教育現場に纏る記事を2つ紹介したい。
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「岐阜公立高校入試:答え!?黒板に 『欠席』の書き取りで」(3月14日、毎日新聞)
岐阜県で13日に在った公立高校一般入試で、「欠席」を漢字で書く問題が在るにも拘わらず、一部の試験会場で受験生に欠席者が居ない事を示す「欠席無し」の文字が黒板に書かれていた等として、県教育委員会はこの問題に付いて受験生全員を正解にした。
第1科目目の国語の「問一」は問題文の中の「ケッセキ」を漢字に改める問題だった。県教委によると、或る高校で試験開始直後、黒板に「欠席無し」と書かれている事に気付いた受験生が、試験官に「此処の漢字が黒板に書いてあります。」と指摘。高校が県教委に連絡した。
国語の試験終了後、県教委が全校に確認した所、計9校(受験者数1,841人)で黒板や机に「欠席」、「欠番」、「着席」等と書かれていた。中には普段、高校で出欠状況を書き込む為に、黒板の端にペンキで「遅刻、早退、欠席」と記されていた試験会場も在ったという。県教委は「出題と会場準備に一層の配慮をしたい。」と釈明している。
岐阜県の公立高校入試は全校統一問題で行い、計64校で1万889人が受験した。
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この記事を読んで、思わずニヤリとしてしまった人も多いのではないか。必死で試験に取り組んでいた受験生には申し訳無いが、答えが黒板に書いてあったというのは何とも間抜けな話。唯、これと似た様な経験を、自分は嘗てした事が在る。中学時代の英語の試験で「英単語のスペルを穴埋めする問題」が出たのだが、前方の掲示板に貼ってあったポスターに思いっ切りその英単語が、それもかなり大きく記されていた。「こりゃラッキー!」と“カンニング”させて貰ったのは言う迄も無い。
他にも気付いていたクラスメートは居た様だ。試験終了後にこの件が問題となったが、当該する問題が「全員正解」とされる事も無く、通常通りに採点された。その理由を英語教師は「等しく同じ条件で試験を受けたのにも拘わらず、ポスターの英単語に気付いた人間と気付かなかった人間が居た。公平を期すとして『全員正解』にするのも一つの考え方だが、他者よりも注意力が優っていたからとして“罪”に問わないのも一つの考え方だと思う。社会に出れば、全てに於いて公平という事は無いのだし。」と。(後方の席に座っていた人間は見えなかった可能性が高い等、厳密に言えば「等しく同じ条件」では無いのだが。)この考え方には当然異論&反論も在ろうが、当時の自分は「上手い事を言うなあ。」と思ったものだった。
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「学校裏サイト3万8千件、『ウザイ・消えろ』2割に中傷」(3月14日、読売新聞)
虐めの温床になっているとして社会問題化しているインターネット上の「学校裏サイト」を文部科学省が調べた所、集計が纏まった39都道府県だけで約3万8,000件が開設されている事が判った。
この内少なくとも2割で「ウザイ」(鬱陶しい)、「氏ね」(死ね)といった特定の個人への攻撃や中傷が確認された。同省は14日午後に都道府県の青少年行政の担当者等を集めて開く「ネット安全安心全国推進フォーラム」で集計結果を公表、対策の具体的検討に乗り出す。「学校裏サイト」は学校の公式サイトとは別に、児童や生徒等が開設した非公式な掲示板の総称。
同省によると、学校裏サイトを通じた中傷や虐めは2006年頃から目立ち始め、同年秋には、仙台市内の中学3年の男子生徒が「この世から消えろ。」等と中傷されて不登校になり、書き込んだ生徒2人が家裁に送致された。昨年7月に神戸市の高校3年の男子生徒が自殺したケースでは、サイト上に裸の写真や悪口が投稿されていた。
ネットを巡るトラブルの相談を受けている「全国webカウンセリング協議会」にも、学校裏サイトに関する悩みや相談が昨年1年間に374件寄せられた。
この為、同省は今年1月から民間の調査会社とNPO(非営利組織)に委託して実態調査を開始。裏サイトを紹介している「全国学校サイトRANK」や、ネットの巨大掲示板「2ちゃんねる」から捜し出したり、中高生から直接聞き取ったりする方法で集計した結果、九州と沖縄を除く39都道府県で約3万8,000件在る事が判った。
こうした裏サイトを大きく分けると「(1)学校名をタイトルに掲げ、その学校の生徒や卒業生が利用している。」、「(2)『高校野球』や『修学旅行』等特定のテーマに付いて複数の学校の子供が利用する。」、「(3)巨大掲示板上で情報交換する。」、「(4)友人が作成したホームページの掲示板で情報を交換する。」の4種類。この中の2~3割で「キモイ」(気持ち悪い)、「消えろ」、「学校来るな」等と特定の子供を攻撃する書き込みや、「顔デカイ」、「ブス」、「チビ」等と容姿を中傷する文言が見付かった。
