ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

伝統

2005年10月12日 | スポーツ関連
来年の体操競技からは、10点満点の採点方法が撤廃されるという。嘗て、最高難度の技はウルトラCと呼ばれていたが、今では当たり前にこなせるレベルになってしまったとの事で、スーパーEというのが最高難易度の技なのだとか。最早、10点の尺度で評価するのが難しくなったという事らしいのだが、”白い妖精”ことコマネチが史上初の10点満点を連発したのをリアルタイムで見ていた者としては感慨深いものが在る。因みに新しい採点方式では、「選手の演技構成の難度を反映した上限無しの演技価値点」と「実施の正確さを10点満点から減点して出す演技実施点」の2つを合計する為、合計点は10点を超える事になるそうだ。

時代が変わったという意味では、「週刊ポスト(10月7日号)」に掲載されていた「野村克也岡田阪神優勝と不満分子』」という記事の中にもそう思わされる内容が在った。記事全般は、今岡選手への痛烈な嫌味等、何時もながらのボヤキ連発という感じなのだが、指揮官の重要な仕事の第一は人作りである。という彼の持論を説明した部分が興味深かった。

野球に於ける「人作り」には、選手だけではなく自らの後継者を育成するというのも含まれるそうで、彼が南海ホークスでプレイングマネージャー(選手兼任監督)をしていた1972年の事を振り返っている。当時ジャイアンツ監督を務めていた川上哲治氏から、南海の富田勝選手が欲しいというトレードの打診を受けたのだそうだ。料亭で川上氏と待ち合わせをし、部屋に入った所、其処には何とジャイアンツの次期監督候補だった長嶋茂雄氏も同席しており、驚いてしまったという。川上氏曰く、自らの後継者となる長嶋氏にトレードの交渉現場を見学させてやりたいという事で、野村氏は当時のジャイアンツには、そうやって後継者を育成し、受け継いで行くという良き伝統が残っていた。と語っている。

野球関連の記事は昔から結構読み漁っている方だが、不覚にもこの話は全く知らなかった。”ドン”と”チョーさん”が未だ蜜月の関係に在った頃の話だろうが(笑)、後継者育成という概念がしっかり息づいていたのが良く判る話だ。

今では、トレードを取り纏めるのはフロントの仕事という形に”一応”なっているので(その割には、トレード失敗の責任を全て監督に押し付けるチームが多いのは解せない所だが。)、トレードの交渉現場に後継者を同席させるといった事は不可能に近いとは思うが、その他の部分でチームを挙げて後継者育成に注力しているチームがどれ程在るか疑問の残る所だろう。

唯、こういった話はプロ野球の世界だけではない。一般企業に於いても、リストラが急激に進み、個々人が抱える業務量が増えた事と、成果主義を拙速に取り入れた事から、従来の様に自分の業務をこなしながら後輩を育成するというスタイルから、自らの業務遂行に汲々として他者の事等構っていられないといった「一匹狼」スタイルへと移行している現実が在るからだ。

嘗て得意としていた「物作り」を放棄したとも言える我が国。次は、「人作り」すらも放棄して行くのだろうか。
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7 コメント

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古きよき時代 (ハムぞー)
2005-10-12 07:09:31
>体操

この休みに古いフィルムをNHKでやっていましたが、加藤沢男の演技を見ました(床でした)。

今の軽業オンパレードのような体操とは違う、演技の美しさを見たような気がします。

(難易度で言うなら、今ならちょっとした高校生でもできるのでしょう)



>野村

将来を考えての「長嶋の同席」は凄いですね。

それを踏まえて考えると、堀内ー原のリレーに、そんな「深謀遠慮」は見えなかったです。

これも「古きよき時代」だったのでしょうか・・。
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わかての育成 (syuu)
2005-10-12 08:54:50
 体操は最近男子の新体操も人気ですね。一度テレビで見て、感激しました。技もどんどん難易度が上がっていき、どの競技でもそうなのでしょうが、以前のウルトラCも、ウルトラではなくなっているのでしょうね。

 若手の育成に関しては、昨今の個人主義で、どんどん衰えている気がします。うちの旦那の元にも一人若手がおりますが、なかなか大変なようです。ことあるごとに「疲れた」と言うらしく、今まで「育ててもらっていた立場」にいた主人にとっては、「育てる立場」の苦労がひしひしと感じるようです。監督業でもそうなのでしょうね。選手達にしても、自分の事ばかり考えてチームのことは2の次、という風潮があるのでは?チーム成績が悪いのは監督のせい、では自分も育ちませんね。

