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「『公務員限定』婚活中止、鳥取市 批判相次ぎ」(3月5日、共同通信)
鳥取市は5日、3月中旬に企画している男性の参加者を公務員に限定した婚活イヴェントを中止すると発表した。
5日にイヴェントが報道され、同市によると「税金を使って公務員限定の婚活イヴェントをするのは、如何な物か?」との内容の批判の電話が15件以上在り、5日夜に開催中止を決めた。
同市企画調整課の担当者は、「今後は行政の補助が在るイヴェントは、職種の取り扱い等に付いて、慎重に考えたい。」と話している。
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善意で考えれば、「独身の公務員が多いので、何とか相手を見付ける切っ掛けを作って上げたい。」という親心が、此のイヴェントを企画した人達には在ったのだろう。「昨今、婚活イヴェントを仕掛ける地域が多いので、内も乗り遅れない様にしないと。」という思いが在ったのかもしれないし、地方自治体が婚活イヴェントを企画する事自体は、“国の未来設計”を考えた上で決して悪い事では無いとも思っている。(「皆が皆、結婚をしなければいけない。」と言いたいのでは無い。結婚しようがしまいが、個人の自由。飽く迄も「結婚したいけれど、中々機会が無い。」という人達の一助として、「在り。」と考えているだけの話。)
しかし、公費を投入する以上、“身内”限定のイヴェントとするのは、どう考えてもおかしいだろう。此のイヴェントが発案され、そして決定される迄に、少なからずの人間が携わって来ただろうに、(発表されて)批判が相次ぐ以前に、誰も「おかしい。」とは思わなかったのだろうか?
(間接的で在れ、直接的で在れ)公費を私事に流用し、「全く問題無し。」と開き直る糞の様な政治家もそうだが、「公務員限定のイヴェントを公費で行う。」事におかしさを感じなかった者達も、心の何処かに“特権階級の様な意識”が在ったのではないだろうか。
ここに至る経緯も説明されていて、これまでにも数回このイベントを開催し、それまではオープンにしていたようですが、男性参加者に比べ、女性の申し込みが圧倒的に少なかったそうです。
で、男性参加者に対する女性側のニーズ、すなわち(安定した職業で収入も比較的高い)公務員に的を絞ったようです。
雇用の不安定に加え低所得が結婚の妨げになっている昨今の事情を考えれば、男女双方のニーズに合った選択だったかもしれません。
問題はそれを税金を使って公共が主催しようとした事にあるのですが、根本を考えれば、政府や財界の手前勝手な無策・愚策に振り回されての窮余の策だったとも言えるのかも。
「以前はオープンな婚活イベントを催していたけれど、女性の参加者が少なく、ニーズに合わせ様とした。」、そういう経緯が在ったんですね。企画者の考えは判らないでも無いけれど、でも矢張り、公費を投入する以上、“身内最優先”と思われる様な事は避けるべきでしょうね。「李下に冠を正さず」というのは、公の立場に在る人達にとって、特に守らなければいけない事だと思うし。
「少子高齢化」や「(労働環境面等が理由での)晩婚化」等、政治の無策が此の国を大きく傾かせている。そんな状況にも拘わらず、公私混同している政治家が多いのですから、本当に嫌になります。
それに公務員限定だと市役所の中でも回覧や一斉送信メールが回ってくるでしょうから、上司・同僚が独身の職員に対して強力に参加を勧めたり、参加しなかった職員に対して扱いに差をつけたりすることも懸念されます。結婚したいけど縁遠い人は別にいいのですが、独身主義者や隠れゲイの職員には迷惑だろうし、そのいずれでもないけど「相手がいればいたで感謝して、いなけりゃいないでやっていく」というスタンスの人にもプレッシャーだよなと思います。
これは私の偏見かもしれませんが、日本海側では出自に対する差別はマイルドだが、家族状況とか地域行事参加などの、能動的に選択することができる「と思われている」要素に対しては非寛容というイメージがあります。
日本海側ではありませんが、群馬県内で「晩婚化・少子化に歯止めをかける世話焼きおばちゃんの会」なる団体が発足したというニュースを以前見たことがあります。市内の各職場を回り、婚活のチラシを置いていくのみならず、職場のテーブルを借りて至近距離で婚活のすすめを説くという活動をしているそうで、NHK前橋放送局はこの活動を好意的に報じていました。世の中には異性愛者が大多数だから見過ごされがちですが、これはまぎれもなく少数派の存在を無視した性的指向への干渉であり、また、性的指向に関係なく他人の恋愛スタンスへの干渉だよなと思いました。
世の中には「本人が“正義心”や“親切心”からの行為と信じて疑わない事柄が、人によっては“大きな御世話”以外の何物でも無いケース。」が結構在ったりしますね。ぷりな様も書かれている様に、「結婚」に関する考え方も人其れ其れで、「結婚しないのは悪。」みたいな決め付けは、結婚願望の無い人間にとって大きな御世話でしか無い。
老婆心からの気遣いは判るけれど、強要するのは問題で在り、空気を読むと言うか、相手の状況を考慮した上での言動で無いと、無為に対立を生むだけというのは、国家間の問題と同様でしょうね。
