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「車の自動点灯義務化を検討 国交省、日没前後の事故防止で」(12月1日、共同通信)
国土交通省が、「一定の暗さになったら、車の前照灯を自動で点灯する機能を付ける様、自動車メーカーや輸入販売業者に義務付ける検討に入った事。」が1日、判った。日没前後の時間帯に多発する、歩行者の死亡事故を減らすのが狙い。
国交省によると、EUは2011年、新型車を対象に、こうした機能の搭載を義務付けており、国際基準を参考に、自動点灯する暗さ等を検討する。
国交省の交通政策審議会の作業グループで「自動車に関する新しい安全対策の検討」を進めており、自動点灯機能も含め、来春に方向性を打ち出す。義務化する場合は、道路運送車両法に基づく保安基準を見直す。新型車が対象になる見通し。
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昔、海外拠点立ち上げの業務に従事していた際、或る上司から多くの事を学ばせて貰った。「物事を考える際には、一方向からだけでは無く、様々な方向から見聞し、そして考える。」というのを、折に触れて教示して貰った事には、今も感謝している。
アジアの片田舎に工場を立ち上げた時には、現地の官庁と法律面での打ち合わせをするのもしんどかったけれど、機械音痴な人間なので、機械の操作マニュアルを日本語から英語に訳すのには苦心惨憺させられたっけ。
訳した中には、プレス機械の操作マニュアルも。「プレスしたい金属を下の金型に置き、1つのボタンを押すと、上の金型が下りて来て、金属が成形される。」という仕組みなのだが、「下の金型に金属を置いた後、其の手をどけない儘、もう片方の手でボタンを押してしまった為、(下の金型に置いていた)手を挟まれて切断されてしまった。」という現地労働者の事故が、当時は何回か発生していた。(中には“見舞金”をせしめる為、 態と指を切断する者も。日本人の感覚で言えば「そんな微々たる金の為に、大事な指を切断するの?」と思ってしまうけれど、現地の人間からすると、結構な金という事らしい。)
なので、プレス機械の作業マニュアルには、「ボタンを押す前には、必ず手を金型からどける事。」という注意書きが、大きく記されていた。其れを其の儘英訳した所、件の上司から「こういう場合、作業者に“考えさせる要素”を出来るだけ無くす事で、安全対策とするという考え方も在る。例えば上の金型を下ろすボタンを2つにし、同時に押さないと下りない様に機械を改造する。そうすれば、両手が金型の上からどく事になり、切断事故は起こらない。機械改造の費用は発生するから、『全て機械改造すれば良い。』という事にはならないけれど、『機械改造の費用』と『切断事故による人的&金銭的損失』を長期的な目で考え合わせ、何がベターかを判断するのも大事だぞ。」と言われた。
今からウン十年も前の話だが、若かった自分には目から鱗が落ちる教え。今回の「一定の暗さになったら、車の前照灯を自動で点灯する機能付けを義務化の方向。」というニュースを読んで、其の教えを改めて思い出した。
高齢者を中心とした「逆走事故」の増加が社会問題化しているけれど、逆送出来ない様な機能を、車に搭載出来ないものか。逆走か否かの判断、逆走と判断した場合の対応等、色々難しい要素は在ろうけれど、頭の良い人ならば何とか出来そうな気がするのだけれど。
工夫することは重要ですね。ライトの自動点灯も必要でしょう。でも、その前に、ブレーキとアクセルのふみ間違いをなくす工夫が必要ですね。マニュアル車ならそんなことはないのですが、今はほとんどの車がオートマチックですね。この問題も解決しなければなりませんね。
原子力発電所の件、逆転の発想ですね。唯、四六時中警報音(?)が鳴っている中、業務に従事するというのも疲れそう。慣れてしまうのかもしれないけれど・・・。
ブレーキとアクセルの踏み間違いによる事故、此れも多いですよね。3年前の記事(http://blog.goo.ne.jp/giants-55/e/791c37f62867fa0d7ad900eadc97cf1f)で紹介しましたが、斬新な発明はされているのですが、今一つ普及していないのは、値段も然る事乍ら、自動車会社の“プライド”が邪魔をしているという面も在りそう。
全紙判の紙を印刷機にかけるサイズに切り落としたり、印刷されたものを指定のサイズに切りそろえたりと。
入社した頃はモーター駆動の断裁機が足踏みスイッチで、切断された小さな紙の束が崩れないよう、刃の手前で両手で押さえるのが怖かったものです。
実際、知り合いのベテランさんの中には指を落としている人が何人かいたり。
しばらくして機械を買い換える事になり、新しく導入された断裁機は左右にあるボタンを両手で押さえることでスイッチが入るように改良されており、さらに切断刃の手前も光センサーで障害物を検知するようになっていました。
人間にケアレスミスは付き物、という考えが浸透する事で、事故当人の不注意に矮小化することなく、安全面が向上するのは良い事ですね。
「作業者に“考えさせる要素”を出来るだけ無くす。」と書いてしまうと誤解を生みそうですが、「人間にケアレスミスは付き物。」で在る以上、そういった考え方は現実的に必要なんでしょうね。
自動車の自動運転システムというのには誤作動等の懸念が在るけれど、安全面を向上させる為の自動化というのは、凄く大事な事だと思います。