 こんなぼやきは「古きよき時代」を懐かしむ態度なのかな?いつまでもなくしてはいけない風潮もあると思うんですが・・・。

 追伸:話は変わりますが、CSで、今度「Gメン’75」の再放送が始まります。懐かしいです。
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Unknown (餅きなこ)
2005-10-13 06:46:34
 せんみつ情報ありがとうございました。

地元に帰ったとき、パチンコ屋にポスターが貼っていました。いつもの笑顔にちょっと笑ってしまいました。



 この文章の最後の言葉がとっても身にしみます。



  「物づくりの放棄」



 経費節減を考えて、経費が安くなる国へ作るのを頼んだりすることで、日本人がつくんなくなっちゃう。しょうがないけど、なんか悲しい。

 サキチの話では、アニメの色塗りみたいなことを、日本の若い人がしないで、代わりに他の国に頼むみたいで、若い人が育たないみたいなことを言ってました。これって深刻ですね。

 苦労をすることが美学ってのじゃなくて、技術が身につかないっていうか。

 NHKのプロジェクトXが打ち切りになるのもわかる気がします(汗)
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セもプレーオフ (higu)
2005-10-14 00:52:43
楽天がTBS株取得しました。ニッポン放送が横浜のオーナーになりかけた時の事を繰り返すのでしょうか。



川上氏と長嶋氏の話、興味深いですね。そう言えばカープはもう2009年から一昨日引退した野村が監督に就任する予定とか。後継者育成とはちょっと違う気がしますが(笑



パのプレーオフが行われ盛り上がっていますがセも再来年からプレーオフを導入するそうですね。

東西地区制(東・巨人,ヤクルト,横浜。西・中日,阪神,広島)という案も考えられますが横浜が提案したのは前後期制に近い形とか。

唯前後期制だと「前期優勝したチームが後期手を抜く」という問題や「年間で最も勝ったチームがプレーオフに出られない」といった矛盾が出るかもしれません。

パもそうですがナ・リーグとア・リーグで30球団あるメジャーに対し、1リーグに6球団しかない日本でプレーオフと言うのはどう工夫しても無理が出てしまう気がします。

また営業面で苦戦していたパが導入し、セの優勝チームが決まっている時期にやるからこそプレーオフがこれだけ注目されている一面もあるかと。

けれどパのように「より多くのチームが優勝争いに絡める」ので消化試合は減り、興行的にはプラス面も多いでしょうが。でも何となく「柳の下の泥鰌」みたいですね。



パもセもプレーオフをやるならせめて1リーグ8球団でセパ16球団にしたらどうでしょうか。今年、昨年とホークスがプレーオフで苦戦しているのは“シードの難しさ”、“実戦から離れている”のも大きいと思います。

パの場合8球団で4位までプレーオフ参加を認めれば(その代わり上位チームには徹底したアドバンテージ)“シードの問題”は片付くように思います。

セはプレーオフを導入するならパとは違った制度の方が面白い気がします。仮に8球団なら東西4チームに分ければ良いかと。イチロー選手所属のマリナーズのア・リーグ西地区も4チームですし。

ちょいとばかり理想論過ぎますね。けれど矛盾が全くない制度は無理でしょうが少しでも少なくなるよう両リーグの関係者には頭を捻ってもらいたいです。

giants-55さんはプレーオフ導入を前提とした場合どういった案をお考えになりますか。



追記

プレーオフで中々勝てないホークスは嘗ての阪急ブレーブスのようですね(そう思うのは私だけでしょうか)

それにしても、どうしてどこの民放各局もパのプレーオフを中継しないんでしょうね。(第1ステージ2試合目はありましたが)

8月セの5位と6位の実質“消化試合”は中継してたのに。ロッテサポーターは不満に思っているようですよ。
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>higu様 (giants-55)
2005-10-14 04:57:28
書き込み有難うございました。



楽天のTBS株取得に関して、自分もニッポン放送がベイスターズの経営権を譲り受け様として頓挫した件を思い浮かべました。案の定、ナベツネがその部分に噛み付いていましたが、八百長の絡みを考えるとやはり好ましくは無い気がしますね。利益追求がビジネスの根幹とはいえ、何か殺伐としたマネーゲームの話ばかりで心が荒みます。



野村選手(元選手と言った方が正確かもしれませんが。)が2009年からカープの監督になるという話が在るんですか!?って事は、ブラウン監督は3年で御引取り願うという事になりますよね。それも、何か失礼な話ですよね。とは言え、ジャイアンツの藤田監督(第一次政権)も、王監督への繋ぎ的な扱いでしたから、他所のチームをどうこう言えませんが(笑)。



