の「はるかぜちゃん」事春名風花(11歳)さんが警察に通報した事を後悔している。2012年11月5日、自身のツイッターで「怖くて通報したけど、後悔してます。何時もみたいに我慢していれば良かった。」と呟いた。通報した事で、子供がネットをする事に対して批判を受けた為だ。
11月1日、春名さんはツイッター上に「はるかぜちゃんをナイフで滅多刺しにして、ドラム缶にセメント詰めて殺したい。」という書き込みを発見。春名さんは「子供のネット使用規制が進む事を避けたい。」と通報する事を躊躇っていたが、家族と相談し、11月2日、神奈川県警へ通報した。
通報後、春名さんには「ガキがTwitterなんて遣るから、こんな事になるんだよ。」等、子供がネットをする事に対して批判が殺到した。
「通報したら、『大人に頼らないと自分の身も守れない子供の癖に、ネットなんかするな。』って言われちゃうの、判っていたのにな。」と自身が危惧した通りの結果になってしまった事を悔やんでいる。又、殺害予告は単なる中傷で過剰反応ではないかという声に、春名さんは「本当に殺されそうになる迄、我慢すれば良かった。」とツイートしている。
春名さんは「加害者の人権が守られて、被害に遭った側の落ち度を叩く此の国で、被害に遭ったと声を上げ、助けを乞う事は、もう自殺行為じゃないのかな。」とツイート、ネット社会の在り方に疑問を呈している。
はるかぜちゃんが警察に届けた為に批判された事に付いては、乙武洋匡さん(36歳)が2012年11日2日、「『だから小学生にネットなんか遣らせるから・・・。』という感想を漏らしている人が多い事に驚く。」と呟き、「『退場すべきは、虐められた側。』という訳か。此れでは、虐めが蔓延る訳だ。」と、「街の声」に対する違和感を語っていた。
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自身の個人情報を詳細に記したり、身近な人間への攻撃をしたりと、未成年者、特に中学生以下の子供達のネット利用に危うさを感じる事は確かに在る。でも、だからと言って「子供がネットを利用するのは不可!」というのも違うと思う。ネット上のマナー、即ち「ネチケット」、そして「ネットの危険性」を親を初めとした大人達が、子供達にきちんと教える事が先ずは肝要。(ネチケットやネットの危険性を理解していない大人達が少なくないというのは、問題として在ろうが。)
今回のケース、乙武氏が主張されている様に、責められるべきは脅迫側で在る。冗談にせよ、悪質極まり無い“脅迫”が責められて当然なのに、「子供がネットで意見を言うなんぞ、生意気だ!」という思考が“透けて見える”批判は方向違い。
レイプされた女性に対して「夜中に歩いているのが悪い。」的な批判をする人も結構見受けられるが、“道徳面での価値観の違い”を持つのは勝手だが、「だから貴方も悪い。」と口にするのは、セカンド・レイプだと思う。
本来責められて当然の相手を見ずに、方向違いの批判をする。近年、「バッシングの為のバッシング」、即ち「バッシング出来そうな人間を必死で捜し続け、見付けるや否やバッシングを開始する。」という人が増えている気がする。其れこそ「自殺する迄許さない!」といった感じで、執拗にバッシングしている人達を見掛けると、背筋が寒くなる。寛容過ぎる社会もどうかとは思うが、度を超した不寛容な社会よりは増し。
*1 今回の記事を書き上げた後で目にしたのだが、東野投手自身がトレードを求めたという報道も在る。チームとしては彼を、来季の構想に入れていたとも。「来季のチーム構想から、東野投手は外れていた。」という報道も在り、実際はどうなのだろうか?
