9月27日に投開票が行われた自民党総裁選」で石破茂元幹事長(67歳)が自民党総裁に選ばれた事を受け、「“魔人ブウ”が自民党総裁に」という記事をアップした。其の中で「今回出馬した9人の候補者の中では、石破氏が選ばれたのは『良かった。』と思う。と言うのも、自民党に在って彼は“真面な人物”だと思っているし、(「デモはテロ。」という発言等、疑問を感じる点も無い訳では無いが。)『確固たる考えに基づき、理路整然と穏やかに話す姿。』には好感が持てるので。」と記した。
そんな好印象を持っている石破氏だが、同時に「『真面な主張を強くした後、反発の声が上がると、其の主張を変えてしまう。』等、言動に揺らぎを見せる事が、少なからず在る事が懸念材料で在る。」とも指摘した。
とは言え、「石破氏ならば腐り切った自民党を、“良い方向”に変えてくれるのではないか?」と、“自民党嫌い”な自分ですら期待し、「先ずは人事面で、“改革の兆し”が見えるのではないか。」と思っていたのだが・・・。
「小泉進次郎元環境相(43歳)を、党の選対委員長に起用する調整に入った。」という報道には、「嘘だろ?」という思いが。先月の記事「“こんな人物”が操縦する“大型旅客機”に、喜んで乗りたがる人達って・・・」の中でも詳しく書いたが、大昔から“彼の中身の無さ”を何度も指摘して来た。「自身からの“一方的な”情報発信は超得意だけれど、真面なコミュニケーションが全く取れない彼は、首相以前に政治家としても不適格。」で在るとも。
今回の自民党総裁選で“漸く”、そんな彼の中身の無さに気付いた国民が少なからず現れた様だが、彼に出来るのは“客寄せパンダ”の役割だけなのだ(「八紘一宇」やら「神武天皇」といった「皇国史観」に、頭の中が染まり切っている様な三原じゅん子議員(60歳)。客寄せパンダの役割しか果たせない彼女も、こども政策担当大臣に起用されるとか。丸で学芸会の様だ。)。「『客寄せパンダの役割だけしか出来ない。』からこそ、選対委員長に起用する。」というのは、一見「筋が通っている。」と言えなくも無いのだが、こういう手法は“旧来の自民党の儘”で在る。又、彼の中身の無さが露呈してしまったというのに選対委員長に起用するというのは、「中身の無さが露呈してしまったけれど、客寄せパンダの彼に“馬鹿な国民”は未だ未だ騙される筈。」という思いが透けて見える。
そして、何よりも驚いたというか呆れ果ててしまったのは、「菅義偉前首相(75歳)に党副総裁就任を打診する方針を固めたが、打診が在れば菅氏も受ける気満々で在る。」という報道。
菅氏と言えば、「叩き上げの政治家で在り、以前には“世襲政治家”に否定的な主張をしていた。」という人物。なのに、今回の総裁選で“世襲政治家の象徴”の様な小泉氏を担いだのは、偏に「犬猿の仲で在る麻生太郎副総裁(84歳)の存在が在る。」というのは、誰もが知る所。冷や飯を食わされている菅氏にとって、“実質的な大ボス”の座に在る麻生氏を、「何としても引き摺り下ろしたい。」という気持ちが在り、「国民的な人気が在る(らしい)小泉氏を担げば、彼が首相(←自民党総裁)になって、自分が大ボスに成れる。」という思惑が在ったからこそ、世襲政治家に否定的だった過去の主張を捨てて迄、小泉氏を担ぎ上げたのだ。
一方、大ボスの座から引き摺り下ろされたくない麻生氏は、高市早苗元総務大臣(63歳)を担ぐ事にした。元々はハト派の「宏池会」に所属していた麻生氏なので、超極右の高市さんんとは馬が合うと思えないのだが、過去に“麻生下ろし”に加担した石破氏憎しの思いが非常に強く、「彼は絶対に担ぎたく無いので、だったら消去法で高市さんを担ごう。」となったのが事実だろう。麻生氏が「高市さんを担げ!」と命令を発したからこそ、総裁選の1回目の投票で高市さんが1位に躍り出たのだろう。