プレーオフ制度に関しては、正直な所余り好ましく思っていません。確かに、消化試合を減らし、ファンの興味を出来るだけ長く繋ぎ止めるという意味に於いては評価出来るのでしょうが、昨年のホークスの様に(今年も同じ事になりそうな予感がして来ましたが。)長丁場の公式戦を闘い抜き、4.5ゲームの差を付けて”本来は”優勝していたチームが、結果的には優勝を逃すというのは”心情的に”納得出来ない部分がどうしても在ります。長丁場をあくまでも予選と割り切れば良いのでしょうが、短期決戦のプレーオフでは絶対的な力を持った投手を複数揃えているチームがどうしても有利に働き、(ライオンズ・ファンには申し訳無いのですが。)公式戦を大差を付けて首位で終えたチームが借金を抱えたチームに優勝を攫われるという可能性も充分考えられ、納得出来なさ加減に拍車をかけています。



今季のジャイアンツの様な有様では、「プレーオフであわよくば。」という手前勝手なスケベ心も湧きますが(笑)、higu様の書かれている様に1リーグに6チームしかない日本球界では、その半分に優勝の可能性を与えるシステムはそぐわない気がします。



「プレーオフ制度導入を前提に」というのではなく、ファン&選手のモチベーションを高める意味では、最下位乃至は最下位とブービー・チームをリーグ入れ替えとするシステムにした方が余程効果的な気もします。交流戦の導入で以前よりはオーナー・サイドの抵抗も薄まっているだろうし(そうでもないですかね。)、その一方で何やかんや言ってもセ・リーグにしがみ付いていたいという人間(オーナーだけではなく、ファンや選手も含めて。)も居るであろう事から、最後の最後迄気が抜けない試合をするのではないでしょうか。過激な案(?)で言えば、優勝チームが決定した段階で、メジャーの様に公式戦を全て打ち切ってしまうというのも在りますが、そうなると興行収入や諸々の面で日本の場合は問題が大きいんでしょうね。



それにしても、王ホークスの姿を見ていると、自分の場合「西本ブレーブス&バファローズ」の姿がオーバーラップしてしまいます。幾度となく日本一に手が掛かりながら、結局は日本一になれなかった”悲運の将”西本幸雄氏。王さんの場合日本一になってはいますが、ジャイアンツ時代に勝ち星で上回りながらも勝率で優勝出来なかったり、昨年&もしかしたら今年もというケースを考えると、何か似通った感じを持ってしまいます。マリーンズにも思い入れが在るのですが、やはり王さんの大ファンなのでホークスには踏ん張ってうっちゃりをかまして欲しい所です(^o^;;;。



それにしても、プレーオフを”原則”放送しないTV局っておかしいですね。自分等は気になって、ラジオでチョコチョコ確認していたというのに。マリーンズ・ファンが不満に思うのも当然だと思います。
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パのプレーオフは『必要悪』。だがセは‥‥ (higu)
2005-10-16 02:15:34
再度の書き込み、失礼致します。



今日は速報でマリーンズ4-0ホークス(8回表)と知った時はロッテ31年ぶりの優勝を確信しましたが‥‥。CS放送を見ていた私の家族は9回以降の出来事にあっけにとられてました。

ホークスはこれで波に乗れるでしょうか。giants-55の予言(?)当たるかもしれないですね。



私の稚拙なコメントに対するgiants-55さんの発言を拝見し再度コメントしたいと思っておりましたが纏めるのにだいぶ時間がかかってしまいました。

リーグ入れ替えは面白い案ですね。しかし「パの優勝争いから脱落したチームがわざと下位になる」可能性やそう勘ぐられてしまうかもしれない事を考えると難しいでしょうか。

また仮に巨人か阪神の一方がパに行ってしまった場合『伝統の一戦』がぐっと少なくなってしまう問題もあります。唯ちっとも過激な案ではないと思いますよ。



私も実の所プレーオフは好ましく思っておりません。パが導入を決めた時も「アホの事を」と思いました。

矛盾だらけのこの制度。ですがパリーグの現状を考えたら『必要悪』かなとも思うのです。

成績が悪くなければほぼ毎試合中継されるジャイアンツ、その相手としてテレビに映る機会の多いセの球団に対しパの球団は交流戦がスタートしたとは言え全国放送の機会はかなり少ないです。そもそもパリーグは優勝のかかった試合でもテレビで中継される事は殆どありませんでした。これはセも巨人以外の球団は同様ですが(阪神18年ぶりの優勝も放送されませんでした)

