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「人身事故スマホ撮影、モラル問う JR新宿駅、異例の放送」(10月3日、共同通信)
JR新宿駅(東京都新宿区)で2日に起きた人身事故で、救出作業の為に現場を覆っていたブルー・シートの内側にスマートフォンを差し込んで撮影し様とする利用客が複数居た事が3日、JR東日本への取材で判った。駅員はアナウンスで「御客様のモラルに問います。」と撮影を止める様、異例の呼び掛けをしたと言う。
当時は帰宅ラッシュで混雑、駅員等はブルー・シートで人の目に触れない様にした上で、救出活動を開始。だが、シートの下部等かスマホを差し込む野次馬が複数居た為、ホームのアナウンスで「御客様のモラルに問います。スマホでの撮影は、御遠慮下さい。」と放送したと言う。
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人身事故の詳細が判らないのだけれど、被害者は負傷、最悪の場合は御遺体の可能性が考えられる。何方にしても、そんな被害者を、ブルー・シートの内側にスマホを突っ込んで迄撮影するという輩が理解出来ない。自分、又は自分の大事な人が被害者の立場だったら、同じ事をされても何とも感じないのだろうか?7月の記事「許せない!!」で取り上げた“加害者”もそうだろうが、恐らくは、そんな事を考える“想像力”すら全く無い馬鹿なのだろう。
4月に書いた「事故&事件現場で」という記事の中で、「報道番組から派遣された記者等が、大きな事故や事件が発生した現場からレポートをしている時、レポートしている彼等の後ろで、へらへらと笑い乍らピース・サインをしたり、スマホで写真や動画を撮っている連中。」や「そういう悲惨な現場で、時々笑顔を浮かべてインタヴューに答えている人。」を見掛ける度、「被害者や御遺族の気持ちを、全く考えていないんだろうな。」と腹立たしさを感じる事を記した。今回スマホ撮影していた連中も、同類としか思えない。
子供の頃、父親から良く言われたのは「組織というのは、其のトップに君臨する人間に似る物。トップが腐り切って居るならば、其の組織も必ず腐る。」と。自分にとって不都合な事を指摘されると話を逸らしたり、逆切れしたりする事で誤魔化し切り、責任を全く取らない。そんなトップが君臨する国で在れば、“インモラルな人”が増加するのも当然か。
私の住まう神戸市東灘区は激震に見舞われました。
私のマンションの周辺は瓦礫の山になりました。
私のマンションは無事でした。一度も会ったことのない親戚が、地震見舞いと称してやってきました。
お見舞いの言葉もそこそこに、うれしそうに、周囲の瓦礫の山を写真に撮り始めました。
無性にハラが立ちました。こいつ、興味本位で地震見物に来てるのかと。
人の哀しみ痛みが判らんやからは、どこにでもいるもんですね。
最近は見掛けなくなった様に感じますが、昔は「事故や事件現場を訪れ、被害者や御遺族に対して無神経に『今の御気持ちは?』なんぞと、マイクを突き出す馬鹿なインタヴュアーの姿。」を良く見掛けました。ああいうのを見る度に、不快さが増したもの。
件の御親戚、本当に酷いですね。物見遊山で被災地を見に来たついでに、取り敢えず挨拶に来たという感じなのでしょう。野次馬気質が強い自分では在りますが、人として踏み越えてはならない最低限のモラルは死守したいと思っております。
国民の代表たる政治家が、平然と嘘や誤魔化しを口にし続け、其れで済まされてしまう。此れだけでも許し難い事ですが、「戦争しろ!」とか「無節操に子供を作り続ける民族は虐殺して構わない!」なんぞと、考えられない様な暴言を吐く政治家迄出る始末。此の国は、本当に大丈夫なのだろうか?
時にわが身の危険を顧みないほどの好奇心に突き動かされるのが人間の特性。
火事や事件事故の現場に居合わせると、本能に突き動かされるように野次馬となり、時にカメラを向けてしまうこともありましょう。
しかしこの記事に接した時は、さすがにこれはあかんやろ! と。
これは好奇心の度が過ぎるというより、これはあわよくばインスタグラムなどにアップして利益を得たい、特ダネとして誇りたいという打算というか、下劣な下心が見えてしまいました。
ごろりんさんが阪神大震災の折の体験を書いておられますが、私もその前年に神戸でちょっとした体験をしています。
社員レクリェーションで神戸ハーバーランドを訪れた際、頻脈発作を起こしてしまい救急車を呼んでもらったのですが、救急車の中で血圧と心拍数を測定しているのを、車窓の外から野次馬がのぞき込んでいたらしく、210という数字を見て「なんや血圧210か」とちょっと残念そうに言ったとか。
これを聞きつけた同僚が憤慨しながら後で話してくれたのですが、この数字は血圧ではなく、発作から1時間たっても収まらない心拍数210の事で、こっちは生きた心地がしていなかったわけです(苦笑)。
国のトップの資質もそうですが、昨今話題の関西電力経営陣のモラル欠如も、目を覆うばかり。
衣食足りて礼節を知るといいますが、そういうことはこの人たちには通じないということがはっきりわかりました。
所謂「いいね!ボタン」(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%84%E3%81%84%E3%81%AD!%E3%83%9C%E3%82%BF%E3%83%B3)が一般的になった辺りから、「人から認めて貰いたい。」という欲求を過剰に持った人達による愚行が増えた気がします。「注目を集めれば、いいね!ボタンを沢山押して貰える。そうなれば、自分の存在価値が上がる。注目を集める為には、えげつない事をしなきゃいけない。」という思考が、モラルを凌駕してしまった。
関西電力経営陣も、本当に酷いですね。昔ならば、こんな酷い事が露見すれば、自ら身を退くという姿勢を見せたものだけれど、今は「開き直って、時間稼ぎすれば、嵐は止む。」という悪い風潮が出来てしまい、今回も誰も責任を取らないみたいですし。
矢張り、政治家の質が極限迄落ちてしまった事が、国民のモラル低下に大きく影響している様な気がしてなりません。国民の代表者たる政治家がこんな体たらくでは、子供にも良い影響を与える筈が無い。