中身の無さが露呈し捲った事で、“大失速”した小泉氏。彼を担いでいた菅氏も、「小泉氏じゃあ勝てない。高市さんが総裁に成ったら、麻生氏が大ボスの座に座り続けてしまう。だったら、決選投票で『高市vs.石破』になった場合は、石破氏に投票しろ!」と命令を出していたと言われている。実際、1回目の投票から決選投票への“票の動き”を考え合わせると、間違ってはいないだろう。結果、石破氏の勝利に結び付いた。
此れで麻生氏は大ボスの座から引き摺り下ろされ(「党最高顧問に就任する。」という話も在るが、こんなのは単なる“御飾り”に過ぎないし。))、菅氏が副総裁に就任すれば、彼が新たに大ボスの座に就く事に成る。「論功行賞によって、“党内のパワーバランスの移行”が図られる。」という、国民を一切無視した“我欲の充足合戦”は、此れ又“旧来の自民党の儘”。
「首相に就任したら、成る可く早く衆議院解散&総選挙を行う。」事を明らかにした石破氏。「新体制に付いて早く、国民の審判を仰ぐべきだから。」というのが理由。「10月中には、衆議院解散&総選挙に打って出るのでは?」とも言われている。
小泉氏も総裁選で同じ主張をしていたが、「何を具体的に行うのか等、判断材料を国民に与えない内に総選挙を行うというのは、『新体制になれば“御祝儀”で内閣支持率がグンと上がり、選挙に勝てるから。』という魂胆が在るからでは?」と問われると、「そんな事は無い。長丁場の自民党総裁選で、自分達はきちんと政策を訴え続けて来たのだから、国民には十二分に判断材料を出させて貰っている。」といった趣旨の発言を小泉氏はしていたが、全く答えになっていない。
何故ならば、「立憲民主党代表選挙が、立憲民主党所属の国会議員及び党の“サポーター”だけで行われる『国民不在の選挙。』で在る。」のと同様に、「自民党総裁選挙も又、自民党所属の国会議員及び党の“サポーター”だけで行われる『国民不在の選挙』で在る。」のだから、総裁選で幾らきちんと政策を訴え続けた所で、国民に対して十二分な判断材料が与えられているとは言えないからだ。加えて、「新体制での大臣達が“真面”なのか?」を判断するには、「組閣して直ぐに総選挙。」では無理。実に不誠実な遣り方だ。
麻生氏に助けを求めた小泉氏もそうだが、菅氏も石破氏も結局の所、古い自民党の体質を引き摺っており、自民党に所属する議員達も大なり小なり変わりが無い現実。結局、「自民党は全く変わる気が無い。」という事がハッキリ判った人事報道で在り、「石破新総裁に少しでも期待してしまった自分が馬鹿だった。」という事だ。
アンチ国家権力固執勢力(=自民党)の私からみれば、今回の人事も自民党らしいやり方だと納得。
党内にタカ派からハト派まで、党内野党を抱えながら四分五裂することなく政権の座にあったのは、常に権力の座にありたいという固執が接着剤の役割を果たしているのだと思う。
そこには『国民のため』というお題目はあっても有名無実。
国民のためより自民党のため、『国のため』の前提は国民のためではなく『自民党の支配による』が常について回る党の体質なのだろうと思う。
自民党の改憲案を見ると実に分かりやすい。
自民党の権力固執と比べると、野党の国家権力に対する淡白さ(=未熟さ)がよくわかる。
イデオロギー闘争に明け暮れ、些細な違いを針小棒大に騒ぎ立て、小異を捨てて大同につくどころか、それこそ四分五裂、だんだん小さな塊になって政権獲得から遠ざかるばかり。
しかしそれでは政権交代は夢のまた夢・・・。