そんなパにプレーオフは全国中継の絶好のチャンス。逆にプレーオフがなければ01年の近鉄のような劇的な優勝決定戦も地上波の全国放送では見られません。



もしプレーオフがなければパリーグが“ここ迄”注目されたでしょうか。ホークスファンには大変失礼、無礼ですがレギュラーシーズンのみで「ホークス3連覇」ではこうはならなかったと思います。

ホークスファンには気の毒と思いつつセのような伝統の一戦のないパにはプレーオフのような制度も『必要悪』として存在していいかと。10・19をはじめ数々の名勝負を生んできたパですが人気や収入面ではセにこれ迄及びませんでした。問題点多いプレーオフですがパリーグがこれ程注目されるようになったのもプレーオフのおかげ。

2位と3位が優勝できてしまうのは確かに問題です。が、どうあっても矛盾が出るのもこの制度。本家アメリカでは去年、一昨年と2年連続でワイルドカードのチームが全米一になりました。昨年は松井選手のヤンキース(東地区1位)もア・リーグ優勝決定戦でレッドソックス(同2位)に敗れています。



改善すべき点は山程ありますがパが盛り上がる為にはプレーオフも必要と思うのです。王監督も(本当は言いたい事も色々あるでしょうが)「リーグが盛り上がるのなら(プレーオフも)いい」と仰っていました。こう言われる王監督、そしてホークスの選手やファンの為にも少しでもより良い制度をパリーグは模索して欲しいですし、すべきです。



延々とプレーオフ肯定論を述べてきましたがそれはパの話です。セは安易に追従すべきではないと思います。

セリーグはパリーグより恵まれています。巨人、阪神の人気・ブランドもあります。

導入が決定したとは言えセがプレーオフで優勝を決めるのはいかがでしょうか。一度再考したほうがいいと思います。



追記

上でも述べたようにリーグの為にと思い理不尽さにも不満を殆どを口にしない王監督。去年悔しい思いをした選手、ファンを思うとホークスにも優勝して欲しいですが。なんせロッテは31年ぶり、Aクラスも10年ぶり。今年は譲ってあげて、と思ってしまう己の身勝手さに嫌気も差しますがどうしても心情的にはロッテ。

どっちらも優勝できたら良いのに(笑



再度の書き込み、長文誠に失礼致しました。
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>higu様 (giants-55)
2005-10-17 01:58:56
書き込み有難うございました。



昨日、地上波としては初めて首都圏でプレーオフを中継したテレビ東京には、感謝の電話が殺到したそうです。昨年のプレーオフが大盛り上がりした雰囲気が在ったものの、視聴率的にはそれ程でもなかった事も在りますので、今回の英断が視聴率面成功だったのかどうかは結果を見ないと何とも言えないでしょう。唯、仮に視聴率が思った程ではないにせよ、少なからずの人間が望んでいる中継を行ったテレビ東京には拍手を送りたいし、「この局って結構やるなあ。」という視聴者の好意的な思いが、ゆくゆくはテレビ東京の躍進に繋がればと思います。



それにしても、一昨日&昨日と緊張感の在るゲームでした。崖っぷち迄追いやられたホークスでしたが、窮鼠猫を噛むの喩えではないですが、何とかかんとかタイに持ち込み、いよいよ明日優勝チームが決まる運びとなりました。第一次政権時からバレンタイン監督には好感を持っていましたし、12チームで最も優勝から遠ざかっているチームという事、そして何よりも先日の番組で見た初芝選手の直向な姿に感動してしまった事から、マリーンズに勝たせて上げたい気持も強いのですが、公式戦の結果や昨年の事も踏まえて、やはり大好きな王さんの率いるホークスに何とかチャンピオンフラッグを奪い取って欲しいなと思っております。



プレーオフ制度に関しては、ドラゴンズの落合監督が異議を唱えておられますね。半年近くの長丁場を闘って掴み取った栄光が、僅か数試合で失われてしまう事の理不尽さを、「封建的な考えと言われるかもしれないが。」とした上でおかしなシステムと語っています。自分も同じ思いが在ります。



唯、10.19で2試合目に勝てず、その悲劇性の故にディープなファンを増やしたとも言われる近鉄バファローズの事を考えると、理不尽な負け方をしたチームには、判官贔屓な御国柄故に、新たな熱きファンが増える可能性も捨て切れず、結果的に野球人気が盛り上がって行くので在れば、それなりに理不尽なシステムで在っても認めていかなければならないのかなあと思ったりも・・・。
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