「自分にとって不都合な事は、何でも彼んでも病気の所為にする様な人。」が居る。自分は、そういう人が苦手だ。でも、病気で在るか否かは、当人しか判らない事。傍目からは「仮病だろう。」と思われてしまう事でも、当人は物凄く苦しんでいる事も在るだろう。
子供の頃、クラスに“とても落ち着きが無い同級生”が居た。恐らく彼の通知表の所見欄には「落ち着きが無いので、努力して治しましょう。」といった感じの事が、毎学期書かれていたに違い無い。当時の自分も彼の言動に触れる度、「何て落ち着きが無いんだ。好い加減にして欲しいな。」と思った事も。でも、今になってみれば「彼は、ADHD(注意欠陥・多動性障害)を罹患していたのかも知れないな。」と思ったりする。当時はそんな病気が存在する事は、一般的に知られていなかった。ADHDに罹患しているのに、「落ち着きが無い。」の一言で抑え込まれていたとしたら、嘸や当人は辛かっただろう。
昨日、聞いていたラジオ番組で「ミソフォニア」なる用語を初めて知った。「音嫌悪症、又は音恐怖症とも呼ばれる医学的な障害で、此方に詳しく記されている様に、唇鳴らしや咳払い等、我々が日常的に触れる“生活音”に対し、強い怒りの感情が起こり、発汗や筋肉緊張、高心拍数等の“闘争・逃走反応”の症状が出る。」のだとか。
ボールペンをカチカチ連打する音とか、歯の間に挟まった物を舌で取ろうとする際に出る「チッチッ。」という音等、自分も苦手な生活音は在る。でも、苦手では在っても、感情をコントロール出来ない程のレヴェルでは無い。
先月読んだ小説「夜明けのすべて」で、「PMS(月経前症候群):数ヶ月に亘って月経の周期に伴って、黄体期で在る月経の3日から10日位前から起こり、月経開始と共に消失する、一連の身体的、及び精神的症状を示す症候群。」の事を知った。「PMSを罹患している主人公の女性は、症状が出ると“一寸した音”にも苛々してしまい、感情がコントロール出来なくなって、怒りを打ちまけてしまう。」のだが、ミソフォニアの症状と似た部分を感じる。病気の事を全く知らない人達からすると「扱い難い人だなあ。」と忌避されてしまうだろうし、「病気を理解して貰えないのは、気の毒だなあ。」という思いが。