同省は群馬、兵庫、静岡の学校裏サイトをサンプルとして抽出。書き込み内容を更に詳しく分析し、教育委員会やPTAに実態を周知したい考えだ。
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以前より、教育現場で働いている知人達から「学校裏サイト」の存在は聞いていた。又、現在放送中の「3年B組金八先生 第8シリーズ」でも、テーマの一つとして「学校裏サイト」が取り上げられている。従って、かなり問題化しているのは知っていたのだが、1都道府県当たり約千件もの学校裏サイトが開設されているとは・・・。
自分が子供だった時分にも、虐めは勿論在った。中にはかなり陰湿な虐めも。だが、その虐めはあくまでもクラス内、若しくは学年内に留まっていた。しかしネット上で虐めが繰り広げられる昨今では、その虐めの輪はクラス内や学年内に留まらず、極論すれば世界中の人間、それも相手を全く知らない人間ですら書き込みによって虐めに参加出来る訳で、これは実に不気味で恐ろしい話だ。
法によって取り締まるのにも限界が在ろうし、結局は取り締まる側と取り締まられる側との鼬ごっこに終わってしまうだろう。最終的には、生徒個々の理性やモラルに委ねるという事になるのだろうが・・・。
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「岐阜公立高校入試:答え!?黒板に 『欠席』の書き取りで」(3月14日、毎日新聞)
岐阜県で13日に在った公立高校一般入試で、「欠席」を漢字で書く問題が在るにも拘わらず、一部の試験会場で受験生に欠席者が居ない事を示す「欠席無し」の文字が黒板に書かれていた等として、県教育委員会はこの問題に付いて受験生全員を正解にした。
第1科目目の国語の「問一」は問題文の中の「ケッセキ」を漢字に改める問題だった。県教委によると、或る高校で試験開始直後、黒板に「欠席無し」と書かれている事に気付いた受験生が、試験官に「此処の漢字が黒板に書いてあります。」と指摘。高校が県教委に連絡した。
国語の試験終了後、県教委が全校に確認した所、計9校(受験者数1,841人)で黒板や机に「欠席」、「欠番」、「着席」等と書かれていた。中には普段、高校で出欠状況を書き込む為に、黒板の端にペンキで「遅刻、早退、欠席」と記されていた試験会場も在ったという。県教委は「出題と会場準備に一層の配慮をしたい。」と釈明している。
岐阜県の公立高校入試は全校統一問題で行い、計64校で1万889人が受験した。
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この記事を読んで、思わずニヤリとしてしまった人も多いのではないか。必死で試験に取り組んでいた受験生には申し訳無いが、答えが黒板に書いてあったというのは何とも間抜けな話。唯、これと似た様な経験を、自分は嘗てした事が在る。中学時代の英語の試験で「英単語のスペルを穴埋めする問題」が出たのだが、前方の掲示板に貼ってあったポスターに思いっ切りその英単語が、それもかなり大きく記されていた。「こりゃラッキー!」と“カンニング”させて貰ったのは言う迄も無い。


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「学校裏サイト3万8千件、『ウザイ・消えろ』2割に中傷」(3月14日、読売新聞)
虐めの温床になっているとして社会問題化しているインターネット上の「学校裏サイト」を文部科学省が調べた所、集計が纏まった39都道府県だけで約3万8,000件が開設されている事が判った。
この内少なくとも2割で「ウザイ」(鬱陶しい)、「氏ね」(死ね)といった特定の個人への攻撃や中傷が確認された。同省は14日午後に都道府県の青少年行政の担当者等を集めて開く「ネット安全安心全国推進フォーラム」で集計結果を公表、対策の具体的検討に乗り出す。「学校裏サイト」は学校の公式サイトとは別に、児童や生徒等が開設した非公式な掲示板の総称。
同省によると、学校裏サイトを通じた中傷や虐めは2006年頃から目立ち始め、同年秋には、仙台市内の中学3年の男子生徒が「この世から消えろ。」等と中傷されて不登校になり、書き込んだ生徒2人が家裁に送致された。昨年7月に神戸市の高校3年の男子生徒が自殺したケースでは、サイト上に裸の写真や悪口が投稿されていた。
ネットを巡るトラブルの相談を受けている「全国webカウンセリング協議会」にも、学校裏サイトに関する悩みや相談が昨年1年間に374件寄せられた。
この為、同省は今年1月から民間の調査会社とNPO(非営利組織)に委託して実態調査を開始。裏サイトを紹介している「全国学校サイトRANK」や、ネットの巨大掲示板「2ちゃんねる」から捜し出したり、中高生から直接聞き取ったりする方法で集計した結果、九州と沖縄を除く39都道府県で約3万8,000件在る事が判った。
