TBSラジオで放送されている番組「金曜ワイドラジオTOKYO えんがわ」。8日には、"57年前にTBSラジオで放送された料理番組"が再放送されていた。
1967年5月から放送開始と成った「おかずのヒント」(月曜日から土曜日の10時30分~10時40分)という番組で、銀座クッキングスクールの料理研究家・清水桂一氏が料理指導し、TBSアナウンサーのコムラ トモコさん(漢字表記不明)が聞き手という役割。で、驚くのは、「毎回、生放送だった。」という事。
今回再放送されたのは、1967年6月1日分【音声】。「今から57年前の料理番組って、どういう料理を扱うんだろう?今みたいに小洒落た海外の料理じゃ無いだろうし、肉じゃがとか御浸しとか味噌汁とかかなあ。」と思っていたら、何と何と「烏賊の中華炒め」。当時としては、非常に斬新な料理だったのではないだろうか。
此の「おかずのヒント」という番組、料理指導に入る前に毎回、「番組に協力してくれている店の方に、清水氏が『今日の御買い得品』を聞くというコーナー。」が設けられていた様で、今回の再放送分は鮮魚店の主人に話を聞いている。此の日の「入荷数は少なめ。」との事だが、"当時の物価"が窺い知れて、とても興味深かった。(是非、リンク先から聞いてみて欲しい。)
*****************************************************************
「放送時(1967年6月1日)の鮮魚価格」
・小鯵:40円/100g
・伊佐木:50円/100g
・真子鰈:50円/100g
・江戸前の鱚:100円/100g
・鰤の切り身:60円/切れ
・ワラサの切り身:40円/切れ
・梶木鮪の切り身:40円/切れ
・冷凍子持ち鰈の切り身:40円/切れ
・蜆:30円/大盛1皿
・浅蜊の剥き身:40円/100g
・青柳の剥き身:80円/100g
・走りの夏烏賊:15円/杯
*****************************************************************
放送の中で「40円/100gの小鯵は『中々高い。』、50円/100gの伊佐木は『幾らか(値段が)下がった。』、100円/100gの江戸前の鱚は『一寸高級ですね。』、30円/大盛1皿の蜆は『安い。』、そして15円/杯の走りの夏烏賊は『大きさは小さいけど、御買い得。』と言っている。
又、2021年の統計では「小鯵:122円/100g、蜆:100円/大盛1皿」という事なので、当時(57年前)と比べると「3.05倍~3.33倍」という感じか。
肝心の料理指導だが、実際に料理を作っている訳では無く、料理方法を説明しているだけの様だ。何しろ生放送、其れも放送時間が短い(「今日の御買い得品」の紹介も在るので、料理指導の時間は結構短い。)ので、調理方法の説明が雑に感じたりもするし、最後の方は「早口で説明して行く清水氏に対し、聞き手のコムラさんが戸惑っている雰囲気。」も伝わって来て、中々面白い。