国民が本気で政界再編を望むなら、まずは自民党下野を最低でも5年程度経験させ、自民党を極右、中道右派、中道左派寄りの3つぐらいに分裂させ、それぞれの主張に近い野党と合流する機運をつくる。
そのうえで極右、中道右派、中道左派、極左の4つぐらいの政党にまとめ、中道右派と中道左派が常に政権交代できるような状況に持っていく、というプランが必要だと思う。
これまで自民党を割って出たのがいつも中道左派寄りだったのが、結局自民党を右派寄り勢力に明け渡すもとになったのだと思うし、『保守』という名の実質『極右』に支配される事態を招いたのだろうことを考えると、最低でも党内極右を切り離すぐらいの、自民党の野党転落が必要だろう。
そういう見方をすれば、高市政権が誕生していれば自民党の下野が早まったのではないかと思うのだが、石破政権で高市派を取り込めなかったのは、それはそれで自民分裂の好機かも知れない。
と・・・勝手な妄想を描いてみました(苦笑)。
頂戴した書き込み、全く同感です。特に「此れ迄自民党を割って出たのが、何時も中道左派寄りだったのが、結局自民党を右派寄り勢力に明け渡す元に成ったのだと思うし、『保守』という名の実質『極右』に支配される事態を招いた。」という部分は、実に的を射ていると思いますね。
総裁選の際、(少なくとも最初は)裏金議員公認に対して厳しい姿勢を見ていた石破氏。だが、不満の声が上がると、"何時もの如く"腰が据わらなくなった。其の点を突かれると、「公認に付いては、じっくり検討する。」みたいな事を言っていましたけれど、報道の通り10月末に総選挙という事では、じっくり検討する時間なんぞ全く無く、結局の所は"済し崩し"で裏金議員達を公認するのは明らか。「馬鹿な国民は、御祝儀効果で政権支持率をアップさせてくれるし、裏金議員だろうと楽に当選出来る。」と考えているんでしょうね。実際、馬鹿にされておかしくない国民は少なく無いし・・・。
来るべき総選挙、此の国の未来を左右する"分岐点"に成る様な気がしています。「熱し易くて冷め易い。」という国民性を有する日本人ですが、今回、こんな愚弄されているとしか思えない決断をされても、従来通り自民党に投票する者が多いのか否か?
過去にも何度か書いていますが、良くも悪くも自民党のアクションは速い。「御祝儀効果で政権浮揚する内に、そして何よりも野党の足並みが全く揃っていない内に、総選挙を行えば勝てる。」という思惑からのアクションの速さ。
一方、野党、特に立憲民主党のアクションの遅さは致命的。自民党に政権交代を許して以降、一体何年経っているのか?其の間、新しい人材を育てる事も無く、又、国民から強い支持を貰える様な"具体的な政策"が全く打ち出せていない。本当に政権奪取する気が在るのか?野党第一党の座を死守出来れば、其れで満足なのではないか?そんな思いを持つ国民"も”、多いのではないだろうか。
「アクションが速ければ速い程、ミスをしても挽回出来る余地は多い。でも、アクションが遅ければ遅い程、挽回は不可能になる。」というのが自分の考えなのですが、其れを野党の人間は肝に銘じて欲しい。
其れにしても、小泉進次郎氏の"鍍金"の剥げるスピードの速さ(と言うか、此処に到る迄見抜けなかった人達というのも、個人的には「どうかしているよ。」と思ってしまうのですが。))も相当でしたが、石破氏の鍍金の剥げるスピードがこんなにも速いとは・・・全く予想外でした。
結局、小泉氏も石破氏も、自民党という″村"でしか生きて行けない人なのでしょうね。小児性の高い小泉氏の場合は"乳母日傘の環境”でしか生きて行けないのは判っていたけれど、石破氏の場合、"旧来の自民党的体質"という餌が無いと、生きて行く為のモチヴェーションが保てないのでしょう。