「問題解決の手段としていじめを行う」ことを容認する人が大人も含めて多いからこそ、「やられた側にも落ち度がある」などという理屈がまかり通るのでしょう。やられた側が「自己防衛としての退場」を自ら選択するのは大いにアリですが、本当に退場すべきはやった側でしょう。
話は変わりまして、トレードの第一報を見た時は、「東野投手を出すとは思い切ったことをするなあ」と思いました。バファローズには同じくジャイアンツから移籍して活躍している木佐貫投手がいますので、東野投手にも活躍していただきたい。
トレード相手となった香月投手には、2000年の甲子園を期に魅せられています。点差、ランナーの有無、打者の左右、回の頭からか途中からか等に拘らず、必要な時に速やかにアウトをもぎ取れるフレキシブルな人材としてチームを支える渋い存在です。近年の多登板の影響か、今年はかなり不調でしたが、リフレッシュすればまだまだやれる投手です。しっかり調整して来年は立て直してほしいです。
香月・阿南両投手がチームメイトに別れのあいさつをするいとまがあってよかったです。胴上げで送り出されたという記事を読んで、引退じゃないんだからと突っ込みつつも、チームメイトに愛されていた選手なんだなとしみじみしました。
ジャイアンツは移籍選手が多いゆえに、生え抜き選手へのファンの愛着は大きいと思いますが、迎え入れる側になることに慣れていて、移籍選手であること、ホープ的な存在とのトレード相手という「だけ」で強い風当たりを受けることは少ないのではないかと思っています。しかし、毀誉褒貶はプロの常、時に温かく時に厳しく、ご声援よろしくお願いいたします。4選手の活躍を祈ります。
其の匿名性(実際には“完全な匿名性”では無いのだけれど。)故、ネット上では「人間の持つ嫌らしい面」が露骨に曝け出されてしまうという面は在りますね。凶悪犯が捕まってみれば「普段大人しいのに何故?」という人だったりする事が在りますが、ネット上でも同様の事が言えそう。
「騒動の中でも、きちんと問題提起が出来る。」というのは、本当に凄いですよね。11歳とは思えない。冷静に対処出来ている11歳が居る一方、方向違いの“ストレス発散”をしているとしか思えない(恐らく多くは)大人達という構図が、「何だかなあ・・・。」という感じにさせます。
松井(秀)選手や上原投手、高橋(尚)投手、木佐貫投手、木田投手、二岡選手、林投手等、ジャイアンツから他チームに移籍した選手達の動向は、どうしても気になってしまいます。
近年「Win‐Win」という表現が好んで使われていますが、トレードは関わったチーム全てがハッピーな結果になるのが好ましい。
東野投手のトレードは未だに複雑な思いが在るけれど、彼には新天地で大活躍して貰いたいし、彼の代わりにジャイアンツに来てくれた両選手(そしてバファローズに移籍した山本選手も。)にも大活躍を期待しています。
昔私が高校生の頃、家の周りは田んぼだらけ。自然と帰りは自転車で田圃道を通ることになります。ある日、脇道から男が飛び出してきて、自転車を倒され、もう少しで大変なことになるところでした。泥だらけの傷だらけで帰ってきた私を見て、父が激怒し、「警察に届けよう」と言いましたが、仕事の仲間のおじさん達が「被害はなかったのだし、夕方田圃道を通る方も『誘っている』と言われて仕方ないから、やめた方がいいよ」と口をそろえて反対し、通報しなかったのを覚えています。
高校生の私が『誘っている』と言われたことが、恐ろしい目にあったことよりもつらい思いをしたのを今でも覚えています。
春名さんは、自分の言葉でしっかりと自分の気持ちを伝えていること。とても勇気があると思います。ネット上に書いたからには、書いたなりの責任を持つこともしっかりと認識されている。それに対して、生意気だの何だのと文句をつけるのは、大変な大人のエゴだと思います。
生活保護を巡る問題が大きく取り上げられましたが、一握り(で在ろう)不正受給者を取り上げ、全ての受給者をバッシングする様な論調が見受けられたのも、方向違いな批判と言えましょうね。否、批判していた人達の少なからずは方向違いなのを理解していて、要は自身のストレス発散の為にバッシングしていた様な気すらします。
syuu様も、御辛い経験をされたんですね。悪いのは車を運転してた人間だというのに、方向違いな事を言われてしまう。言った側に悪意は無いのだろうけれど、言われた側は傷付きますよね。
ドラフト7位から這い上がって開幕投手にまでなった選手をたった1年で見切るとは理解できませんね
原監督に嫌われたということでしょう 木佐貫は移籍して1年目はローテーションに入って復活しましたね おそらく巨人にいたらあのまま終っていたでしょう
香月は普通の投手という感じですね 期待されたわりには結果を出せていない・・ 東野はまだ若いし、このトレード オリックスにおいしいと思いましたね
山本選手も育成から這い上がったいい内野手、外野もできます。 彼にとってはチャンスが増えていいでしょうが、福元もソフトバンクに放出したし、大立投手もクビ!
選手が多すぎる巨人 ちょっと理解できませんね 育成から鍛え上げた選手たちをあっさりと切ってしまう? ファンとしてはなんか寂しいですね
巨人はいい選手の宝庫 他球団から見れば宝庫?
朝井や大立は他球団で活躍すると確信しています
原監督は好き嫌いがハッキリしたタイプで在り、体育会系の人でも在りますので、上の意向を受け容れない東野投手の様な選手は、扱い難いと感じていたかもしれませんね。
此の記事を書いて以降、東野投手本人にインタヴューした記事が載っていましたが、彼の言葉が事実だとしたら、少なくとも首脳陣は彼を来季以降「戦力」として考えていなかった様ですね。又、同じ右投手で、且つ優先して起用されるで在ろう菅野投手が入団した事で、「新天地で頑張りたい。」という思いが強くなり、東野投手自身がフロントにトレードを申し入れたとか。
朝井投手もそうですが、辻内崇伸投手も何故1軍で起用しなかったのか、理解出来ません。2軍で其れなりの結果を残し、1軍に上げたと思ったら、起用しない儘直ぐに2軍落ち。此れじゃあ、選手達が腐ってしまう。