ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

4分の1以上が未加入

2010年07月31日 | 時事ネタ関連
四半世紀以上前の話だが、路上に停めていた家人の車に暴走車が激突した。知り合いと暴走行為をしていた未成年の兄ちゃんがハンドル操作を誤って突っ込んだのだが、の車は大破状態。警察官を呼んで現場検証及び相手の身元確認をして貰い、翌日相手の家を訪れたのだが、その兄ちゃんの両親が出て来て最初に発した言葉が「あいつ、又遣ったんですか。申し訳無いです。家も、あいつには困ってるんですよ。」だった。父親の車を乗り回し、過去に何度か事故を起こしていたのだ。「過去に何度か事故を起こしているのに、それでも家の車に乗らせ続けていた。」というこの両親には呆れるばかりで、「この両親にして、あの子在りだなあ。」と思ったが、更に呆れ果てたのはこの車が全くの無保険車だったという事実。任意保険どころか、自賠責保険(強制保険)にすら入っていなかったのだ。「申し訳在りません。必ず自費で弁償しますから。」と頭を何度も下げたので、その念書として記して貰ってその日は帰宅。しかし、それからが大変だった。

一向に支払いが無いので何度か電話するも、居留守を使われたり、電話に出てものらりくらりと言い逃れをするばかり。挙句の果て、「あいつにはこっちも迷惑しており、自分達に支払う義務は無い。」と言い出す始末流石に頭に来て、知り合いの法律関係者に間に入って貰い、何とかかんとか弁償させたのだが、肉体的に精神的にも困憊させられる日々だった。

週刊文春(7月8日号)に、「『事故』に遭ったらどうなる?4台に1台が任意保険未加入」という記事が載っていた。損害保険料率算出機構の資料によると、任意保険加入率は72.8%(対人及び対物賠償保険)で、詰り、道路を走っている車の4台に1台以上は任意保険未加入なのだそうだ。景気の低迷も影響してか、この未加入率はこの十年程殆ど変わらないとも。

自動車事故に遭って亡くなった場合、遺族に支払われる保険金の額は被害者の年齢や所得によって異なるが、過去には働き盛りで亡くなった者に対して3億円を超える額が支払われたケースも在るとか。其処は行かないにしても、一般的に相当額が支払われるのは常識。自賠責保険(強制保険)で支払われる最高額は3千万円迄で、それ以上は任意保険で賄われる訳だが、もし任意保険に入っていなかったら、その不足分は加害者が自腹を切る事に。でも、加害者に充分な資産が無かったり、自己破産して免責を受ければ、遺族は泣き寝入りするしかない。自賠責保険にすら加入していなかったら・・・考えるだけで恐ろしい話だ。*1

自動車保険の歴史に付いて詳しく知っている訳では無いので、あくまでも推測だけれど、恐らく昔は自賠責保険(強制保険)の補償限度額で何とか対応出来たのだろうが、補償額が増えて来るに従って、「これは対応出来ないぞ。」という事になり、任意保険というのが出て来たのではなかろうか。任意保険は言葉通り「加入するのもしないのも任意。」なので、加入を無理強いは出来ない。だったら時代は変わったのだから、自賠責保険(強制保険)の補償限度額を変えても良いのではないか?対物は現状通り補償無しでも仕方無いけれど、対人は無制限にして貰いたい。加入者の年齢等で保険料が変わるだろうし、生活困窮者にとって負担が増大するという問題も在ろうけれど、遺族が泣き寝入りさせられる事態だけは何とか避けなければいけないと思う。

*1 オートバイの場合、任意保険の加入率は更に悪く、40%以下とか。自賠責保険(強制保険)にすら加入していないケースも珍しく無いというのだから、本当に怖い。

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4 コメント

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>ハムぞー様 (giants-55)
2010-08-01 23:17:58
書き込み有難う御座いました。今回はこちらにレスを付けさせて貰います。

我が家の場合は何とかかんとか弁償させる事が出来ましたが、ハムぞー様が書かれた御店の様に、結局は泣き寝入りしなければならないケースも結構在るんでしょうね。店の再開が叶わなかったなんて、本当に個人の人生を変えてしまう訳で、「運が悪かった。」なんて言葉では済まされない。法律の改正も含め、早急に対策を打って貰いたい物です。
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運が悪いで済まされない (ハムぞー)
2010-08-01 23:02:05
g-55さんのケース、
任意はともかく強制も入って無いなんて
ひどいやつもいるもんですねえ・・・

さて、実家の近くにあったとある店屋の話
あるとき店舗に車が突っ込んできて店が大破
しかし運転手が無保険者だったので
なんだかんだあったのでしょうが、結局店は再開されることはなかったのでした。
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>はしれんたろう様 (giants-55)
2010-07-31 21:48:58
書き込み有難う御座いました。今回はこちらにレスを付けさせて貰います。

そのCM、自分も覚えています。明るいシーンから、男性が暗闇で頭を抱え込むシーンに一転し、書かれていたナレーションが淡々と流れるというCMだった様に記憶していますが、強烈な印象を残しました。

「何処迄が生活必需品なのか?」という線引きは非常に難しく、交通網の発達していない田舎も然る事乍ら、都心でも車が無いと働き口も無いというケースも在ります。中古車に乗った生活困窮者が、無保険だった場合・・・それを考えると怖い思いが在りますね。
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CMの効果 (はし れんたろう)
2010-07-31 15:48:02
僕が小学生の頃ですからもう35年以上前になるでしょうか。その頃、流れていたテレビCMがやたらと強烈でした。

正座して肩を落とす男性の後姿が映る画面にナレーション、

「彼はもう、世間に顔向け出来ません。

起こしてしまった交通事故。あの時雨さえ降っていなければ。せめて保険にさえ入っていれば。

しかし、もう遅いのです。

今日、ハンドルを握るあなたの、明日の後姿かもしれないのです。」

交通事故というのが被害者のみならず、加害者にとっても悲劇である事を知らしめたCMだったと思います。クライアントは、特定の保険会社ではなく、保険会社の連合団体だったと記憶しています。

大人になって免許を取ってからも任意保険というのは、税金と同じという感覚をずっと持ってきましたが、不況のせいでそういった面が疎かになるのは残念なことですね。低所得層への任意保険料金の援助、を行政に求めても
「そもそも、所得が低いんならクルマになんか乗るなよ。」
と却下されそうですし。
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