こうした裏サイトを大きく分けると「(1)学校名をタイトルに掲げ、その学校の生徒や卒業生が利用している。」、「(2)『高校野球』や『修学旅行』等特定のテーマに付いて複数の学校の子供が利用する。」、「(3)巨大掲示板上で情報交換する。」、「(4)友人が作成したホームページの掲示板で情報を交換する。」の4種類。この中の2~3割で「キモイ」(気持ち悪い)、「消えろ」、「学校来るな」等と特定の子供を攻撃する書き込みや、「顔デカイ」、「ブス」、「チビ」等と容姿を中傷する文言が見付かった。
同省は群馬、兵庫、静岡の学校裏サイトをサンプルとして抽出。書き込み内容を更に詳しく分析し、教育委員会やPTAに実態を周知したい考えだ。
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以前より、教育現場で働いている知人達から「学校裏サイト」の存在は聞いていた。又、現在放送中の「3年B組金八先生 第8シリーズ」でも、テーマの一つとして「学校裏サイト」が取り上げられている。従って、かなり問題化しているのは知っていたのだが、1都道府県当たり約千件もの学校裏サイトが開設されているとは・・・。
自分が子供だった時分にも、虐めは勿論在った。中にはかなり陰湿な虐めも。だが、その虐めはあくまでもクラス内、若しくは学年内に留まっていた。しかしネット上で虐めが繰り広げられる昨今では、その虐めの輪はクラス内や学年内に留まらず、極論すれば世界中の人間、それも相手を全く知らない人間ですら書き込みによって虐めに参加出来る訳で、これは実に不気味で恐ろしい話だ。
法によって取り締まるのにも限界が在ろうし、結局は取り締まる側と取り締まられる側との鼬ごっこに終わってしまうだろう。最終的には、生徒個々の理性やモラルに委ねるという事になるのだろうが・・・。

入試では流石になかったけど定期試験などではgiants-55様も書いていらっしゃるように、意外なところに答えが転がっている事ありましたよね。それにしてもその英語の先生の仰った事は名言ですね。実社会とはそんなものという事をずばり表現されていると思います。人間の五感や判断力とはいざという時そういう風に使うものだと思うし、だからこそ現実社会は面白いと考える事も出来ると思います。
それにしても公立高校一般入試で、「欠席」を漢字で書く問題ってどんだけ簡単なレベルなんだろうと。。。
自らが仕込んだ上でのカンニングとは違い、意図しない状態でのカンニングですからねえ。そういう目敏さも社会で生きて行く上では必要かなと。決して威張れる事では在りませんが。
自分が公立高校を受験した当時、漢字の書き取り問題はもっと難しかった様に記憶していますが、何しろもう大分前の話ですから意外と同じ様なレベルだったかも。
しかしgiants-55さんの英語教師の言い回しは素晴らしいですね。きっと一人の人間として非常に聡明な方だったんだろうと想像できます。
学校裏サイトって検索すれば普通に出てくるものなんですかね?(4)の友人が作成したHPってのは、仲間内だけでしか見れなさそうな本当の「裏」サイトっぽいし、そうなるととことん酷いカキコミがなされてそうですね。
少子化が進む一方で、大学入試は「受験地獄」から「全入時代」に入ったと言われます。高校入試、それも公立高校の入試も「より高いレベルの生徒を選別する」という形から「最低限の知識が無い生徒だけを落とす」という形に変わって来ているのかなあと思ったりもします。
件の英語教師、非常におっかなくて好きでは無かったのですが、この発言だけは心に響きました(苦笑)。
学校裏サイト、これだけの数が在れば具体的な学校名で検索すると容易に見付かるんでしょうね。かなりえげつない内容が書かれているで在ろう事は想像出来ますので、見る気すらも起こりません。知人で教師をしている者が現状把握という事で、自身の勤務している学校名で検索した所、容易に裏サイトが見付かったそうです。中身を確認したら、生徒による自分の悪口が載っていて思いっ切り凹んだとも。
何年か前、定時制高校を取り扱ったドキュメンタリー番組を見ました。戦争の為に進学断念せざるを得なかったものの、年を経る毎に「学びたい。」という思いが募り、老齢の域に入った年齢で定時制高校に入学した女性。孫と言っても良い年齢の“同級生達”に混じり、必死で読み書きをしている姿勢に心動かされました。「勉強は大変だけれども、知らない事を学べるのがすごく楽しいんです。」と柔和な表情で語っていたのが忘れられません。又、マヌケ様が書かれておられる様に、家庭内の複雑な理由から通っている生徒も居りましたし、此処でも国際化の影響か外国籍(乃至は親が外国人)の生徒もチラホラ見受けられました。
概して“惰性で”全日制に通っている生徒よりも、必死で学ぼうとする生徒が多い様にも感じられたのですが、多くの定時制高校は運営面で非常に厳しい状況に在るとされていました。国が支出面の引き締めを図る際、弱者にその余波が最も及ぶという事なのでしょうね・・・。