ぷりなさんの書き込みですが、農村部はそうだけど、市街地はさすがに変わりつつあるかな。県庁所在地周辺の市街地だと都会とあまり変わらないように思うが、都会の住宅地から見ればそれでも前近代的と思うかな?いずれにせよそういう「ムーブメント」は「新規開発型B級グルメ」同様にあまり成功した話は聞かない。私の県で人口が増えてるある○○郡の町は「地道な企業誘致・交通の便が良い(県の経済・工業の盛んな地域にすべて隣接しており、幹線道路・JRすべて近くにある)・若者にも手厚い福祉(高校生まで医療が無料)・新興住宅街の造成と安い地価」の条件がすべてそろっているところです。それ以外のところは何しても泥縄です。だいたいバスに一回乗るのに1000円取られるコミュニティバスで誰が通学しますか。病院通いしますか。JR駅に行くには10キロぐらいありますよ。バスはその1000円のか一日2回のですよ。それも一回乗ったら420円ですよ。ところがそういう市があるんですねー。そんな市では高校生育てられないでしょう。市の地域ボスは高校生の子供が2人も3人もいたらそんな額の定期代出せない人が当然いることすら信じないのですよ。車運転できない年寄りになったら地獄ですよ。送迎してくれる子供に気兼ねして天気の悪い日には病院行くのやめるんですよ。子供も夜勤明けだったりするから。
そうやって人はもっと便のいいところに行くわけです。愚痴や悪口何にも言わずにね。
一般的に、“非難され易い職業”っていうのが在ります。政治家や公務員(特に警察や教師)がそうで、「我々の血税から給料を貰ってる癖に、踏ん反り返りやがって!」という反感が在ったりする。
国民の生殺与奪権を握っている政治家の場合、一寸した言動で、或る程度非難されるのは仕方無いと思っていますが、公務員には同情を覚える面も在る。
だから、安直な公務員バッシングに乗っかるのは好きじゃないし、記事を書く上では留意している積りなのですが、今回の記事の場合、幾つかの記事をチェックはしたものの、潜在的な不満(身近の公務員の言動で、憤りを感じた事等。)が反映されてしまった感は在り、悠々遊様からの情報で、反省させられた次第です。
「一回乗るのに、千円取られるコミュニティー・バス。」等、都心部では考えられない様な厳しい現実が、地方では在ったりするのですね。劣悪な環境から、若い人達がどんどん都心部へと流出してしまう。悪循環が更なる悪循環を生み出しているというのは、抜本的な改善策が打たれなければいけないのに、深く関わるべき政治が行っているのは、“取り敢えずの目眩まし”許り。此れじゃあ地方は疲弊する一方で、延いては国力も落ちるだけ。
真に国が良くなるならば、増税等は止むを得ないと思うけれど、政治家は「議員定数削減」等、自分達の特権死守に汲々としている。此れではとても、諸手を挙げて賛成は出来ない。「先ずは隗より始めよ」というのが、大事な事かと。
事情が変わったのはバブル崩壊後。地場産業(たいがい繊維関係・家庭内手工業系が多いな我が地域!ほかもそうか?)の低迷で、そういう産業しかなかった小規模自治体ではあれよあれよで零細企業の社長より役場の職員の所得が高いという感じになっちゃった。ここから公務員バッシングの泥仕合。地場産業の会社組合出身「やり手」町長が最初にやったのは「公務員に『いらっしゃいませ』と言わすこと!」、今思うとあほかーほかにやることがと思うが町民拍手喝采!でもその町長の代に平成大合併!町内の唯一の大卒就職先がなくなっちゃったのでした。チャンチャン。まあまだ役場があるころから、その前の代の町長の息子、甥・姪が役場には入らず東京で就職って「事件」が起こっていたが。(昔ならそういう子らは次代の「リーダー」候補生で役場と言わず、地銀でもどこからでもお声がかかって都会定住は許さない!強制送還!だったのだが)
そしてその大合併後のさらにお笑い展開。唯一合併に首降らなかった町に若い世帯が集まってる。理由は上に書いたような「地価やすい・税金やすい・高校まで医療費ただ」。その町は県庁所在地に程よく近い/JRと光速に近い・空港にも近いよってなわけで大手の工場がいくつかある。更に人口がもともと6000人弱。その工場からの税金がじゃんじゃん、住んでいるやつ少ないから再分配豊富ってなわけです。だから近辺の市は「男性は当市の市民に限る」なんて婚活パーティやってもそれがきっかけで結婚した奴が新所帯をそこの町に買っちゃうんで地団太踏んでる。どうもこういう話どこの県にでもあるらしい。下手に県庁所在地に隣接してて人が増えすぎてもいかん。そこの町はほんとちょうどいい立ち位置の幸運、いやただボーっとしてたわけでない。昔の町長さんの大手企業日参が今報われてるわけです。(でもさすがに超高学歴だったらそこの町の出身の子もなかなかそこには残れないかな、とは思うけど)
其の時代時代に、“花形産業”って在りますよね。「鉄鋼業」だったり「造船業」だったり「繊維業」だったりと在った訳ですが、バブル期の頃は「証券業」が花形だったりしました。
当時、「一生安泰。」という事で公務員も人気が在ったけれど、「でも、民間企業の方が給料が良い。」という事で、証券やら銀行やらに就職した知人が結構居た。自分も某証券会社から内定は貰っていたものの、内情を知ると、「此れは身体が持たないな。」と思い、製造業に就職。バブル崩壊と共に、証券やら銀行やらに就職していた連中は次々と辞め、「給料が良い。」という民間企業もベアが少なかったり、時には無くなったりし、何時の間にか公務員になった知人の方が給料は良くなったという次第。AK様の書き込みを拝読し、そんな事を思い浮かべました。